遠回りしたが、それが今活きている by 飯田昭雄
vol. 41 2015-12-19 0
おはようございます。クラウドファンディングは残り1週間、そして年明けからは編集作業が始まります!!
みどり荘メンバーの中には、大手企業で働いている方もいます。今日は、そんなメンバー飯田昭雄さんへのインタビューダイジェストを紹介します。企業で働く人とみどり荘メンバー達の親和性は実は悪くないのです。どこで働いているか、でスクリーニングすることがむしろ野暮なのかもしれません。飯田さんの肩書きは「アートバイヤー」。これってどういうことをしているのでしょうか?
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飯田昭雄さんにとって3.11はとてつもないインパクトがあった。数日間連絡が取れなかった八戸にいる両親の安否をtwitterで知った。自分に何が出来るか模索している時、被災地の子供達がトイレットペーパーの芯で積み木遊びをしてるという話を聞いた。東京の友人たちに声をかけたところ、会社の机に眠っていた型落ち音楽プレーヤーが大量に集まったり、ミュージシャンからはウクレレなどの楽器をもらったりした。集めた以上その人たちの想いを届けるのを人任せにしてはいけないと震災後1ヶ月後に東北に行く。渡したスケートボードでその場で遊び始める子供たちを見て自分の貢献を実感できた。
飯田さんは日本の大手広告代理店勤務、肩書きはアートバイヤー。しかし編集の仕事から「出る杭をつくる」アメリカの広告代理店を経て今に至る。アートバイヤーは絵を買う仕事ではない。編集者であり、キュレーター、建築家、プロデューサーでもある。新しくそして面白い価値を創造するため、どう器をつくって、どうヒトを巻き込むか。そういう仕事だ。
広告を作る際に無名のアーティストと組むことでそのアーティストのブレイクスルーのきっかけをつくったり、大きな組織にカフェをつくりコミュニケーションの場をつくったり。一杯のコーヒーでどれだけの対話がうまれるか、それは巨大な組織で隣に座る人が何をしているか分からないような状況で特に威力を発揮する。飯田さんがいなければ出会わない人・組織が繋がり、新しい価値が生まれる。(仕事ではないが、)震災の例もそうだ。
自身のキャリアを振り返り、「遠回りをした。編集業界の底辺からはじめ、地べたを這いずり回って泥水飲みながら仕事をした」と言う。しかしその経験のおかげで今がある。
どうしたら儲かるかが仕事のスタートではない。それよりもどうしたら人や状況が面白くなるかを考える。新しいことをするにはエネルギーがいるが「100%負けの賭けはしない、ブレークの種を必ず仕掛ける」。そこはアートバイヤー・イイダアキオとしての今までキャリアで培ってきたセンスや嗅覚がものをいう。