YIDFF2019監督派遣 報告その2(鶴岡・庄内編)
vol. 15 2019-11-15 0
庄内ドキュメンタリー映画友の会では、会が発足した1999年から毎回、山形国際ドキュメンタリー映画祭に参加した海外の監督を庄内に招待して上映会を開催しています。今回で11回目となりますが、これまでにフィリピン、中国、イラン、ベトナム、インドなどの監督と交流を重ねてきました。
今回は中国のジャン・モンチー監督のインターナショナル・コンペティション出品作品『自画像:47KMの窓』を上映することになりました。監督はまだ若い女性ですが、自身が「47KM」と呼ぶ村に通い続けて撮影している「自画像シリーズ」は今回が8作目で、山形映画祭には2011年と2017年にも参加しています。
映画祭最終日の10月17日(木)、ジャン・モンチー監督とプロデューサーで母親のジャン・イエンさん、そして通訳の中山大樹さんを鶴岡まちなかキネマにお招きし、「上映&監督トーク」を開催しました。入場者はスタッフを含めて総勢41名で、年齢層はやや高めでしたが、中国ではこうした上映会に参加するのは若い人が多いらしく、監督は少し驚いている様子でした。上映後は監督のトークと質疑応答を行ないましたが、はじめはなかなか質問が出なかったものの、一人の方が口火を切ると次々と感想や質問が出て、終了後もロビーで監督に話しかける人もいました。
その後、前回の上映会で好評だったレストランで友の会のメンバーと懇親会。監督はダンスやパフォーマンスもやっていて、ダンスのワークショップで来日したこともあるとか。遅い時間にもかかわらず、次から次へと出てくるおいしい料理を食べながら、映画やダンスの話などをしているうちにあっという間に時間が過ぎました。
上映会が始まるまで時間があったので、鶴岡市の加茂水族館へ行ってきました。監督は水族館が初めてだそうですが、クラゲを中心とした展示とアザラシのショーにすっかり魅了された様子でした。昼食は館内のレストランで刺身などの海の幸を味わってもらうつもりでしたが、中国では生の魚はほとんど食べないらしく、監督はビーフカレー、イエンさんは名物のクラゲラーメンを注文していました。
翌日は羽黒山へ行き、国宝の五重塔へ。ちょうど特別拝観期間中で五重塔の中にも入れましたが、内部の撮影は禁止。そのかわりに、ゴーグルを覗くと内部を実際に見たように感じられるVR(バーチャル・リアリティ)を楽しみました。羽黒山から国道47号を通って新庄駅に向かいましたが、国道の標識を見た監督が「47!」と声を上げました。自分が通っている村と同じ数字なので敏感に反応したようですが、じつはわが家の地番も47なので、その気持ちはよくわかります^^;
新庄駅で昼食を済ませ、改札へ行ったら、(同じ監督派遣で)上映会を行った『山の医療団』チームとばったり会い、少しだけお互いの上映会の話をすることができました。今回の交流はほぼ一日でしたが、それ以上に長く一緒にいたように感じた充実した時間でした。ジャン・モンチー監督はこれからも「47KM」村へ通い続けると言っていたので、いつかまた庄内で続編を上映する日が来ることを願っています。報告:飯野昭司(庄内ドキュメンタリー映画友の会)