「先生!」と呼ばれる珈琲屋さん
vol. 38 2015-12-16 0
クラウドファンディングもあと10日!! 吉田先生という愛称で親しまれ、「私立珈琲小学校」を営む吉田恒さんにインタビューをしました。
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「いま東京で ”働くとは何か” を考える本」取材26/100
先生という愛称は、小学校の先生を20年経験してから珈琲屋さんに転換したことに由来する。なぜ珈琲屋さんなのか?誰もが聞きたくなる。自由に先生ができた時代からリスク管理が厳しくなって、やりかった教員という役割が果たせなくなってしまったこと。そして、次になにか仕事するのだったら、お客様の笑顔の対価としてお金がもらえるダイレクトな仕事がしたいなと思っていた。もちろん教員って子どもと直接向き合う仕事ではあるが、お給料は役所からという流れがなにか人ごとに感じてしまったことが理由だそうだ。
もちろん自分たちで学校を作る、ということも考えた時期があった。しかしそれは金銭的に厳しかったし、ポートランドへ旅して、人と人が出会うことの面白さや、「おいしい」を通してもっと人が繋がっていくことの可能性をすごく感じ、珈琲屋で行くことに決めた。学校は、人と人が出会う場所。子供たちが大人と出会い、仲間と出会い、社会と出会う。教員は何か子供に教えることじゃなくて、その出会いをプロデュースするのが教員の仕事、という。
珈琲屋として、学校という出会いの場としての意味合いも込めて「私立珈琲小学校」と命名し、スタートした。珈琲屋は、下は子供から上はおじいちゃん、おばあちゃんまで通える学校だ。半年間色々な縁が重なって半年だけ実店舗を池尻大橋でオープンした。隣の隣のスターバックスの店員さんまでファンになってしまう魅力が吉田さんにはある。さらには教員の後輩が相談に来たり、学校の外側から教育の現場にエールを送っている。
珈琲屋になって、珈琲を媒介としての対話を経験して「いい仕事だな!」と感じたと言う。お金の使い方も満たされるために何か散在している節があったけれど、今は会いたい人がいるからそこへ行くし、食べたいものがあるからそこへ行くという時間とお金の使い方になった。
働くことは、人を笑顔にする事。それで生活できることは幸せだ、と。笑顔ってややチープに聞こえることもあるけれど、吉田さんの笑顔は嘘が無い。本当にあらゆる人を惹き付けてしまうのだ。