マーク・プティジャン監督「核の傷」続編をクラウドファンディングで実現!

HiroshimaからFukushima 肥田舜太郎医師95歳の肖像
内部被曝の告発者、肥田舜太郎先生の活動を記録する映画の製作にご協力を!

  • 山本 顕一
  • 映画
  • 埼玉県
Topa ▶ 再生
  • コレクター
    297人
  • 合計金額
    3,576,600円
  • 残り
    0日

目標金額は3,000,000円です。

FUNDED

このプロジェクトは、2013年10月2日00:00に終了しました。

このプロジェクトについて

現在96歳の高齢でありながら反核のための活動を続けておられるお医者さん、肥田先生。その若々しい活力には驚嘆させられます。この肥田先生の存在に強く胸を打たれたフランス人がいました。マーク・プティジャンという映画監督です。彼は仏訳された肥田先生の著書を読むや、ただちに来日して肥田先生の姿を撮影し、2006年に「核の傷」という映画を製作しました。

肥田舜太郎先生をご存知でしょうか?

現在96歳の高齢でありながら反核のための活動を続けておられるお医者さんで、その若々しい活力には驚嘆させられます。
先生は1945年8月6日の原爆投下の日、若い軍医として広島近郊におられ、被爆者の治療にあたられました。強烈な放射線を浴びて直ちに死んでいった人々の他に、晩発性の障がいにより酷い人生の終焉を迎える人が次々と出て来るのを目撃して内部被曝の脅威を知り、世界に向けて原爆被害の実相を訴えました。

この肥田先生の存在に強く胸を打たれたフランス人がいました。マーク・プティジャンという映画監督です。彼は仏訳された肥田先生の著書を読むや、ただちに来日して肥田先生の姿を撮影し、2006年に「核の傷」という映画を製作しました。
福島原発の事故が起きると、このプティジャン監督は事故以後の肥田先生の活動を改めて撮影するために、昨年6月に再来日しました。そしてその際「核の傷」が日本でも一般公開され、上映館でプティジャン監督のトークショウが行われました。

私(このプロジェクトのプレゼンター、山本顕一)はこのトークショウに参加して監督と知り合いました。「核の傷」が映画としてあまりにもすばらしかったので、こちらから声をかけたのです。そして彼の慌ただしい一週間の撮影日程の合間をぬって、東京で行われているあちこちの反原発の運動の現場に彼を案内しました。

いったんフランスに帰った彼を私は9月末にまた呼び寄せました。肥田先生が沖縄に講演旅行に行かれるという情報を得たからです。肥田先生の映画を撮るならば、ぜひとも沖縄における肥田先生の言動をカメラに収めるべきではないでしょうか? 私も那覇に同行して通訳を務めました。
彼はその時、新しい映画は本年3月に完成させると言っていましたが、その後一向に映画が仕上がる様子がありません。聞いてみると、予想通り資金繰りに行き詰まっている様子なのです。私が何とかして彼の資金上の支援をしたいと思っていたとき、このMotion Gallery の存在を知り、映画製作に関し多くの成功例があることを知りました。まさにこれだ!とばかりに、思い切ってプロジェクトを立ち上げることにしました。

肥田先生も目撃したオスプレイの沖縄到着(2012年10月2日、普天間基地)

遠いフランスにいるプティジャン監督に代わって私がプレゼンター役を務める決意をしたのは、この類い希な肥田先生の姿を後世に伝える優れた映画をぜひとも完成させたい、という強い熱意を抱いているからです。このプロジェクト、はたして成功するか否か?…ただただ広く皆さまのご支援をお願いするばかりです。

クラウドファンディングという資金提供の方式は最近始まったばかりで、まだ海のものとも山のものとも知れない感じがします。正直言って最初は私も迷いました。しかし去る3月26日のある会合に出席し現実の体験談に接して、これなら大丈夫そうだとの感触を得ました。(http://eiganabe.net/2013/04/02/510 画面中央の後ろ向き禿頭が私です)

実際に支援をしていただく場合には、まずMotion Gallery の会員登録をしていただくことになります。支援はプロジェクトの「チケット」購入という形で行われます。この新しい方式での資金提供にいくらかためらいをお持ちの方は、まず会員になられて500円のチケットを購入なさってみて下さい。そして内部での「アップデート」を読んでで具体的な感触を得られた上で、改めて多額(!?)のチケットをお求めいただければ幸いです。チケットは何度でも購入できます。

一つの新しい映画の製作に、ぜひともご参加ください。

コレクターになるための手順(クリックして下さい)

