甑(こしき)復活!
vol. 1 2020-11-02 0
甑(こしき)復活
今代司酒造では、ベルトコンベア方式の大型連続蒸米機を導入してから長らく「甑(こしき)」は使っていなかったのですが、今年何十年ぶりに甑での蒸米を復活させました。甑とは、巨大なせいろのような蒸米のための道具。倉庫に眠っていた古い甑を修理したのですが、バッチリ働いてくれています。
『錦鯉 丹頂 The RISING SUN』いよいよスタート
先日『錦鯉 丹頂 The RISING SUN』の麹米になる高級酒米「越淡麗」が入荷し、早速この甑で蒸し上げました。いよいよ造りが始まります!
作業中はものすごい蒸気で幕がドーム状に膨らみ、向こうが見えなくなるほど。
米の外側が硬く、内側が柔らかい「外硬内軟(がいこうないなん)」と言われる酒造りにとって理想の蒸し米を得るため、調整をしながらの作業です。
連続蒸米機であれば放冷までベルトコンベアに乗って流れていきますが、甑の場合は蒸上がった重たい米を大きなスコップで掬い出したりと手作業も多く、なかなかの重労働が続きます。
甑倒し
酒蔵には「甑倒し(こしきだおし)」という節目のタイミングがあり、この甑を使い終わると倒して仕舞うことから、その年の仕込みを終え、ひと段落したことを表します。
今代司でも、毎年造りの始まる前(「顔合わせ」)と終わった後(「甑倒し」)には蔵人皆で集まり、大きな座敷で酒を酌み交わします。「顔合わせ」ではこれからの造りに向け士気を高め、「甑倒し」ではお互いの労をねぎらってきました。
今年は新型ウイルスの流行がありいつものようには皆で集まることができず、換気を考慮した蔵の屋上で、一人ひとりの距離を保った少し変わった「顔合わせ」を行いました。(プロジェクトページの写真です…!沈む夕日を眺めながらの甑倒し、これはこれでなかなか新鮮でした。)
全てが元通りの世の中には戻らないのでしょうが、私たちなりの創意工夫と挑戦でこの困難を乗り越え、笑顔で「甑倒し」を迎えたいと思っています!
ぜひ造りの最後まで私たちの挑戦をご覧ください!
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