働く=何かしら人のためになり、共同体をつくること by Shing02
vol. 30 2015-12-08 0
みどり荘ギャラリーにて2013年に開催したリリック展「詩の世界」を開催して以来、時折みどり荘に遊びにきてくれるMC Shing02(シンゴツー)さんにインタービューをしました。現在はハワイ在住、時々東京。世界的に活躍するShing02さんの「働くこと」の話。彼のアーティスト活動を越えたインタビューダイジェスト、ぜひお読みください!!
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MCとしてのキャリア20年目に突入したShing02さん。その活躍を知っている人には驚くべきことだが、ヒップホップアーティストとしてのキャリアは今日に至るまで試行錯誤の連続だったと振り返る。
大学卒業後はひとりで生きていくことを両親から叩き込まれたので、収入面で今まで誰にも頼らずやってきた。「アーティストは自己中心的。物事にPriority(優先度)とOrder(順番)があったら自分のOrderを突き詰めてしまう」。効率性や商業性を考えたら違う選択肢もとれるが、「好きなことのためならアホにならないとmake senseしない」と語る。日本に帰ってくると迎えてくれる友人がいる、ハワイ在住の今はスーパーマーケットより割安だし地産地消のファーマーズマーケットで日々の食べ物を買う(日本だと逆にファーマーズマーケットの方が高いというパラドックス・・・)。服も買うよりも、まず自分でつくることを考える。これが自然なのだ。そして、生きていく上でのFlexibility(柔軟性)を最大限にして、自身の表現に全エネルギーを注ぐ。逆に予測・計算してたら出会いもうまれない。仕事とは関係ない活動でも自分が熱意を持ってやっていたことが仕事に繋がることが数多くあった。
また、このように生きるには様々な共同体のパワーがあってこそ。ニューヨークに行けばそこに仲間がいる。ロサンゼルスもハワイも日本もしかり。「自分を助けてくれる仲間が世界中にいるけど、その仲間にもこいつには頼れると思われたい、だから頼まれたら何でもやる。外国でちょっと困っているというヘルプはしょっちゅうくる」。お金の関係だけだと枯渇した時に孤独になってしまう。セーフティネットというと顔の見えないお上に頼るイメージを持つ人が大半であろうが、Shing02さんにとってセーフティネットとは体感できる人とのつながりなのだ。
「働く」の定義を尋ねてみると「一方では仕事の対価として報酬をもらうこと。でもPureに考えたら何かしら人のためになること。壊れたから水道屋さん呼んで配管直すのと一緒。困っている人を自分のExpertise(専門性)で、状況を改善すること。そんな状況で協力し合える何かがあれば共同体みたいな意識がうまれると思う。」と。
キャリア20年の節目を迎えるがスタンスは変わらず、自分のやりたいことを一つ一つやっていき、また自分が予期していなかったチャンスをいつ誰が持ってきてもそれに応えたいと語ってくれた。