なお、プティジャン監督は6月8日に再来日し、肥田先生への新たな二回のインタビューをはじめ福島原発事故に関するさまざまなシーンの撮影を行い、6月18日に帰国しました。映画の完成は本年12月になる予定です。

「HiroshimaからFukushima 肥田舜太郎医師95歳の肖像」
制作実行委員会 山本顕一、坂口大介、辻仁美、坂口弥生、阿部佐奈江

要約

本作は、肥田舜太郎医師の核廃絶に向けた闘いを追う。

肥田舜太郎医師のことを話す時、誰もが「肥田先生」と親しみと尊敬を込めて呼ぶ。肥田先生は96歳の高齢にも関わらず、日本国民に被曝の危険を知らせるべく国内行脚を続けている。カメラは、原発事故の被災者が暮らす町へと赴く先生を映し出す。そこでは具体的な助言、診断、励ましとなる言葉を得ようと肥田先生の来訪を心待ちにする人達がいる。また、先生には戦後65年にわたり広島・長崎の生存者を診療し続けてきたという治療体験がある。インタビューに答える先生の体験談を通して我々は内部被曝の危険性の認識を深める。内部被曝の危険性は、核所有国の政府当局者達によって隠蔽されてきた。莫大な金銭的利益を生み出す原子力産業を推進し続けるためである。こうして何万人もの人々を襲った1986年のチェルノブイリ、そして現在の福島の原発事故の悲劇にもかかわらず、世界各国は常により多くの原子力を求めている。世界各地で64の原子炉が建造中であり、計画中のものが何十とある。

肥田先生の足は沖縄にも向かう。そこには3万の米軍兵が常駐している。1945年日本に原爆を投下した米軍や日本に民間用原子力産業を導入したアメリカ国家の暴挙に対して、肥田先生はその怒りをはっきり口にする。広島から福島へ、その歴史を念頭に、先生が願ってやまないのは平和で核のない新しい日本の到来である。それは人権の基準に基づき民衆の声がついに聞きいれられ尊重されるような国である。

肥田舜太郎先生の応援メッセージ

マーク・プティジャンの映画「核の傷」は意外に多くの人が見ていて「いい映画です」の声をよく聞きます。

いきなり私の故郷にカメラを持って現れ、廣島までつきっきりで撮られたときは、はたしてちゃんとした映画ができるのか半信半疑でしたが、出来上がった映画を見てその迫力に本人の私が緊張させられました。

昨年3.11以後の日本を撮影して、目下、編集中のこと。相変わらず「お金がなくて」の連発ですが6月の再会が楽しみです。

肥田 舜太郎

マーク・プティジャン監督のプロフィール

ウィキペディアページ(フランス語)

写真家・映画監督。テレビ向け52分尺の映画を10本以上制作。
最初の作品は1975年、アメリカのアーティスト、ゴードン・マッタ・クラークをフィーチャーしたドキュメンタリー映画。その後、レンゾ・ピアノや彫刻家セザールに迫った作品や、「ナンシー美術学校」、「グレーゾーン」を通して、芸術とは、創造とは?という問題を長年にわたり一貫して問い続けてきた。

2000年代以降、プティジャンの関心は社会的テーマに向けられ、社会・経済・政治問題に直面する強い個性をもった人物に光をあてた作品を制作:「警察学校」「デュプレシスの孤児達」「核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝」「工場移転」。

日本をテーマにした作品としては、すでに3作のドキュメンタリー作品を制作:
「核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝」(2006年/日本公開2012年)
「東京フリーター」(2010年/日本未公開)
「人間国宝」(2012年/日本未公開/ヴィラ九条山における4ヶ月の京都滞在時に人間国宝・友禅作家森口邦彦の姿に迫る作品)

マーク・プティジャンの映画の特長は、対象人物に敬意を持って寄り添うような撮影手法にある。彼の目指すところは、社会的不正義を暴き、告発し、また各人物の内に秘められている人間性を浮かび上がらせることにある。

マーク・プティジャン公式ホームページ

肥田舜太郎先生と監督マーク・プティジャン

監督の言葉

この映画の主人公、肥田舜太郎博士のこと

2006年、私は日本でドキュメンタリー映画「核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝(2012年/アップリンク配給)を制作した。この作品は、肥田先生の人生をたどったものである。彼は自身も広島原爆の被爆者であり、生き残った被爆者の治療にその生涯を捧げてきた。彼はいくつもの病院を創立し、何万人もの日本人被爆者の医学的・社会的災害の実状を国連に認知させた。それまでこうした実状は、原子力産業を自由自在に促進するべく、日本やアメリカ政府によって過小評価されてきたのである。日本国民は今日歴史上二度目の原子力の厄災をこうむっている。肥田先生は1953年、日本の医療機関で構成する社会運動団体「全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)」の創立に参加、1979年には「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)被爆者中央相談所理事長に就任、2009年に高齢を理由に引退するまで30年間務めあげた。日本被団協は1985年から2011年にかけて5回もノーベル平和賞の候補に挙げられている。

