<製作ノート⑫>『リバイバル』【2019年9月】
vol. 27 2021-11-08 0
『ブラックホールに願いを!』監督の渡邉です。
今回は2019年9月に作った短編『リバイバル』について紹介させていただきます。
2019年7月、当時進めていた企画が頓挫して落ち込んでいた僕は、もう映像作りをやめてしまおうかと悩んでおりました。
そんな折、陰鬱とした気分でマクドナルドにいたとき、ある動画を見ました。
『けものフレンズ』で有名なたつき監督の『へんたつ』という作品でした。
それは(おそらく)たつき監督の実際の会話などをアニメーション作品として再構築したもので、妙な生々しい手触りがありました。
これだ!!!!!!!と思いました。
<製作ノート②>撮影監督・角洋介についてにて紹介させていただいた通り、2019年7月7日の七夕の日、池袋で角くんと『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』を見ました。そしてその帰り道、「生きることを頑張ろう」と盛り上がりました。その翌日、角くんは心臓の病気が発覚して入院してしまったのでした。
その会話を映像作品にしよう、自分たちの会話をできるだけ再現しようと考えました。当時ハマっていた、庵野秀明監督の『ラブ&ポップ』のように、思いつく限りの奇抜なアングルと編集でそれを実現すれば、これまでに自分が表現しえなかった、血の通った登場人物のシャシンを撮ることができるのではないかと考えました。
そしてこれを完成させ、それでもなお自分の才能に絶望するようであれば本当に映像づくりをやめよう、もし少しでも自分の中に何かを見つけられたら、もう少し続けようと決めました。
「生きることを頑張ろう」という趣旨と、僕自身の再起の祈りを込めてタイトルを決めました。
結果、現在に至るまで映像を作りつづけることができました。
方向性が全く見えなくなってしまった「五カ年計画」も、もう少し続けてみようと考えました。
しかし次回、さらなる壁が立ちはだかることになるのでした。ですが、もう少しで『ブラックホールに願いを』という企画に辿りつきます。