「日本とアジアの森林を持続可能に」メールニュース vol.1
vol. 1 2020-04-03 0
「日本とアジアの森林を持続可能に―2つの映像作品の制作プロジェクト」ご支援者のみなさまへ
このたびはアジア太平洋資料センター(PARC)の「日本とアジアの森林を持続可能に―2つの映像作品の制作プロジェクト」をご支援くださり、ありがとうございます。
新型コロナウイルスの感染の広がりとその影響が深刻となってきました。
ご支援者のみなさまや近しい方々が安全に過ごされていることを願うばかりです。
このプロジェクトでも、3月よりイベントなどで広く支援を呼びかけていくことを予定しておりましたが、対面での配布活動を事実上ストップしております。
大変な状況のなかで恐縮ですが、ご支援者のみなさまにも、インターネットやSNSを通してプロジェクトの呼びかけにご協力いただければ幸いです。
https://motion-gallery.net/projects/parc2020
先の見通せない日々が続いておりますが、6月のキャンペーン終了と作品完成まで、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
以下、プロジェクトについて、お知らせをさせていただきます。
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1、プロジェクトへの応援メッセージをいただきました!
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アンニャ・ライトさん、マテック・ゲラムさんのお二人からプロジェクトへの応援メッセージをいただきました。
自らの環境保護活動の原点ともなった先住民族プナンの人々との出会いを振り返り、映画『ボルネオ事件』を通して彼らの物語を共有して欲しい、と語るアンニャさん。
サラワク州の森林伐採をめぐる政治的情勢に触れて、熱帯林破壊から利益を得続けている日本企業の責任を問うマテックさん。
お二人のメッセージをぜひお読みください。
(以下のクラウドファンディング・ページにも掲載しております。)
https://motion-gallery.net/projects/parc2020
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アンニャ・ライト(シンガーソングライター/環境=文化NGOナマケモノ倶楽部共同代表)
私がサラワク州のプナン族の物語を知ったのは1986年のことでした。スイス人の羊飼い、ブルーノ・マンサーが撮影した、ブルドーザーの前に立ちはだかる部族の男や女たち、子どもたちの写真が彼らの物語を世界に知らしめたのです。ブルーノ・マンサーは、私に全てのことが「こころ」次第だと教えてくれました。プナンの人々は彼らのこころに従って、命の源であり、故郷である森を守ろうとしたのです。そして、どんなに憎しみや怒り、暴力にさらされても彼らが非暴力的であり続けたのも、彼らのこころがあってこそです。今こそ学び、変わり、人類という種の進化の高みへと帰還すべき時です。プナンの人々が、彼らのこころが示してくれた平和で、優しく、誠実で持続可能な生き方に。
彼らの想像しがたい逆境に立ち向かった希望とレジリエンスの物語がこのような映像作品を通して共有され続けていることをありがたく思います。私たちの持つつながりを理解し、この母なる地球の全てのいのちを守るために必要とされる根本的な変革を後押しするためにも、このプロジェクトはみなさんが支援し支持するに値するものです。
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マテック・ゲラム(サラワク・ダヤック・イバン協会(SADIA))
私の国の先住民族たちは、森林伐採とアブラヤシ(パーム油)・プランテーション産業の活動によって犠牲にされてきました。これらの産業の商品の買い手となってきたのが、あなたたちの国・日本です。アデナン・サテム大臣のもとで、新たな森林伐採ライセンスの発行が停止され、森林伐採は一時的に減少を見ました。しかし、彼の死後、サラワク州政府の政策は、タイブ・マハムド時代のものへと逆戻りしています。私は、日本の企業が、サラワク州から木材やパーム油を買うのをやめることを求めています。
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2、延期で改めて問われる 東京五輪の熱帯材使用問題
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コロナウイルスの感染の広がりを受けて、東京五輪の延期が決まりましたが、2020年に予定されていたこの大会の建設をめぐっては、熱帯林破壊とつながる木材の使用が指摘されてきました。
大会の延期に伴い、持続可能性に配慮した運営計画の実績を記した「持続可能性大会前報告書」の公表も延期となる見込みです。この事態を受けて、映画『ボルネオ事件』に登場するブルーノ・マンサー基金を含む国内外NGO8団体が共同声明を発表しました。
NGO共同声明:東京五輪は「見せかけのサステナビリティ」(2020/3/30)
~施設建設で東南アジアの熱帯林を破壊、調達の失敗から教訓を学び是正を~
http://japan.ran.org/?p=1591
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、「持続可能性に配慮した大会の準備・運営」を掲げ、木材についても調達基準を定めています。しかし、2017年と2018年の NGO が行った建設現場調査では、映画『ボルネオ事件』の舞台であるマレーシア・サラワク州の悪名高い伐採会社、シンヤン社やタ・アン社から供給された合板が常習的に使われている事実が判明しています。
今回の共同声明では、延期を検証の機会として、「報告書を見直し、調達の失敗と教訓を記録し、持続可能性の実現ための明確な道筋を示す」ことを求めています。
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3、皆伐が進む日本の森林の現実―岩手県岩泉町の取材レポート
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日本の森林の現状を取材したオリジナル作品『壊れゆく森から、持続する森へ』は、自伐型林業推進協会の協力と、同協会事務局長・上垣喜寛さん監修のもと、取材・制作を進めております。
自伐型林業推進協会は、日本で唯一の林業専門番組「ZIBATSUニュース」をYouTubeで配信しています。3月5日配信の番組では、本DVD作品の取材として、2016年の豪雨災害で大きな被害を受けた岩手県岩泉市の山林の様子を、自伐型林業推進協会代表の中嶋健造さんがレポートしています。災害から3年以上が経ちますが、荒れた山はそのままの状態のところが多く、土砂崩れによって河床も上がり、次の自然災害が来たときのさらなる被害が懸念されます。なぜこのように多くの森林が皆伐され、再生林も進んでいないのでしょうか。PARCのDVD作品では、今回のレポート映像を含め、現場取材から見えてきた林業政策の歴史と課題についても深めていきます。
番組では、監修者の上垣さんよりPARCのクラウドファンディングについてもたっぷりご紹介いただいていますので、ぜひご覧ください。
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特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)
共同代表:内田聖子
担当:奥村勇斗、秋田真千代
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