私と肥田先生との出会い

2005年、私は肥田先生の映画を撮るため、日本に向かった。先生の著書『広島の消えた日』のフランス語訳を読んだからである。最初の出会いの場は東京から200キロ離れた土地にある肥田家の墓地だった。私はその朝、東京に着いたばかりの足で、現地に向かった。先生は奥さまと一緒に先祖のお墓参りをされるとうかがっていたからだ。そこから一緒に広島に行き、その後、先生がいつも働いておられる埼玉の病院で何日間か撮影をした。核兵器に対する闘いの軌跡を語られる先生を撮影しているうち、私たちの間に尊敬と友情の絆が紡がれていった。その後の数年間、私たちは何度か再会する機会があり、私は映画「核の傷」がどれほど世界中の人々の関心をかき立てているかを伝え、先生はご自分の患者さんのこと、外国の被爆者ともコンタクトがあることなどを話して下さった。福島の原発事故のあと、先生は様々なメディアを通して、広島、長崎の原爆との類似点を指摘された。そして2012年6月には、先生の周囲の方々の尽力もあり、私は再び日本を訪れ、先生と再会することが出来た。私の企画に賛同して下さるそうした人たちの要請や励ましに応えるべく、私は本作の完成を心に誓ったのである。

この映画の製作理由

「HiroshimaからFukushima」は自由にかかわる映画である。まず肥田舜太郎医師の自由な言論。彼は国家に対し、国民の健康を守る責任を強く詰問し、戦後の日本におけるアメリカの圧力を告発する。この映画はまた、支配層の経済的・政治的な要求に従うことを長きに渡り強いられてきた国の国民一人一人が自ら表現する権利の必要性を主張する。福島の原発事故以来、自分自身の運命を選ぶ自由、より良い未来を求めて闘う自由が、万人にとって現実の問題となっている。脱原発運動に賛同・参加する人は急激に増えた。例えば大江健三郎が発起人の一人となっている「さようなら原発1000万人アクションの署名運動はすでに820万を超える署名を集めている。2011年3月11日以降、東京のストリートや日本各地で大規模なデモが繰り広げられ、参加者は怒りの声を上げ、より公正な社会への変革を訴えている。私は監督としてこの映画を完成させ、パリや東京をはじめとする世界各地で上映することで、福島原発事故の犠牲者達への連帯を表明したい。そしてまたフランス人たちを核の廃絶に向けて駆りたてることを望んでいる。

那覇市での肥田先生の講演会(2012年10月2日、沖縄協同病院にて)

琉球新報のホールでの講演会(2012年10月1日)

〜 低予算のため少数スタッフ 〜

  • Yuko HITOMI /人見有羽子:通訳、撮影コーディネーター
  • Sawa IWASADA/岩貞佐和:翻訳(在パリ)
  • Janice JONES:編集
  • Jean-Guy VERANT:ミキシング
  • Herbert POSCH:色調調整
  • Dominique BELLOIR:プロデューサー

他、Ken & Sanae YAMAMOTO/山本顕一&佐奈江のように、プロジェクト実現に尽力してくれるボランティア協力者

支援金の使いみち

映像は一部を除きほぼ撮影済み。したがってご提供いただいた支援金は、日本人出演者の談話をフランス語に翻訳する翻訳料、NHKなど映像所有者のアーカイブ画像使用料、8週間の作業が予想される編集費や、その他ミキシングや色調調整の費用などに当てられます。

本作の協賛者(2013年春時点)

La chaîne HISTOIRE (フランスの歴史専門の有料テレビチャンネル)
Le Centre National de la Cinématographie(フランス国立映画センター)
Mirage Illimité(ミラージュ・イリミテ:フランスにおける本作の映画製作会社)

