好奇心を失ったら死んじゃう by 宮下慧
vol. 27 2015-12-05 0
「いま東京で ”働くとは何か” を考える本」取材20/100
みどり荘のメンバー「獣肉酒家 米とサーカス」「新宿肉区 パンとサーカス」などエンターテイメント色の強い飲食店を運営する、宮下企画のデザイン・PR担当 宮下慧さんにインタビューをしました。一昨日はその慧さんのお店にてみどり荘大忘年会を開催しました!!
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図案家の父親と染織家の母親のもとで育った子ども時代。自分は買ってもらえないような友人のおもちゃや洋服が羨ましかったが、今思い返せば上質なものに囲まれ、色鮮やかな装いをさせてもらえた豊かな暮らしだったと話す。高校ではデザイン学科を選択、その後桑沢デザイン研究所に入って映画美術を学ぶ。在学中に映画美術の会社でアルバイトを開始するも、腰を痛めてグラフィックに転向。
その後は百貨店にてグラフィックデザイナーとして働いた。金銭に頓着のない両親とは違う、収入の安定した手堅い職に就きたいという考えだったが、めぐりめぐって今の夫と出会い起業することに。「人生で決めていることは、自分の生活は自分で稼いだお金で賄う、ということ。それならば自分が好きな仕事をやりたいと思うようになったんです」
25歳で宮下企画の立ち上げに関わり、デザイン業に店舗での接客、その後PRも担当。ニッチな分野で独自の世界観を作り5年間で6店舗、アルバイト含め40人ほどの会社へと成長させた。
震災の影響で経営に苦戦したり、自身のデザイナーとしてのキャリアに迷うこともあったが、自社の食とエンターテイメントを追求する仕事に魅力を感じて走り続けてきた。
「好奇心を失ったら死んじゃうんじゃないかな」。常に立ち止まらず成長し続けていきたい、と言う。最近は座学で経済学を学び始めた。「勉強はもちろん仕事のためでもあるけど、こうして積み重ねたものが仕事に繋がって、仕事で得たものも自分の人生の一部になっていったらいいな。”生きるために働く、働くために生きる”という今回のテーマを、イコールにしていきたいなと思っています」。そして、今後は宮下企画で出来ることの幅をさらに増やしていきたいと語ってくれた。宮下さんのパワフルな人柄と情熱が伝わってくる取材だった。