ワルリ〜猪苗代〜ラダック@玉川大学、学生たちの発表
vol. 4 2017-01-20 0
WAF2016の招聘アーティスト、ツツミエミコさんと高橋愛先生に招いていただいて、玉川大学の博物館教育論でレクチャーをさせていただいた。
昨年10月に一度、WAPの概要を映像を交えながら聞いてもらっていた。
このとき授業に集まっている大学2~4年生にとって、
おかずくんの存在は、大きかった。
卒業後就職活動をせずにインドへ渡り、教育支援、コミュニティ創出のアートプロジェクトを立ち上げ、なんの後ろ盾もなく、現地に住みながら踏ん張っている人が、映像でも幽霊でもなくそこに出現したことは、なんともびっくりなことだったに違いない。
どの大学でもそうだけど、ふだんあまり質問が出ない大学の授業なのに、複数の手がぱぱっと上がったことに高橋さんもツツミさんも驚いていた。
授業の後も、話に来た学生がたくさんいた。
その後、ツツミエミコさんが提案した課題は、
「わふフェスで封筒の家を開催するとしたら、どんな形態にするか、自分たちがキュレーターとなり、プレゼンテーションしてください」
というものだった。
そして、1月17日に向けて、4人で一つのグループになった学生たちが、一斉に取り組み始めた。
そんなさなかに、授業はないけど、一つの質問をみんなでシェアしてもらえるよう、「ウォールアートプロジェクトQ&A」というブログを立ち上げたのだった。
http://wallartproject-qa.blog.jp
このことは、これまでひとつの事柄についてじっくり解説する場を持たなかった私たちにとっても一つの成果だったと思う。このブログはこれからも細くでもいいから長く続けて行きたいと思っている。
全部で9グループの発表があった。
どのグループもウォールアートプロジェクトとは何なのか。
わふフェスとは?
そして封筒の家とは?
ということにじっくりと取り組んでいた。
あるグループは、
「ラダックで行なうアースアートプロジェクトで封筒の家を開催する」という提案をした。
端的に「その土地の魅力に気づいて伝えていく」プロジェクトとして位置づけ、
お互いを伝えあうチャンスを作るのだという。
このプロジェクトをとてもよく理解してくれてのプレゼンだと思った。
そして成果は「大切なときに助け合える」ということ。
そのことこそ、まさに私たちが考えていることだ。
お互いを知ることが、どんなに未来を心強いものにしてくれるか。
あふれるほどの未来を持っている彼らは、そのことを人一倍、敏感に感じ取っている。
また、WAFのプロローグを開催した猪苗代に興味津々で、猪苗代の小学校や施設で開催しようというグループも多かった。
衣食住を通してその違いを理解する。
「夢」を交換する。
みんなでアート制作に取り組む。
いっしょに土に触る。
どのグループにもさまざまなこだわりの片鱗があった。
いいことだなぁ。
けど、もっともっとこだわっていってみて欲しいと思う。
日本の文化を伝えたいのなら、折り紙もいい。
適切なものをネット情報や論文で見つけるのもいいけれど、あなた自身が立っているそこからはじめてみてほしいのだ。
生まれた場所。
親、おじいちゃん、おばあちゃん。
そこに何があったのか、自分のルーツを掘り下げて、宝物をみつけてみてほしいと思う。
それは私たちがワルリ族の青年たちの姿から学んだことだ。
未来への視点、社会への視点をバックグラウンドとして持っている学生が多いことも嬉しかった。
これはとても大切なことだと思う。
今私たちがここでこのように過ごしている間に地球の裏側で何が起きているのか。
私たちのふつうの営みが未来にどんな影響をもたらすのか。
この先、あなたたちがどんなプロジェクトに携わっても、どんな仕事についても、その視点を忘れなければ、きっとこの世界はそれほどひどいことにならない。
そんなふうに思えた日だった。
ウォールアートプロジェクト代表
おおくにあきこのブログ「salad party」より転載
http://bluebearmagazine.blog.jp/archives/65914529.html