前作「核の傷」のご紹介

マーク・プティジャン監督2006年製作の映画。肥田先生、および広島と長崎の原爆が日本国民に与えた重大な結果を扱います。


公式サイト:http://www.uplink.co.jp/kakunokizu/

要約

89歳の肥田先生は、自分と同じ1945年の広島原爆の被爆者25万人の中で生き残った人々の治療をずっと続けている。この映画はこの極めて人望高い熱心な活動家の足取りを追って行く。
彼はアメリカが広島と長崎に原爆を投下した目的は、とりわけ人間に与える原爆の効果の科学的実験のためであったと考える。それまで未公開であった映像資料を駆使して、監督は1946年被災地に設けられたABCCの役割を暴く。この機関はアメリカの科学者による被爆生存者の組織的な調査のためのものだったのある。
この映画は、1950年代から1970年代にかけて、広島の生き残りについなされた研究に基づいて、アメリカ政府がいかに放射能の恐るべき危険を矮小化しようとしてきたかを、はっきりと示す。アメリカは、市民の健康を全く無視しながら軍事・民間双方の原子力産業を気ままに増進させようとして、この矮小化を計ったのであった。
「核の傷」は、広島から68年、チェルノブイリから27年たった今、私たちが原子力に関し、どのような教訓を引き出さなければならないか、強く警告する。

ドキュメンタリー
52分 – 2006年、フランス。マーク・プティジャン製作
配給
Planète, Histoire(フランス)、RTBF(ベルギー)、Télé-Québec(カナダ)、Russia Today(ロシア)、2012年東京での劇場上映(アップリンク)
映画祭参加
広島平和映画祭 – 2006年
シネ・エコ – ポルトガル – 青少年賞 – 2006年
モントリオール国際ドキュメンタリー映画祭 – 2006年
ドキュメンタリー・フォートナイト 2007 – ニューヨーク近代美術館(MoMA)
環境映画国際映画祭 – パリ 2007年
レジスタンス映画祭 – フォア(フランス)2009年

「我が国ではあまり知られていない原爆被害の問題に関する時宜を得た啓蒙、稀に見る偉大な人物の感動的な肖像」テレラマ評(フランスの権威あるテレビ週刊誌)

  • こんにちは。
    直球で率直な疑問をぶつけてみます。

    OL
  • 監督

    よろしくお願いします。
    なんでもお聞き下さい。

  • さっそくですが、最初の質問です!

    Q1この映画でしか得られない事実はありますか?

    OL
  • 監督

    それはまず、全生涯をかけて被曝患者の治療に当たってこられた肥田先生の証言です。
    また科学的な研究や統計の報告もあります。
    この映画は様々な事実を集め、分かりやすく紹介するのです。

  • Q2この映画が伝える内容に証拠はありますか?
    科学的な検証に基づいた映画になるのですか?

    OL
  • 監督

    この映画は絶対的な真理を与えるものではありません。
    映画というものは一つの空間であって、その中をさまざまな情報、さまざまな意見が行き来し、時にはある種の科学的研究も顔を出します。
    私は事柄の信憑性に出来るだけ近づこうと深く心がけています。

  • Q3この映画のおかげで救われる命はあると考えていますか?

    OL
  • 監督

    そうあってほしいと想います。
    人々に放射能の危険について知らせれば、人々は日常生活の行動に注意深くなり、危険を抑えることが出来るでしょう。
    また政府に対し(危険防止のための)保証を求めることも出来るでしょう。

  • Q4完成した映画を最も観て欲しいのはどんな人ですか?

    OL
  • 監督

    あらゆる人がこの映画を見るべきです。汚染地域に住む人達にだけ関わりのある問題ではありません。
    原子力発電を利用する人々にも関わりがあるのです。私たちはこのような危険をはらむエネルギーを利用して行きたいと望むのでしょうか?

  • Q5その人たちはこの映画を観てくれそうですか?

    OL
  • 監督

    この映画は党派的な宣伝映画ではありません。
    さまざまな現実を問題にあげ、考えるための手がかりを提供するのです。
    映画を見たらそのあとで、それぞれが、友達や医師やソーシャルワーカーや議員などと議論を交わし、自分自身の考えをはっきり固めて下さい。

  • Q6私や私の友人たちは、正直に言って気分が暗くなるドキュメンタリー映画は観ません。(スミマセン。) 私たちが観たくなるように説得してみていただけますか?

    OL
  • 監督

    自分たちの日常生活や、生活上の困難を語ることは、気分が暗くなることなんかではありません。
    何が起こっているかが自覚できれば、行動を選び、代議士に働きかけ、社会の不都合を変えさせて行くことが出来ます。
    デモクラシーはこうやって動くのです。

  • Q7わたしはこれから子供を産んで育てようと考えています。
    映画を観るよりも毎日やるべきことがあふれていて忙しいくらいです。
    この映画は子育てに必要ですか?役に立ちますか?

    OL
  • 監督

    あなたのお子さんが後になって、あなたが自分の子どもの将来のこと心配し、この映画を見に行くことによって現実の状況を認識することが出来たのだ、ということを知ったら、自分は幸せだ、と思うだろうと私は考えます。

  • Q8日本とフランスを比べてみてどちらが「よい国」だと思いますか?

