ミニコラム④ 陶器と磁器の違いって?
vol. 6 2023-03-03 0
こんにちは。
スモモクラウドファンディング担当です。
本作品に関連する、薩摩焼や、日本の陶芸文化、歴史についての基礎知識を配信していくミニコラムの第4回です。
これまでは、私たちが制作している映画の内容に紐づく部分として、
九州・山口地方のやきもの文化の起源や歴史であったり、どのような発展を遂げて今に至るのか、また各産地で作られるやきものの特徴などを見てきました。
では、そもそもですが、”やきもの”は”陶磁器”とも言われますが、
この陶磁器は大きく分けると「陶器」と「磁器」の二種類に分けられます。
皆さんは、この違いはご存じですか?
このようにやきものに種類があることを(○○焼や△△焼といった産地の違いではなく)
なんとなくでしか知らなかった、もしくは今まで知らなかった方に向けて、
この「陶器」と「磁器」がどういったものなのか、どのような違いがあるのかについて触れておきたいと思います!
○陶器と磁器の違い
陶器と磁器の大きな違いは、その原料となる素材の違いです。
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陶器・・・「陶土」と呼ばれる粘土を形成し、800℃~1300℃で焼いたもの。
磁器・・・陶石を粉砕した「石粉」を形成し、1200℃~1400℃で焼いたもの
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★陶器
「陶土」をおもな原料とする土器・せっ器・陶器を合わせて「土もの」と呼ばれます。
さらに、陶器は土もののなかでも釉薬がかかっていることが特徴です。
練った陶土で成形したあと、乾燥させ一度700℃~800℃程度の窯で素焼きしてかたくしてから、釉薬をかけて約1100℃~1200℃で焼成します。
釉薬により表面に薄いガラスのような膜ができるのですが、目に見えない無数の空気穴が空いていて、やや吸水性があるのも特徴です。
※釉薬(ゆうやく)・・・
「うわぐすり」とも呼ばれ、植物を燃やした灰や酸化鉄の粉末を配合し、水に混ぜてつくられる。
素焼きした焼きものの上にかけて高温で焼くことでガラス質の膜に変化し、器の強度が増して器の吸水や汚れを防ぐ役割を果たす。
また、配合する成分や火の加減によって器に多彩な色彩表現が可能になる。
★磁器
磁器とは、陶石という石をこまかく砕いたものや、白色粘土に長石や珪石 (けいせき)といったガラス質の石を加えたものが原料となります。
陶器が「土もの」と呼ばれるのに対し、「石もの」とも呼ばれます。約1300℃~1400℃の高温で焼成し、まるでガラスのようななめらかな質感に仕上がるのが特徴です。
とても丈夫で割れにくいため、一般的に薄いつくりのものが多く、吸水性もほとんどないのも特徴と言えるでしょう。
◯代表的な産地
陶器:益子焼 (栃木県) 、瀬戸焼 (愛知県) 、美濃焼 (岐阜県)など
磁器:九谷焼 (石川県) 、伊万里・有田焼 (佐賀県) など
皆さんも少しずつ、やきものや日本の陶芸文化に詳しくなりはじめたのではないでしょうか!
(それでは、次回もお楽しみに!)
<過去コラムはこちらからおさらい!>
ミニコラム① ”やきもの大国”誕生前夜
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ミニコラム② 西日本を中心に定着した朝鮮人陶工たち
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ミニコラム③ 薩摩焼とは
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