遊牧民の母の目
vol. 2 2014-07-04 0
このプロジェクトのリーダーをしています日本在住のおおくにです。
ラダックは通信事情が限られているので、日本からもアップデートの援護射撃をさせていただきます。
今日、浜尾は、現地のリーダーたちと役所を尋ね、
地域のトップの人たちをオープニングセレモニーに招待することに成功した様子。
私たちは、このプロジェクトをきっかけに、
遊牧民からの声を世界に伝えるためのコンベンションを開催することを考えている。
それは、アートを媒介にした、そこに集うみんながまったくの水平な立場で参加する会議。
楽しみだ。
さて、私が最初に出会って話をした遊牧民がこの写真のお母さんだった。
テントの中に招いて、手作りのヨーグルトをごちそうしてくれた。
手土産もなにもない私たちを快く迎えてくれたのが嬉しかった。
最後に、我々を見送りながら、「これから水汲みに行くわ」と言った。
水は重たくて大変なのではないか、
そのことを訴えたいのかしらとよぎって、彼女の目を見ると、
そんな気配は皆無だった。
遠くを見る目に力があった。
私たちは美しい水のそばにテントをはって暮らしているの、
というような、端然とした雰囲気に包まれている。
まるで、さらさらと水が流れていくような、
それはもうゆるぎない摂理だからね、
と確信しているような。
この人たちと何かをやりたい、
そう思ったのは、このお母さんに出会えたからではないだろうか。
その一年後に、私たちはこのプロジェクトをスタートする決意をしたのだった。
おおくにあきこ