    OL
  • 監督

    どちらのほうがよい国だ、などということはありません。

  • Q9お子さんと日本の東京で暮らすことができますか?

    OL
  • 監督

    自分が選ぶことが出来るなら、私は子どもを連れて福島の原発から遠く離れたところに行きます。福島原発の安全性は保証されないままでいるからです。

  • Q10この映画は、監督の構想通りに進んでいますか?それともすでに予想外の内容となっていますか?

    OL
  • 監督

    このテーマに関しては多くの映画が作られています。そして人々は新しい材料のものをより好んで追いかけようとします。
    しかし、一年かかって撮影を続けているうちに、事態が変化するのを見ることが出来ました。例えば日本の政権交代です。また放射能の影響によるこどもの病気の最初の兆候が現れてきています。

  • Q11映画にも登場するという沖縄に配備されたオスプレイは、内部被ばくとどうつながってくるのですか?

    OL
  • 監督

    オスプレイと内部被曝のつながりは肥田先生です。彼は1945年の原爆投下の日、広島にいました。そして爆撃をおこなったことを一度も謝ろうとしなかったアメリカに対して大きなわだかまりを抱いております。
    アメリカ軍が沖縄の人々の意向に逆らって沖縄の土地にこの軍用機を持ち込むことは、肥田先生に広島とアメリカの占領時代の悪い記憶を思い出させるのです。

  • Q12私は、遺伝子組み換え食品や薬漬け食肉などについて興味があり気になっています。
    内部被ばくの危険性をもっと考えるべきですか?
    どちらの問題のほうが大きいと考えていますか?

    OL
  • 監督

    私は食べものによる内部被曝の危険性の方により多くの注意を払うべきだと思います。一つには、測定器を使えば食品の放射能を測ることができるのだし、他方では消費者が結束してスーパーで売っている食品を監視することが出来るからです。これは、すでに行われているところもあります。生産者が作物に産地の表記をしないときには抗議しなければなりません。
    消費者としての要求が強くなればなるほど、生産者や流通業者の態度もよくなり、私たちの健康が守られることになるでしょう。これには時間がかかることは知っていますが。
    遺伝子組み換え食品や薬漬け食肉も同じように危険です。しかし、不幸なことに、これらに対しては、消費者としてできる対応策が何もありません。

  • Q13私は、ストーリー仕立てになっていないと映画を観るのがつらいです。
    ドキュメンタリー映画のよいところってどんなことですか?

    OL
  • 監督

    ドキュメンタリー映画は、テーマよりも人間に関心を示します。人間に好感が持てれば、ドキュメンタリー映画にも好感が持てます。私も、もし肥田先生に会うことがなかったら、おそらく原発の映画なんて作らなかったでしょう。
    私は、肥田先生の生き方の全体、他の人々に対する思いやりの深さは、人類のお手本だと思い、この思いを映画を見る人々にも共に感じてもらいたいと望んでいます。
    核の問題が先生の一生を貫いているので、原発が映画のテーマにもなったのです。

  • Q14この先生はきっととてもすばらしい方なのだと思います。
    でも、この先生の紹介が最初から最後まで流れているだけの映画だったら私は観たくないです。
    この映画には盛り上がりや見所はありますか?

    OL
  • 監督

    はい、この映画は内部被曝の追跡物語です。肥田先生の生き方にそいながら、私たちはどうして原爆から何年もたった後で、政府が原爆の影響は全て終わったと宣言しているのにもかかわらず、お医者さん達は被爆の兆候を示す患者さんたちをいつまでも発見し続けているのか、という謎を理解しようと努めるのです。
    同じことが今日福島でも行われています。政府は、疫学的な評価がまだ確定していないのに、避難者に汚染地域の自宅に戻れといっています。
    これは私にとってのミステリーなのです。

  • Q15私たちがこういった怖い感じの映画を観ない理由を考えてみると「家計は厳しく生活を変えるにはお金がかかる」「問題を認識したところで気持ちが落ち込むだけで実際には変えることは難しい」といった理由もあるのかな?と思いました。
    そんな状況にもこの映画は役立ちますか?

    OL
  • 監督

    デモクラシーは完全な制度ではありません。しかしデモクラシーというのは、一人一人の人間が自分の運命(将来の生き方)に責任を持ち、自分がその中に生きていきたい社会を選ぶことを可能にさせるものなのです。
    現実を認識し、情報を増やすことによってはじめて人は正しくデモクラシーに参加することが出来ます。
    これは、わくわくするようなことだと私は考えます。

  • Q16私たち個人ではなく、政治家さんたちに訴えた方がいいのではないですか?
    何かそのために考えていることはありますか?

