恩送りと若者、場をひらきつづけること
vol. 28 2020-05-24 0
陽射しがまぶしくなり、夏にむかっています。
お元気におすごしでしょうか。
今日は、恩送りチケットについてのおねがいがあり、したためます。
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コロナによって、状況がめまぐるしく変わっていきます。
仕事や住まいを失った人たちが、釜ヶ崎にながれてくるすこし前から
ココルームでも、さまざまな変化がありました。
時短営業にしましたが、
自粛できない人たちー発達障害や家庭に事情のある方などが
ココルームを訪ねてきます。
スタッフの感染リスクもあるので、ひやひやしながらの営業です。
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ココルームには若者スタッフが3人います。
そんななか、緊急事態宣言の直前に
関東からココルームに学生が居候に来ることになりました。
(一年前から、よく手伝いに来てくれるようになった学生です)
1人のスタッフは、手伝いが来てくれるなら、と、
4月1日から、遠方の実家に自粛帰省。
また、5月の連休明けには、
もう1人のスタッフが
あまりの経営不振に気が重くなったようで
鬱病になって、ずっと欠勤しています。
お客さんが少なくなったとはいえ、スタッフ体制が
かなり厳しいのは、お察しいただけるでしょうか。
そんななか、居候学生さんに、
準スタッフのように、いろんな手伝いをしてもらって助けてもらっています。
ところが、この学生さんにアルバイト代を支払うほどの余裕もない赤字ココルームとしては
せめて、彼のご飯を、恩送りチケットでまかなわせてほしいと考えました。
けれど、彼の気持ちとしては、困窮している人につかってもらうチケットだから
自分がつかうのは、寄付者にも、困窮者にも、もうしわけない、といいます。
もっともな話だとおもいます。
けれど、困窮しているのはココルームで、
あなたにバイト代を支払えなくてもうしわけない、と話します。
ココルームとしては、彼にお手伝い以上の働きをお願いし、
じっさいいろんな仕事を手伝ってもらい、なんとかこの場を開いています。
食事代をこちらが負担する、という当たり前のこともできない以上、
恩送りチケットをつかわせてもらい、
それでなんとか、この場をつないでゆきたい、というおもいです。
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毎朝、掃除して、10:00前には扉がひらき、バザーの品物が並び、
夜21:00頃までオープンして、場をひらいている状態をつづけるには、
ほんとうに「働くスタッフ」という気持ちでいてくれる人が必要なのです。
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恩送りチケットを申し込んでくださったみなさまに、
ご理解いただければさいわいです。
ここに記すのは、彼の葛藤が少しでも和らいでもらいたい、ということと
ココルームの「であいと表現の場」を開くとは、どういうことか、
そして、その場を開きつづけて、ココルームで働く、とはどういうことか、を
しっかり考えたいと思ったからです。
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帰省していたスタッフは、5月末に退職することを決めました。
体調の不安定さがおもな理由でしたが、
給料が安い、勤務時間が長い、休みが少ないこと、も
少なからずあったかとおもいます。
ココルームは、やりたいことはやれるけど、
それはじぶんで考え、実践しなくてはならないこと、
結局、「じぶんしだい」という仕事場で、バランスを保つのは
難しいことなのだとおもいます。
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この間、コロナで仕事や住まいを失った人が、
釜ヶ崎に流れついています。
彼らと話していると、みなさん「働きたい」とおっしゃいます。
いまのところ、わたしができるのは
彼らに恩送りチケットでご飯を食べてもらい、話を聴くこと。
知り合いの就労支援関係の人々に、個別相談をなげかけ、その調整をしています。
(そして、それは収入になることはない)
ココルームが、この場をひらきつづけるのは、スタッフがいてくれてこそ。
社会実験としてのココルームの、現段階でのおねがいです。
恩送りチケットを、ココルームを支えるためにも、つかわせてください。
ひきつづき、見守り、応援いただければうれしいです。
写真は、屋上にある、たくさんの多肉植物。これらを商品化できないものか考えている。