私を180°変えたカンボジア(みきてぃ)
vol. 39 2014-03-08 0
この連載では、CATiCメンバーが交代で登場。それぞれがそれぞれの思いを徒然なるままに綴ります。
はじめまして。非営利団体CATiCの佐藤未来です。
「みき」という名前に定番のようにつくあだ名、「みきてぃ」と呼ばれています。
カンボジアが大好きな大学4年生です。
大学生と名乗れるのも残り3週間ほどとなりました。
なにか感慨深い思いがします。(すいません、私事で)
「カンボジアに映画を届ける」
近年、急速な経済成長をしているカンボジアですが、まだ生活に必要不可欠な水道や電気等のインフラ、農村部へ続く道路の未整備、ワクチン等医療の不足など、映画の前に届けなければいけないものは山ほどあります。
そのような、一見必要ないように見える活動に、私がなぜ惹かれたのか。
この場をお借りして、私のCATiCに対する想いを書かせていただきたいと思います。
冒頭部分で、「カンボジアが大好き」と書きましたが、私はカンボジアから本当に大きなものをもらったのです。人生最初の、大学生活最初の渡航先、そして大学生活最後の渡航先が、カンボジアでした。
こちらは4年前、最初に渡航したときの写真。
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若い。笑
そしてこちらが、2週間ほど前に渡航したときの写真。
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さかのぼること4年前、2010年2月。大学1年生の春休み。
所属しているサークルで、カンボジアに渡航する機会がありました。
それまでの私は、飛行機に乗ったのは沖縄に行ったときくらい。
初の海外がカンボジア
周囲からは、「すごいね」「なんでそんなとこ行くの?」等々驚きの反応ばかりでした。
けれども私の中では迷いは1mmもなく、
”大学で学んでいる発展途上国の貧困問題の現場を見たい!”
そういう思いで、渡航を決めました。
実際に渡航してみてどうだったか。
私の人生を大きく変えました。
カンボジアに渡航していなかったら、今の私はないと言っても過言ではないくらい、インパクト特大の体験をしました。
ここでは書ききれないくらいの体験でしたが、その中から2つの体験を書きたいと思います。
「あなたの国は、ここよりいいところ?」
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東南アジア最大の湖、トンレサップ湖での体験。
トンレサップ湖の上に暮らしている学生たちに船に乗って村を案内してもらっていました。
案内してもらう前に、この村での生活の大変さ(水の不衛生さや病院へのアクセス、登校の不便さ、漁獲量の減少等々)を説明してもらっていました。
日本にいるときにも少し勉強していて、その時の私には湖の上で生活しているなんて信じられず、ものすごい環境なんだな…と思っていました。
そんな中で、1人の女の子から聞かれました。
「あなたの国は、ここよりいいところ?」
その質問に、答えることができませんでした。
”いいって、なんだろう”
確かに、物質的には日本は豊かでいいところかもしれない。
医療も充実しているし、ほしいものはお金さえあれば何でも手に入る。
やりたいことは何でもできる。
でも、それで満足なのかな?
みんなしあわせなのかな?
年に3万人が自ら大切な人生を終わらせてしまう、
隣に住む人とは目も合わせない、
お腹を満たすだけの食事、家族団らんとかいただきますとか忘れられている、
魚は切り身の形で泳いでいると思っている子ども、
国のトップがどんなことを考えて、どんな国にしようとかまったく興味ない人たち、
私も、しあわせなのかな?
