ラダックの薬草たち
vol. 4 2014-07-06 0
第一回のアップデートでも書いたけれど、インド人参加アーティスト・Nobina Guptaさんの制作のために、ラダックの植物の情報を集めている。アムチの先生に教えてもらって、薬効のある植物を本で調べたりしている。「そんな薬効があるのか!?」と驚きに満ちていて、飽きが来ない。ドンドン深みに入って行ってしまいそうな自分に気付く。
その最中に、ある植物が目に留まった。
あれ、この木。昨日、歩いて帰ってきたときに、道端で風に揺られているところを写真に撮ったやつだ。
学名Myricaria squamosa、ラダックでは、 om-buと呼ばれている。
本によると、
「毒による慢性的かつ分散される体内の熱をコントロールする。肺と血液の熱を下げる。下痢や、リウマチ、関節炎をよくし、咳を治す。特に、トリカブトの毒、肉由来の毒、数種類が混じった毒の治療に効果がある。」
使用箇所:葉、細い枝、花
味:渋味があり、苦い
入手時期:5月から7月
道端に、普通にある植物にそんな作用が・・・と驚きを隠せない。
アムチの先生によると、薬にするには数種類を配合して作るということだから、知識と技術があって効果がでるのだろう。けれど、その存在を知ってるのと知らないのとでは大違いなんじゃないか。
プレエキシビションの会場となるナング村の子どもたちは、毎日、20分~1時間くらいかけて歩いて学校に来る。ふらふらと寄り道をしながら、通学するのだそうだ。帰り道は、日が暮れるまでのんびり歩き、太陽が沈んで来たら、「あ、いけない!」と急ぎ足になるのだそう。きっと、彼らの足元にはこういう薬効を持った植物が溢れているのだろう。Nobinaさんの制作は彼らがそれらに興味を持つきっかけになるのかもしれない。
okazu