    OL
  • 監督

    この映画は全ての人のために作られています。政治家にも見てもらいます。政治家と一般の人々とは、離れた別の世界に属していてはなりません。
    政治家は人々に仕えるために存在しているのであって、その逆ではありません。

  • Q17原爆と原発についてどう考えていますか?

    OL
  • 監督

    原子力を開発したテクノロジーの偉大な成果は、ある意味では感嘆すべきです。不幸なことに、この原子力が軍事的に利用されたため、人類にとっては破滅的なものとなりました。
    原子力発電に関して言えば、一時期はそれも有用だったと思います。しかしチェルノブイリと福島の苦い経験の後では、私はすべてそれを停止し、核に変わる新しいエネルギーの開発を目指さなければならないと考えます。それは可能でしょう、とりわけ技術開発とエコロジーの面で抜きんでた先進国である日本において。

  • Q18今回の撮影で肥田舜太郎医師について何か新しく分かったことはありますか?

    OL
  • 監督

    非常にユーモアのある方だということが分かりました。

  • Q19この映画の中で監督として一番気に入っている場面はどれですか?

    OL
  • 監督

    それを言うのはまだ早すぎます。

  • 質問を考えたことと監督の丁寧な答えから「身近な危険を見ないようにしている?無意識で自分には関係ないと決め込もうとしている?」といったことを考えてしまいました。
    普通の生活の中、できるだけキケンを避ける情報を知るためにこんな映画が必要なのかもしれないと思いました。
    映画の完成を待ち確かめてみようと思っています。

    OL

プレゼンター山本による「番外企画」まとめ

この番外企画を考えたきっかけは「すでに内部被ばく問題に無関心な方たちにどうしたらこの映画に関心をもっていただくことができるか?」でした。
そのために実際に内部被ばくに関心のない普通の方から、失礼とも思える質問を監督にぶつけてもらおうと考えました。
監督の答えとのちぐはぐ感や温度差からある種のおかしさや問題点が浮かび上がりそれを共有することで、この映画の主題に関心のない方にも興味を持つきっかけとしていただければと思ったのです。

実際に質問をぶつけてみると、しばしば監督がこちらの狙いからずれた回答をしているので、そもそも監督には、こうした社会問題に無関心な「ふつうの」女性が日本に広く存在するということが理解できていないらしいということが分かりました。
それはプティジャン監督の人柄、というよりは彼のフランス人気質のためです。

フランス人には、この世に無関心層、社会問題に関する人任せ層が広く存在するなどということは考えにくいのでしょう。フランスではどんな人でも自分の政治的意見ははっきり持っているのです。
だから、監督は無関心層にアッピールすることがまず必要だ、とは考えてもいないのでしょう。

デモクラシーは「デモ」(人民)の「クラシー」(政治支配)

監督はさかんに「デモクラシー」という言葉を使っています。これを「民主主義」と訳すと、焦点がぼけてしまいます。今の日本は民主主義の国だから、これでいいんだ、なんて感じになります。監督の考えるようなデモクラシーは今の日本にはほとんど存在しません。
デモクラシーは「デモ」(人民)の「クラシー」(政治支配)です。政治は「政治家さんたち」にお任せする、という意識ではデモクラシーは成り立ちません。こうしたデモクラシーの考え方を彼が強調しているので、私はプティジャン監督にあらためて感心しました。

日本人の多くが自分の意見を持たない大勢順応主義だと言うことには、日本の教育にも原因があります。

日本の教育の目的は、受験競争に勝つことにあります。
沢山の知識を詰め込んで、センター試験のような解答番号を塗りつぶす問題を短時間でわーっと解く能力、大学の二次試験でも、やたらに知識を詰め込まなければ点の取れない難問奇問にすばやく対処する能力だけが求められます。じっくりものを考えていたら、受験競争に負けてしまいます。
そして一旦大学に入学したら、よほどのことがない限り卒業証書にありつける... これが日本の教育です。

フランスの教育、たとえば大学制度は?

高校修了時に大学入学資格試験(バカロレア)を全員が一斉に受け、合格したら、好きな大学に登録できます。大学入試にあたるのは全国一斉のこの試験だけで、大学個別の試験はありません。大学は国立だけです。
大学は登録してからが大変です、よっぽどしっかり勉強しないと卒業資格はとれません。一時人気のあったパリ大学日本語科の場合、一年時は登録者が何百人といても、二年時に進めるのはその半分、ちゃんと卒業できるのは数十人になってしまうというありさまでした。

さて、そのバカロレアの出題傾向は? 全国一斉試験だから、公平を期するために正解のはっきりした問題だろう、と思うのが日本人の常識でしょう。やはりセンター試験のような...

