公開直前イベント「反転と再生」オフィシャルレポート!
vol. 11 2018-05-01 0
みなさんこんにちは!「リバースダイアリー」宣伝部です。
映画の公開を約1ヵ月後に控えた4月28日に、本作のイベントを開催いたしました。
その名も「反転と再生」~過去作から紐解く映画作家 園田新の軌跡~
活動時期や場所によって、NY編・日本編・リバースダイアリー編の3部構成とし、園田監督の活動を紐解きました。
宣伝部・劇場班が企画したこのイベントの模様を、パブ班のメンバーがお伝えします。
開催に先立ちまして、監督・園田新より、お集まりいただいた皆様にご挨拶を申し上げました。「GW初日にお集まり下さり、ありがとうございます。『リバースダイアリー』の公開に先立って、僕がどういう活動をして、どのような作品づくりをしてきたのかということを知って頂くことによって、映画をより楽しんで頂ければと思います」と、本イベントへの意気込みや、最新作の公開を控えた現在の心境を語りました。
<第一部・NY編>
園田監督は、大学在学中にアメリカ・ニューヨークに留学し、映画づくりを学びました。
NY編では、記念すべき初監督作品である「Private Eyes」、それに続く「LOVE SQUARE」という、留学時に製作された2本の作品が上映されると共に、ニューヨーク留学のきっかけや、当時のエピソードが園田監督から語られました。
まず、何故日本を飛び出してニューヨークへ渡ったのかという質問に対して、「当時の日本には今ほど映画を勉強出来る場所がなかったが、アメリカでは映画を学問として教えているという話を聞いて、アメリカへ行くことにしました。ジム・ジャームッシュなどニューヨークの作家が好きだったので、ニューヨークを選んだ」と当時を振り返りました。
初監督作品「Private Eyes」については「粗さもありますが、懐かしいですね」と園田監督。
そして2作目となる「LOVE SQUARE」では、「リバースダイアリー」の撮影監督を務め、ハリウッドでも活躍するトム・シュナイト氏と出会い、ここから二人のタッグが続くこととなります。「20年ほど前の出会いが『リバースダイアリー』に繋がっていると思うと感慨深いですね」と話していました。
キャスト募集のために新聞広告を出したところ、ニューヨークは俳優を目指す人が非常に多く、毎日何百通もの応募書類が届くので、郵便物がポストに入りきらないのを見た郵便配達の方に「有名人なのか?」と尋ねられたというエピソードには、会場から笑いが起きていました。
NY編は、映画作家・園田新の原点となった体験を垣間見る内容でした。
<第二部・日本編>ニューヨークから帰国した園田監督は、テレビ番組の制作を経て2007年に初となる長編映画「Wiz/Out」をユーロスペースで公開。スマッシュヒットを記録しました。
日本編では「Wiz/Out」の予告編が上映された後、この日最初のゲスト、原田佳奈さんが登場。
主演を務めた「Wiz/Out」は、原田さんにとってどのような作品だったのでしょうか。
「ただ与えられた台本をやるということではなくて、役者のみんなで即興で演技をしながら台本を作った。そういう経験はなかなかできないので、私の中ではすごく大きな経験だった」。
一方園田監督は、撮影の苦労を思い出すようで「かなり過酷だった。撮影が2週間近くあったがほとんど寝れなくて、地獄のようだった」と話していました。
これに対し原田さんは「相当忍耐力が付いた。あれを乗り越えたからこそ、他のどんなにきつい現場も耐えられる」と、かなりポジティブに捉えていました。
続いてスポットを当てたのは、2015年製作の「DEPARTURE」です。
この作品は、園田監督が参加した釜山映画祭の映画作家支援プログラムで採用された脚本を、自らの演出で映像化した17分の短編作品。
主演を務めたウダタカキさんをゲストに招いてお話を伺いました。「台本をもらって、2時間ドラマのダイジェストになってしまうんじゃないかとか、セリフがロマンチックすぎるとか、監督にいろいろ文句を言ったと思う」というウダさん。
「いい役者さんだなと思いながら、たまに面倒くさいなと思ったり」という園田監督に対しウダさんは「はい、よく思われています」と笑っていました。二人の掛け合いを見ながら、再タッグを希望する方も多かったのではないでしょうか。
<第三部・リバースダイアリー編>
園田監督は前作『DEPATURE』を経て、一人でプロデュースと監督を兼ねることに手ごたえを感じたことから“今度は長編でやろう”と「リバースダイアリー」製作を決意します。
