働く=デザインによってひとの幸せを生み出すこと
vol. 49 2015-12-25 0
最終日なので。。。今日3つ目のダイジェストをお送りします!!
ダイジェストはダイジェストで本に掲載するものとは異なります。ぜひ本、楽しみにしていただけると嬉しいです。来年も引き続き取材、文字お越し、記事書き、編集と続きます。サポーターの皆さんもご関心があればご参加ください。
クラウドファンディング期間中のラストダイジェストは、中目黒のみどり荘を見つけて、デザインして今の原型を作ってくださったインテリアデザイナー山田健一郎さんです。
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「働くとは人のために動くことでしょうね。だってそういう字ですから」。そう言われた時、編集チームはハッとした。確かにそうだ、人偏に動く。言葉の主はインテリアデザイナーの山田健一郎さん。しかしこのように考えるようになったのは年齢を重ねてからで、若い頃の原動力は自己顕示欲だったと振り返る。
「へぇー面白いモノつくっているね、使ってやってもいいよ。」この言葉にカチンときた。自称「アーティストみたいなこと」をやっていた時、自分の作品を設計事務所に売り込みに行った際に言われた言葉だ。「使ってやるだったら売らねーよ、自分がインテリアデザイナーになってやる!!」。学生時代はプロダクトデザインも学び、憧れている人がいた。でもあまりに想いが強すぎてその人には近寄ることすらできなかった。その後、その憧れの人、黒崎輝男氏(IDEE創業者、みどり荘やCommune246仕掛け人/プロデューサー)と仕事をすることになるとは当時は想像もしていなかった。
「状況をデザインする」。黒崎氏の言葉だ。当初は見えない触れらないものをどうデザインするかわからなかったそうだが、みどり荘1はじめ山田さんの仕事はモノだけでなく状況をデザインしている。みどり荘1は我々編集チームが拠点とする山田さんの仕事の1つとも言える。中目黒に突然現れるみどりの蔦に覆われた廃墟のような建物。そこはデザイナーや建築家、クリエイティブエージェント達の仕事場だ。山田さんは20代の頃から「色々な仕事を持つ人がそれぞれのデスクやプースを持っていて、真ん中に長いテーブルがあって皆でランチを食べる」、そんな仕事場に原付で通う姿が見えていたそうだが、それはみどり荘1で具現化された。
デザイナーにデザインという言葉を定義して欲しいとお願いしてみた。「デザインはアートじゃないから必ず誰かが発注する。だからその相手が欲しいものを感じとって渡す、自分のエッセンスは入れるけど。最終的にはそのデザインをプレゼントするって気持ちで渡す、そして受け取ったひとが幸せになる、それがデザインです」。山田さんにとって働くことは、デザインによってひとの幸せを生み出すことなのだ。