実際の昨年度のバカロレア試験問題はこうです。一番重要な哲学の問題で、文系でも理系でも社系でも必修です。3問の出題の内、その場で選んだたったの1問だけを回答すればいいのです。物事を考える訓練をうながす問題ばかりです。

(3つのうち好きな1問を選んで答えよ)

文系

-Que gagne-t-on en travaillant?
(働くことで人間は何を得るか?)

-Toute croyance est-elle contraire à la raison?
(信心は道理とは反対のものであるか?)

-Commentaire: Spinoza «Traité théologico-politique»
(スピノザの『神学・政治論』についてコメントせよ)

理系

-Serions-nous plus libres sans l’Etat?
(国家が無くなることで我々はより自由になるか?)

-Avons-nous le devoir de chercher la vérité?
(我々は真実を探求する義務があるか?)

-Commentaire: Rousseau, «Emile ou De l’éducation».
(ルソーの『エミールまたは教育について』についてコメントせよ)

経済・社会系

-Travailler, est-ce seulement être utile?
(働くことは、役に立つだけであろうか?)

-Peut-il exister des désirs naturels?
(自然の欲望は存在するか?)

-Commentaire: George Berkeley, «De l’obéissance passive»
 (ジョージ・バークリー『De l’obéissance passive』についてコメントせよ)

18歳前後の学生が数時間かけてこの一行の問題に挑み、文章をまとめあげるのです。
いまでもフランスはこいうことをやっています。採点の公平性なんてクソ喰らえです。(失礼いたしました)

だからフランス人はいやでも物事を深く考えるようになり、人と会うと自分独自の考えを述べ立ててさかんに議論するのです。フランス人は、他人の意見に同調することを好みません。しかしフランス人は連帯(solidarité)という言葉は大好きです。意見の違う人とでも、共通の目的のためには人間的につながって行こうという態度です。

日本が真の意味でのデモクラシーの国になるのはまだまだ先のことかも知れませんが、3.11以後、大勢順応主義から離脱する人が増えているように思われます。金曜日の官邸前の集まりがこんなに続くとは、これまでは考えられなかったことです。
気長にデモクラシーを育てていくほかはないようです。

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リターンを選んで応援する

  • 500円

    • コレクター限定で、映画制作の進行状況や監督に関するエピソード等を共有します
    • 46人
  • 3,000円

    • コレクター限定で、映画制作の進行状況や監督に関するエピソード等を共有します
    • 完成上映会に1名様ご招待(上映会の形式・場所は未定。各地での上映が決まり次第ご案内いたします)
    • 311以降を生きるためのハンドブック」(「核の傷」パンフレット)を贈呈します
    • 62人
  • 5,000円

    • コレクター限定で、映画制作の進行状況や監督に関するエピソード等を共有します
    • 完成上映会に1名様ご招待(上映会の形式・場所は未定。各地での上映が決まり次第ご案内いたします)
    • 311以降を生きるためのハンドブック」(「核の傷」パンフレット)を贈呈します
    • 肥田舜太郎著「被爆と被曝」を贈呈します
    • スペシャルポストカードを贈呈します
    • 33人
  • 10,000円

    上映会&クレジット

    • コレクター限定で、映画制作の進行状況や監督に関するエピソード等を共有します
    • 完成上映会に1名様ご招待(上映会の形式・場所は未定。各地での上映が決まり次第ご案内いたします)
    • 311以降を生きるためのハンドブック」(「核の傷」パンフレット)を贈呈します
    • 肥田舜太郎著「被爆と被曝」を贈呈します
    • スペシャルポストカードを贈呈します
    • 献辞入り写真を贈呈します
    • スペシャルサンクスとしてエンドクレジットにお名前を載せます
    • 23人
  • 10,000円

    DVD&クレジット

    • コレクター限定で、映画制作の進行状況や監督に関するエピソード等を共有します
    • 完成作品のDVDを贈呈します
    • 311以降を生きるためのハンドブック」(「核の傷」パンフレット)を贈呈します
    • 肥田舜太郎著「被爆と被曝」を贈呈します
    • スペシャルポストカードを贈呈します
    • 献辞入り写真を贈呈します
    • スペシャルサンクスとしてエンドクレジットにお名前を載せます
    • 94人
  • 30,000円

