クラウドファンド最終日。
vol. 12 2015-06-09 0
120日間に渡って実施してきましたクラウドファンディングが、いよいよ明日23時59分をもちまして終了となります。
そもそも、なぜこの作品でクラウドファンディングという手法を取り入れたのか?と思い返してみると、単純に制作費を集めることだけが目的ではなかった気がします。
理由の一つは、「自分にプレッシャーをかけるため」というのがあったと思います。
世の中的に「作ります!」と宣言してしまって、逃げ場のないところから始めることで、自分を追い込む。ちょっと無理そうなことをやり遂げるには、これが必要だったりします。
誰でも大変そうなことは、色々と出来ない理由をつけては、つい先延ばしにしてしまいがちです。今回は非常に多くの人を巻き込むことになり、中途半端な覚悟ではやり切れそうにない規模のプロジェクトだったので、とにかく後戻りができなくしてしまおうと考えました。それでやり切れないようなら、所詮そこまでの人間だったということで、映画を作る資格などないのですから。
もう一つの理由としては、「作品を育てていくため」です。
サポーターになってくれた方々は、この作品の最初の観客になってくれる人たちです。
自分の作る映画が、他の誰かにとっても特別な作品になるのなら、それはとても素晴らしいことだと思います。
映画づくりは出会いの連続です。いままで全く接点のなかった人と繋がり、作品を通して時間や空間を共有することができます。誰かが関わったことで映画は少しずつ変化し、それが作品に取り入れられていくことがしばしば起こります。
ロケ地をご紹介いただいたり、エキストラとして参加していただくなどの直接的な関わりだけでなく、この作品のことを他の誰かに伝えてくれるだけで映画は新しい広がりを見せます。その一つ一つの化学反応が作品を育ててくれるのではないかと考えました。
最後に「映画には色んな形があっていいのではないか?」という想いが強くあったからです。
伝えたいことがあるから形にする。それを観たいと思ってくれる人に向けて作る。そんなシンプルな映画があってもいいのではないかと思いました。
表現したいことがある。でもそれは形にすることでしか説得力を持ちません。
映画会社に企画を通して作品にするという方法もありますが、誰かにプロデュースされるのを待つうちに時間ばかりが経過してしまうことがほとんどです。
映画会社やテレビ局など、他の誰かがやりたい映画に監督としてのっかるのではなく、自分のやりたい作品に他の人を巻き込む方が絶対面白いですし、映画作家として本来あるべき姿だと思っています。
明日の23:59にクラウドファンディングは終了となります。
果たして本当にやれるだろうか?と弱気になったこともありましたが、ここまで続けてこられたのはサポーターになってくれた皆さんの応援があったからです。
どうか最後までお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします!