猪苗代の子どもたちから、ワルリ族の3人への手紙
vol. 20 2017-03-12 0
絵本をつくるため、公開制作をした翁島小学校を訪れたのは、2月のこと。
ワルリアーティストの3人が制作した11月から3ヶ月後のことでした。
先生たちに、何か子どもたちの中に変化がでていたら教えてもらおうと思っていたのでした。
学校に着くと、ワークショップで一緒にワルリ画を描いた一年生たちが待っていてくれました。どうやら、お昼休みの時間を使ってくれたようです。
「あれから3ヶ月経ちましたが、皆さんは元気でしたか?僕が誰と来たか覚えていますか?」と尋ねると、「トゥシャールとマユール、ハルシャッド!」と即座に返事が。
ーワークショップで何を描いたか覚えてる?
「さそり!さぼてん!さかな!かみさま!へび!かに!ひと!」
ーワークショップの感想を教えてくれますか?
「ワルリ画はとても細かく、丁寧に描くのがすごいなと思いました」
「ワルリの村の様子もいいんだけど、猪苗代の絵も描きたいと思いました。磐梯山が描きたかった」
「ワルリ画を見ながら描いたときに、いろんな絵があって楽しかったです」
「なんで、白い色だけで描くんですか?」
「ワルリ画はなんで壁に描くんですか?」
「米の粉はどうやって絵の具にするんですか?」
「どうして、竹の筆で描くんですか?」
「田んぼにまく肥料は、落ち葉と牛ふんで作るって言ってましたけど、他の動物のふんではだめなんですか?」
「ワルリ画を描く紙(布)は、なんで茶色なんですか?」
「なんでワルリ画に出てくる人や動物は、体が三角なんですか?」
「どうしてワルリ画を描く人は、お手本もなく、細かく描けるんですか?」
「ワルリ画では、目とか、口とかはつけないんですか?」
聞きたいこと、たくさんあったんだね!それか、日をおうごとにどんどん膨らんでいったのかな。
質問にはできる限り答えました。でも、なぜ体が三角で描かれるのか。それは、答えられず。僕の宿題になりました。
ー猪苗代の絵を見て、何か新しくわかったことありますか?
「山の下に川があって、そこにお魚がいるってわかりました」
「猪苗代には私が思っていたよりも、カニとか、魚、あとクマもいるっていうことがわかりました」
「ワルリ画をみて、蛇が林から出てくるのは見たことがあったんだけど、岩や土の中にもいるんだってことがわかりました」
「外国の人に会ったことのある人?」と聞くと殆どの子は初めて、海外の人に会ったようです。
「インド人の3人が絵を描いているのを見て、不思議だと思った?こわくなかったの?」と校長先生。
「全然!遊んであげようと思ってそばに行ったんだ~」「ちょっと恥ずかしかった」と子どもたち。
このお話会が終わったあと、一つのサプライズが。
一人一人が3人にお手紙を書いてくれました。
この手紙は、2月末にトゥシャール、マユール、ハルシャッドの3人に渡し、翻訳して伝えました。ものすごく喜んでいました!
「今度いつくるんですか?今度、本を持ってきてください!」と子どもたち。
OK、君たちが大人になっても思い出せるような、良い本を作るから、待っていてね!
おかず