日本にいて、例えばテレビでトンレサップ湖に住む人々の様子を観て、見終わった後同じ質問をされたらきっと、迷わず「いいところ」と答えることができたと思います。
でも、答えることができませんでした。
今まで机上で勉強していて、
「発展途上国の人々は貧しく、劣悪な環境に置かれてて大変だから、支援しなくてはならない、ものを与えてあげなければならない存在」
先進国>発展途上国
そういった力関係で見ていたのかもしれません。
カンボジアは、そういった価値観、考え方を180°変えてくれました。
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その日から、
日本人も、カンボジア人も、みんな人間。同じ。
嬉しいことは嬉しい、悲しいことは悲しい、恋もする、涙もする、夢もある、毎日を一生懸命生きている
そう思えるようになりました。
インフラや、医療、教育等の支援がいらないとは言いません。
でも、いい映画を一緒に観たい、感動を一緒にわかちあいたい、そういうのもありだなって思えるようになりました。
「芸術のチカラって、すごい…」
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そこの学校は、タイ国境の難民キャンプで育ったカンボジア人が、芸術の力、情操教育の大切さを体感し、設立した学校です。
そこには、絵のコースや音楽のコース、サーカスのコース等がありました。
そのサーカス、その日は公演予定はなかったのですが、特別に私たちのために公演してくれたのです。
私は、異空間にいるような気持ちになりました。
気づいたら、目に涙が溢れていました。
「芸術のチカラって、すごい…」
あたたかみのある空気感。
こんなのやるの?できるの?というハラハラ感。
集中している真剣な表情。
成功したときの嬉しそうな満面の笑み。
本当に楽しそうに演技している顔。
その日から、あのサーカスの虜になりました。
「また絶対観たい。」
その日演技してくれた人たちは、10歳~20歳くらいの人たちでした。
聞くと、授業料等は全て無料。
バッタンバン州に住む子どもたちや、寮もあるそうで、遠くに住む子どもたちも受け入れているそうです。
学校にも行けず、親の仕事の手伝いをして毎日を過ごしていた子が、自分が輝ける瞬間を手に入れた。
彼らの目は本当に輝いていました。
「生きていることが本当に楽しい」
私にはそう聞こえました。
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そんなこんなで、帰国。
この想いをどうにかしたい。
でも何もできていない、どうしたらいいのかわからない
そんなもやもやした気持ちを抱いたまま、日々を過ごしていました。
そんなある日、運命の出会いが。
私が所属していた特定非営利活動法人の学生支部の先輩であり、ものすごい行動力と甘いマスク(小池徹平似)の持ち主であるとみーさんのブログを読んでいました。
そこに、CATiCのことが書いてあったんです。
カンボジアで「芸術のチカラってすごい!」と思いながらも、何かしたいけど行動できていない自分に対するもどかしさ、とにかくコメントを書こう!そう思い、長くまとまりのない拙い文章をつらつらと、コメントさせてもらったのを覚えています。
そうしたら、とみーさんから、「ミーティングに来てみない?」というお誘いがあったのです!
2013年5月26日。表参道。
もやもやした感情から、一歩踏み出せた記念すべき日です。
私は、CATiCのメンバーが大好きです。
ものすごく強い想いを持った代表のもとに、様々なスキルや得意技を持ったメンバーが集まっている。
まるで、ワンピースみたいですね。
こんなにステキな人たちに出会えて私はしあわせです。
出会うきっかけを与えてくださったとみーさん、そして芸術ってすごいということを気づかせてくれたカンボジアに、心から感謝です。
本当にありがとうございます。
感謝の気持ちは思っているだけでは伝わりません。
”行動”して初めて相手に伝えることができると思っています。
残り10日、私のできる精一杯の”行動”をしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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そして最後に、毎回すてきな絵を描いてくれている、心優しい横山秀さんがやっている達成率の報告を、今回はCATiCのファンドレーザーであり、超優秀でまたまた心優しい上村悠也さんより「みきてぃ、お願い!」と言っていただきましたので、やらせてもらいたいと思います!
2月1日から始まったクラウドファンディング、残り日数は10日となりました!
達成率は…
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70%になりました!
60人の方からのご支援、613人の方からのFacebookいいね!、本当に嬉しく思います。
応援してくださっている皆様、ありがとうございます!
今後も、
やなせたかしさんのアニメ映画をカンボジアの電気がない地域に住む子ども達に届けたい
カンボジアに映画館をつくろう!非営利団体CATiC
をどうぞよろしくお願いします!
過去の記事
■第一回: ヘタレ論(ささけん)
■第二回: CATiCとカンボジアと代表への想い(みお)
■第三回: CATiCのミッションって何ですか?(とみー)
■第四回: 大阪のぴーまんより(ぴーまん)
■第五回: もしかして私達の活動はカンボジアの為にならないものかもしれない(ルフィ)
■第六回: CATiCの魅力って?私が考えるCATiCの魅力。(ロイ)
■第七回: 1周年イベントを振り返って(やすけん)
■第八回: 「カンボジア」×「映画」(るー)
■第九回: 私を180°変えたカンボジア(みきてぃ)