第2フェーズへ
vol. 19 2016-07-27 0
完成披露試写会から2ヶ月ほど経ちましたが、その間、今後の展開のための準備を進めていました。
英語字幕を入れて海外のスタッフに送ったり、国際映画祭向けのブルーレイやDVDを作成したり、予告編を編集したりといった作業です。
今回は今後の展開について、現時点で考えていることを記したいと思います。
まずは今一度、1年半前のプロジェクト発表時のページをご覧ください。
↓ ↓ ↓
https://motion-gallery.net/projects/reverse_diaries
改めて見直すと、計画していたことは全部やれているということと、当初の予定(8月)よりも早く完成したことに気づきました。
そして、映画を完成させるまでのことは掲載してましたが、それ以降のことはまだ何もお知らせしていませんでした。
プロジェクトページにも記載してある「作り手と受け手のダイレクトな関係」が本作のキーワードとなります。
その上で、今後の展開として以下の4つを考えています。
1) 映画祭
まずはここからですね。
特にコネがあるわけではないので、作品を信じてエントリーしていきたいと思います。
今後1年間くらいは、この動きが中心になると思います。
2) 劇場公開と企画上映
もちろん劇場公開を目指します。
しかしながら、どの劇場も公開待機作品が沢山あると聞きますし、映画祭とか何かしら公開を後押しするものが必要と考えています。その上で劇場との交渉も必要になりますし、最低でも1年以上は先になるかと思います。
劇場公開と並行して、4Kでの上映イベントなどの機会を作っていきたいと考えています。
3) DVD、ブルーレイ化
どこまでニーズがあるのか、コストと見合うかを慎重に判断する必要があると考えています。
4) オンライン、番組販売
本作では一番これを重視していくことになると思います。
ある意味「世界配給」まで可能な時代です。劇場よりも圧倒的に多くの人に観てもらえる可能性があります。
劇場で観てもらうことが作家にとっては一番嬉しいことですが、もしかしたらそれは作り手のエゴかもしれません。
今、非常に多くの人がスマートフォンやタブレットなどで映画を視聴しています。
テクノロジーやライフスタイルの変化によって、誰もが映画を作れる時代から、誰もが直接観客に映画を届けることができる時代になったのです。
この作品は、製作・脚本・監督を監督自らやることで全ての権利を監督が持つ映画です。権利関係を気にすることなく、製作委員会の思惑などない状態で、作り手が受け手にダイレクトに作品を届けられるようになったわけです。
4Kのテレビ放送はまだまだ本格化していませんが、ネット媒体では4Kでの配信を行っています。
4Kコンテンツはこれからニーズが出てくるのではないかと考えており、この映画を4Kで作ったことで、コンテンツの価値を高めることができると思います。
最後になりますが、クラウドファンドのプロジェクトページのサブタイトルは、『映画作家・園田新が映画の新しい形を追求する新作長編映画「リバースダイアリー」』となっています。
「新しい映画の形」とは何か?
本作は「別に新しくはないんじゃないか?」と思われる方もいるかと思います。
実際、ワークショップやクラウドファンドなどの試みを行っている映画は、最近ではよくあります。
僕はこの作品を一つの映画以上の「プロジェクト」として考えています。
作りたい映画があっても、誰かにプロデュースしてもらうというスタンスでは実現可能性は低いでしょう。
映画を撮るチャンスがあったとしても、それは自分が撮りたい映画ではなく、プロデューサーや製作委員会が作りたい映画のはずです。
自分が作りたい映画を作りたいと思ってくれるプロデューサーと出会えれば幸せですが、滅多にないことです。
そこで僕が考えているのは、映画監督自身が「小さな映画スタジオ」のような役割を担うことです。
映画を企画し、資金を確保し、制作し、配給する。監督が自分で企画できて、脚本が書けて、プロデュースまでできなければ成立しませんが、自分が撮りたい映画を作るには、そこまで求められてくると思います。
監督することしかできなければ、誰かがやりたい映画の受注がメインになってしまう。
誰かにプロデュースされるのを待っている作家は、いずれ消えてしまうような気がします。
自らプロデュースしながら、他者を巻き込む。誰かが作りたい映画に乗っかるのではなく、自分の作りたい映画にのっける方が大変だけど、その分絶対楽しい。
その上で、投じた資金を回収し、少しでも規模を大きくして次の作品に向かうこと。
それを継続してやることができれば、「新しい映画の形」を提示することができると考えています。
もし面白い作品を継続的にプロデュースすることができれば、これまでとは逆の流れで、映画会社やテレビ局を巻き込みながら、より大きな作品を作ることができるかもしれない。
映画作家発信で直接観客に届ける。それを面白がってくれるところを巻き込む。
その第一歩としてこの「リバースダイアリー」を製作しました。
今回はとにかく自分が面白いと思う映画を妥協なく作ることが第一目標で、それは達成できました。その上で、もし投じた予算を回収し、その資金を元手に次の作品に向かえたとしたら、製作面でもこの作品は大成功と言えます。
あくまで現時点での構想です。どこまで実現できるか、見守っていてください。
今後は、かなり先の劇場公開にプロモーションのピークを持ってくるため、暫く大きな動きはなくなります。
着実に進めていきますので、気長にゆったりとお待ちいただければと思います。