ノーマルスクリーンからコメントをいただきました!
vol. 4 2022-02-26 0
ノーマルスクリーンの秋田 祥さんからコメントをいただきました!
ノーマルスクリーンは東京を拠点とする映画・映像作品の上映団体です。最近の特集企画として 「クィア東南アジアの今 その声のいくつか」があり、昨年(2021年)後半の数ヶ月をかけて、オンラインで複数の長編・短編作品の配信や、関連イベント開催、解説記事の掲載が行われました。
そのノーマルスクリーンが2020年初めに上映会を行った長編映像作品に、 黒人ゲイ男性の詩や詩人を取り上げた 『タンズ アンタイド』(1989年) があります。私たちPFCのメンバーの一部はその翻訳字幕・解説執筆に関わっていました。そして、この映画でエッセイの一節が引用されていたオードリ・ロードに関心をもち、ロード読書会を始めたことがきっかけとなって、私たちのコレクティブとしての活動は展開していきました。
ノーマルスクリーンは『タンズ アンタイド』の上映以前から、VISUAL AIDSの上映企画などで、日本でなかなか鑑賞する機会のない有色のクィアの映像作家たちの作品を精力的に紹介してきました。 ノーマルスクリーンの活動がなければ、私たちの活動も始まっていなかったことでしょう。常に周りの人を巻き込みながら持続的に活動を展開し、コミュニティを広げていく姿勢をリスペクトしています!
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『タンズ アンタイド』上映会(東京・日比谷図書文化館 日比谷コンベンションホール、2020年1月13日)
この翻訳プロジェクトのことを私のアメリカ人の友人にすると、皆、必ずとても興奮し、喜び、これらの多くが日本語に翻訳されていないことに驚きます。
その反応を見るたびに、私はオードリ・ロードやコンバヒーリバー・コレクティヴが与えてきた力を感じると同時に、この壮大なプロジェクトに取り組んでいるのが私の友人たちであることを誇らしく思います。
Political Feelings Collective のメンバーが英語の文章や映像を翻訳する姿を間近に見たことが何度かありますが、その丁寧な作業は翻訳することの面白さと重さをとてもよくわかっている人たちの姿だと感じました。
彼らは文章の背景について研究を重ね、一語一句を丁寧に訳し、さらに互いに確認し合うという気が遠くなるような工程を重ね続けています。
もちろんとてもやりがいのあるプロジェクトですが、忍耐、そして時間を要します。継続のために、皆で応援しましょう!
ノーマルスクリーン
秋田 祥
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参考リンク
- Normal Screen http://normalscreen.org
- 黒人ゲイ男性たちを写した実験ドキュメンタリー『タンズ・アンタイド』は何が革新的だったのか? - i-D 2020年の上映会に併せて掲載された記事。PFCメンバーによる執筆。
- 黒人ゲイ男性はいかに語り始めたか 『タンズ アンタイド』を紐解く | CINRA 2021年6月に開催されたノーマルスクリーンとCINRA.NETの共催でオンライン上映時に掲載。作品中で使用された詩の引用も挟みながら、作品を多角的に紐解く内容。PFCの複数のメンバーが執筆に参加。
- 知られざる結末、斬新な幕開け — Normal Screen 〈HIV/AIDSの影響を強く受けながら語られることの少ない、黒人コミュニティの経験に焦点をおく試み。アメリカのアート界を中心に注目されるアーティスト8人が参加したVisual AIDSによる映像集。〉 リンク先、オンラインで日本語字幕付きで映像が見られます。日本語での解説冊子(下に掲載の写真左)もあり。
左:第二十八回文学フリマ東京 SUNNY & C.I.P.Booksブースでの販売風景(2019年5月)
右:フライヤー配布に協力していただいた東京・下北沢の古書店 ほん吉 店頭(2020年1月)