    • コレクター限定で、映画制作の進行状況や監督に関するエピソード等を共有します
    • 完成上映会に2名様ご招待(上映会の形式・場所は未定。各地での上映が決まり次第ご案内いたします)
    • 311以降を生きるためのハンドブック」(「核の傷」パンフレット)を贈呈します
    • 肥田舜太郎著「被爆と被曝」を贈呈します
    • スペシャルポストカードを贈呈します
    • 献辞入り写真を贈呈します
    • 完成作品のDVDを贈呈します
    • 前作「核の傷」DVDを贈呈します
    • ご希望の方に「みんなの測定所 ふじみーる」食品放射線測定チケットを発行いたします(郵送料や、受け渡しに際する交通費は自己負担になります)
    • スペシャルサンクスとしてエンドクレジットにお名前を載せます
    • 23人
  • 50,000円

    • コレクター限定で、映画制作の進行状況や監督に関するエピソード等を共有します
    • 完成上映会に2名様ご招待(上映会の形式・場所は未定。各地での上映が決まり次第ご案内いたします)
    • 311以降を生きるためのハンドブック」(「核の傷」パンフレット)を贈呈します
    • 肥田舜太郎著「被爆と被曝」を贈呈します
    • スペシャルポストカードを贈呈します
    • 献辞入り写真(大判)を贈呈します
    • 完成作品のDVDを贈呈します
    • 前作「核の傷」DVDを贈呈します
    • ご希望の方に「みんなの測定所 ふじみーる」食品放射線測定チケットを発行いたします(郵送料や、受け渡しに際する交通費は自己負担になります)
    • スペシャルサンクスとしてエンドクレジットにお名前を載せます
    • 完成映画には使われなかった特別映像へのアクセス権を提供します
    • 6人
  • 100,000円

    • コレクター限定で、映画制作の進行状況や監督に関するエピソード等を共有します
    • 完成上映会に3名様ご招待(上映会の形式・場所は未定。各地での上映が決まり次第ご案内いたします)
    • 「311以降を生きるためのハンドブック」(「核の傷」パンフレット)を贈呈します
    • 肥田舜太郎著「被爆と被曝」を贈呈します
    • スペシャルポストカードを贈呈します(3枚)
    • 献辞入り写真(大判)を贈呈します
    • 完成作品のDVDを贈呈します
    • 前作「核の傷」DVDを贈呈します
    • ご希望の方に「みんなの測定所 ふじみーる」食品放射線測定チケットを発行いたします(郵送料や、受け渡しに際する交通費は自己負担になります)
    • エンドクレジットにスペシャルサンクスとしてお名前を載せます
    • 完成映画には使わなかった特別映像へのアクセス権を提供します
    • 作品完成後の監督との交流会にご招待します
    • 10人
  • 300,000円

    • コレクター限定で、映画制作の進行状況や監督に関するエピソード等を共有します
    • 完成上映会に5名様ご招待(上映会の形式・場所は未定。各地での上映が決まり次第ご案内いたします)
    • 「311以降を生きるためのハンドブック」(「核の傷」パンフレット)を贈呈します
    • 肥田舜太郎著「被爆と被曝」を贈呈します
    • スペシャルポストカードを贈呈します(5枚)
    • 献辞入り写真(大判)を贈呈します
    • 完成作品のDVDを贈呈します
    • 前作「核の傷」DVDを贈呈します
    • ご希望の方に「みんなの測定所 ふじみーる」食品放射線測定チケットを発行いたします(郵送料や、受け渡しに際する交通費は自己負担になります)
    • 完成映画には使わなかった特別映像へのアクセス権を提供します
    • 作品完成後の監督との交流会にご招待します
    • エンドクレジットにアソシエイトプロデューサーとしてお名前を載せます
    • 0人

プレゼンター

Yamamoto

山本 顕一

  • 埼玉県

1935年生まれ、隠岐の島出身。島根県立松江高校、東京大学卒。立教大学名誉教授。東京芸大、東京女子大、東京大、自由学園等でも教えてきた。著書「フランス語ハンドブック」、翻訳「キュンバルム・ムンディ」デ・ペリエ、「南極フランス異聞」テヴェ、「工場生活の体験」シモーヌ・ヴェーユ等。3,11以降「脱原発、ここで日本を変えなければ!」と「らむぶる友の会」http://p.tl/dqE8 結成。2012年2月、秩父で肥田舜太郎先生の講演に初めて接して、心から感動。同年6月「核の傷」のプティジャン監督と知り合い親しい友人となる。本年4月、監督の映画制作を支援するため、同じ思いの仲間と制作実行委員会を立ち上げる。

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