〈中野坂上デーモンズの憂鬱〉の面白さについて
vol. 8 2020-03-17 0
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さて先日より、演劇祭参加団体で上演がかなわなかった劇団を、特に思い入れのある委員がひとつひとつ紹介しています!
本日は、ここでしか観られない令和のアンダーグラウンドを紹介します!
中野坂上デーモンズの憂鬱
◆概要
松森モヘーを中心とした芝居のチーム。
劇団ではなく偶然つどった仲間で出来ている。
ENBUゼミナール2011年ノゾエ征爾クラス在学中に微動。
2012年、旗揚げ公演を前にしてチーム内での確執・裏切り・陰謀・争いをへて
現在の形となり本格的に始動する。
全てを出し切り“何かわからない業の深いもの”を作り続ける
《中野坂上ストロングスタイル》は唯一無二であり、
見るものを謎の感動と不快感へ引きずり込む。
何も感じない人もいる。それはしょうがない。
近年は《中野坂上ストロングスタイル》のみならず、
会話の完成度を追い求める《北区王子コンバセーションスタイル》、
ひたすらの出鱈目を創造する《四谷マザファッキンアウトブレイクスタイル》などを駆使し、
劇場のみならず様々な音楽LIVEやイベント、フェス等にも出演する。
中野坂上という街に特に想い入れはないが、
中野坂上は日本で一番AV女優とすれ違う街だということは本当の話らしい。(団体HPより)
《主宰・松森モへープロフィール》
1988年大阪に生まれる。高校最後の文化祭で国民的アニメ『ド○えもん』を上演し初めて演劇に触れる。大学進学と共に沖縄に渡りレゲエに染まって童貞を卒業。同時に髪が薄くなる。2011年上京後、ENBUゼミナールノゾエ征爾クラス入学。2012年卒業後からは『劇団はえぎわ』に演出助手として参加。同時に自身のユニット『中野坂上デーモンズの憂鬱』を旗揚げする。以降、作・演出・役者として多くの作品をハイペースで手掛けている。その他、音楽活動やイベントの主催、イラストを描いたりと活動は多岐にわたる。はやくバイトをやめたくてしかたない。(団体HPより)
中野坂上デーモンズの憂鬱
◆思っている事
上演中止となった『園』の初演にあたる第十回公演『園っ、』を観た時の衝撃が忘れられません。今までにない、塊となって襲いかかってくるような感覚の舞台でした。
それ以降観てきた公演にもその感覚は変わらず存在していて、だんだんとそれがどうやら緻密にコントロールされた味わいであることを知りました。
一言で表すとするならば、中毒性でしょうか。
「演劇を観に行く」というよりも、今や「デーモンズが観たい」という欲求に駆られ、観終われば「デーモンズを観たなぁ」と満足して客席を立つ、そんな唯一無二の存在になっています。
全てが渾然一体となって生み出されているものなのでなかなか難しいですが、その魅力を構成している要素について考えてみました。
◆すごいところ1 鮮烈なビジュアル
河井克夫氏による鮮やかなイラストを使ったフライヤーを始めとして、宣伝写真や告知PVも夢にまで出そうな強烈なインパクトを放っています。
それらを見て劇場へ足を運べば作品本編も期待に違わず、まずもって視覚へ訴えかけるインパクトが強いです。
時に自ら身体を張ることも厭わないモヘーさん(主宰の松森モへー氏)がこだわり抜いたシーンの中で、俳優が全力で叫び、走り回る姿が脳裏に焼きつきます。
初期から担当している葛生英之氏(kiesselbach)による照明が舞台を一層印象的に照らし出していることも、特筆すべき点でしょう。
◆すごいところ2 圧倒的なスピード感
呼吸まで計算されているような怒涛の台詞回しは、圧巻の一言に尽きます。出演者は覚えるのも演じるのも物凄く大変だろうと思います。
通常の3倍はあろうかという量の言葉が飛び込んできて、最初は「もしかして置いていかれたんじゃないか?」と思うかもしれません。しかし実は、シーンを繋ぐ音楽のテンポにも1%単位でこだわるモヘーさんによって、絶妙なテンポコントロールがなされています。
目まぐるしく展開される独特の会話に、いつの間にか理解を超えて高揚感を覚えるはずです。
◆すごいところ3 固いチームワーク
上でも触れたように演じる側も一筋縄ではいかない作風ですが、どの作品も強い思念がそのまま客席まで届くほどの熱を持っていて、作品への深い理解が共有されていることが伝わってきます。
それを高いレベルで維持して上演し続けているのは、誠実に演劇と向き合い続けるモヘーさんが座組の信頼を集め、絆の強いチームを作り上げているからに他なりません。
めちゃくちゃ面白い「モヘーさんの頭の中」を舞台上に実現するために個性溢れるキャストたちが一丸となってセッションをしていて、そのグルーヴに飲み込まれるのはまさに演劇ならではの体験と言えるでしょう。
◆まとめ
この1年を見ても特殊公演 MOHE・MAPの始動や初のツアー公演など、新たな挑戦を続けて走り続けている“チーム”です。
公演ごとに様々な趣向を凝らしながら、一貫して全身で浴びて楽しい舞台を発表し続ける中野坂上デーモンズの憂鬱、これからも変わらず貪欲に創作を続けてほしいと願ってやみません。
どうか皆様の温かいご支援をいただけましたら幸いです。
今回の上演中止に関する中野坂上デーモンズの憂鬱からのメッセージはこちらからお読みいただけます。
https://demonssmile2525soc.wixsite.com/nakanosakaue-demons/blank-30
中野坂上デーモンズの憂鬱『園』上演中止において
なお、今回の公演中止を受けて
前回公演『髄』を無料公開しています。本編がぜんぶ観られるこの機会、お見逃しなく!
また、3月28日(土)・29日(日)にLIVE SPACE ANIMAにて特殊公演『回る』を上演予定です。すでに予定枚数は完売とのことですが、こちらもぜひチェックしてみてください!
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