探検家・医師でもあるグレートジャー二の関野吉晴さんからの応援メッセージ
vol. 4 2024-06-10 0
嬉しことにグレートジャー二の関野吉晴さんから応援メッセージを頂きました。奥野は関野さんがチェレンジしていた壮大な探検「グレートジャー二」のアメリカ編の一部とアフリカ編の一部に同行取材をさせて頂きました。それ以来、ご縁が続いています。
また、関野さんも自身の初監督作品「うんこと死体の復権」のクラウドファンディングを行なっています。こちらです。ぜひ見て下さい。
さて、以下が応援メッセージです。
写真のキャプション;「グレートジャーニー・人類の旅 ~この星に、生き残るための物語」より
かつてメキシコ,北米やアフリカで行動を共にした、ベテラン写真家一家が使命感と愛情をもって制作したドキュメンタリー映画だ。
タイでは、ゾウが客を背中に乗せ、曲芸を演じさせられてきたが、その裏で行われている虐待的調教を告発したのがこの映画の主人公レックさんだ。
彼女は観光業で酷使される高齢のゾウや怪我をしたゾウを買い取って保護し、ゾウだけでなく,小さな動物や木々に至るまで、すべての生き物や環境に目を配りながら生きている
レックさん山深い村で、シャーマンの祖父から、生物多様性と自然の大切さを教わったという。人間中心の考え方が,環境破壊や自然破壊に繋がっていることを早い時期に気づいていただろう。
映画を観ていて、レックさんとゾウたちのあまりの近さに目を見張る。信じられないほどの近さと信頼感が見てとれるからだ。
地球上の最悪の害獣は人類だと思うが、「あれ,この人は例外なのか」と思うほどに、自然の中に入り込んでいるのだ。この人なら、「声なきもの」の声を聞き、代弁者になりうると思った。
レックさんとゾウとの繋がりだけでなく、若者ニュー君への指導、ゾウの出産、ゾウの暮らしている美しく雄大な森、川など見どころ満載だ。
世界中の人たちにぜひ観ていただきたい映画だ。
関野吉晴
関野吉晴プロフィール
Profile of SEKINO YOSHIHARU
1949年1月20日東京都墨田区生まれ。
1967年都立両国高校卒業。
1975年一橋大学法学部卒業。
1982年横浜市立大学医学部卒業。
一橋大学在学中に同大探検部を創設し、1971年アマゾン全域踏査隊長としてアマゾン川全域を下る。その後25年間に32回、通算10年間以上にわたって、アマゾン川源流や中央アンデス、パタゴニア、アタカマ高地、ギアナ高地など、南米への旅を重ねる。その間、現地での医療の必要性を感じて、横浜市大医学部に入学。医師(外科)となって、武蔵野赤十字病院、多摩川総合病院などに勤務。その間も南米通いを続けた。
1993年からは、アフリカに誕生した人類がユーラシア大陸を通ってアメリカ大陸にまで拡散していった約5万3千キロの行程を、自らの脚力と腕力だけをたよりに遡行する旅「グレートジャーニー」を始める。南米最南端ナバリーノ島をカヤックで出発して以来、足かけ10年の歳月をかけて、2002年2月10日タンザニア・ラエトリにゴールした。
2004年7月からは「新グレートジャーニー 日本列島にやって来た人々」をスタート。シベリアを経由して稚内までの「北方ルート」、ヒマラヤからインドシナを経由して朝鮮半島から対馬までの「南方ルート」を終え、インドネシア・スラウェシ島から石垣島まで手作りの丸木舟による4700キロの航海「海のルート」は2011年6月13日にゴールした。
1999年 植村直己冒険賞(兵庫県日高町主催)受賞
2000年 旅の文化賞(旅の文化研究所)受賞
2013年3月16日〜6月9日国立科学博物館(特別展)「グレートジャーニー・人類の旅 ~この星に、生き残るための物語。~」
2002〜2019年 武蔵野美術大学教授(文化人類学) 現在は、武蔵野美大名誉教授