第三部では「リバースダイアリー」の予告編上映を行い、本作の出演者である小川ゲンさん、新井郁さん、小野まりえさん、赤染萌さん、平吹正名さんを迎えたトークを行いました。
本作では、3ヵ月にわたるワークショップ形式での役作りを行ったのですが、ヒロイン役の新井さんはまず、監督から劇中で重要な役割を担う日記を渡されたといいます。
(新井)「ピンクの手帳を「今日からつけてください」と渡されました。最初は本当に何も書けなくて、沙紀として何を書いていいのか戸惑いました。ワークショップで沙紀や他のキャラクターの関係性などをディスカッションして共有したあたりから、日記を書くということが一日の最後にすごく大切なことになってきた」新井さんと並んで主演を務めた小川さんは…
(小川)「とにかく脚本をみんなで読んで、“脚本に書いてあること”と“脚本に書いていないこと”を導き出すということをやった。そして“書いてあること”と“書いていないこと”の間を埋めるという作業を、たくさん時間をかけてやったことをすごく覚えています」
園田監督も「撮影に入ってからは俳優と議論しないことを前提としてやった」と話すワークショップは、出演者にとって大切な準備期間であったことがうかがえます。
そして話題は、撮影が始まってからの思い出話に。
(平吹)「撮影の合間に“役作りだ”とカメラを持ってうろちょろしていたら、海のシーンでバッシャーンと水を被ってしまいまして。後ろ半分だけ濡れて前だけ衣装みたいな、不思議な感じになっちゃって。着替えもないからとりあえずティッシュでおさえて…という状況で、クライマックスの良いシーンを演じました(笑)」
(赤染)「“シャイニー”という言葉が流行りました。撮影監督のトムは英語でのコミュニケーションなのですが、僕たちが汗とかかいてきちゃって照明で顔がテカると“Shiny”と言って。何だか“シャイニー”と言われるとみんな楽しくなってきてしまって、「今日“シャイニー”もらったよ」みたいな(笑)」
また、撮影現場での園田監督の様子について、小野さんは…
(小野)「園田監督が「準備の出来る、前もって仕込めることはすべてやった」と話されていますが、本当にみんなの朝ごはんを用意したり車を運転したりタイムキープをしたり…と全部やっていて。真面目な方だから自分の身をボロボロにしてやってしまうので、演者たちが監督を心配してしまった」
監督業のみならずプロデュースまで一人でこなしていた監督の身を心配する一面も。
トークセッションを終え、園田監督は「みんながかわいそうに思ってくださっていたのが伝わってきまして。みんなが“かわいそう”という気持ちになって手伝ってくれる、というスタイルを監督の個性として売りにしていこうかと思います(笑)」と話し、笑顔でイベントを終えました。
これまでの映画作家としての活動の中で、フィルムからデジタル編集、HDから4Kと技術の進歩とともに進化させてきた、園田監督の映画製作スタイルの集大成が「リバースダイアリー」です。
あくまでオリジナル脚本にこだわり、インディペント映画の自由さや個性はそのままに、商業映画をも凌ぐクオリティを実現した本作を、ぜひ劇場でご覧ください。
園田新監督「リバースダイアリー」は、いよいよ5月26日より2週間、渋谷・ユーロスペースにてレイトショー公開されます。
上映初日には舞台挨拶を行う予定ですので、是非初日に足を運んでいただければと思います。
また本作品は、二度見ても楽しめる作品となっておりますので、リピート割というものをご用意しております。是非ご利用ください。
そして現在クラウドファンドにて、「リバースダイアリー」全国拡大公開を目指すための宣伝・配給費をご支援くださるサポーターを募集中です。全ての特典に前売り券がついておりますので、応援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
■イベント概要
「反転と再生」~過去作から紐解く映画作家 園田新の軌跡~
日程:4月28日(土) 19:00~21:15
場所:光塾 COMMON CONTACT 並木町(東京都渋谷区渋谷3-27-15 光和ビルB1F)
登壇:園田新監督、小川ゲン、新井郁、小野まりえ、赤染萌、平吹正名
原田佳奈、ウダタカキ
■「リバースダイアリー」公開情報
5月26日(土)より、ユーロスペースにてレイトショー!
ほか全国順次公開
■クラウドファンディング情報
映画「リバースダイアリー」の全国公開を目指すためサポーターを募集中です!
5月11日まで
https://motion-gallery.net/projects/reverse_diaries2