【あと5日!】【作家紹介】「未来の遺跡」を彫刻する深田拓哉さん
vol. 15 2022-03-27 0
「星と海の芸術祭」出展作家の深田拓哉さんに会いに金沢へ!
先月、金沢21世紀美術館「金沢美術工芸大学卒業・修了制作展2022」へ行ってきました。
東弘一郎(左)と、深田拓哉さん(右)
深田:遠路はるばる見てくれてありがたいです。
東:あ!名刺が手書きだ!鉄板に手書き笑
鉄板に手書きされた名刺
‐「未来の遺跡」を、頭の中で組み合わせる
深田:ぼろっちい車でいろいろなところにドライブよく行くんだけど、その途中で「忘れられたもの」とか、「朽ちていくもの」とかが結構見つかって。それらを「未来の遺跡」って呼んでいるんだけど⋯⋯。そういう「未来の遺跡」を集めて、再構成して作るみたいな。
この作品だと、ビルの屋上にあるような看板を自分で作った。屋上の支えや、空地にあるようなフェンスをイメージしたり、岐阜の亜鉛メッキ工場みたいなところで見つけた「安全第一」みたいな看板があったからそこからもってきている。
#星と海の芸術祭 招待作家である、深田拓哉さん(@fukada0414 )の新作を金沢21世紀美術館で見てきました!
— おおみかアートプロジェクト【クラファン挑戦中】 (@HitachiOmika) February 19, 2022
タイトルは《昔、みたあれは何だったのだろう。》
愛車の窓から見えた風景にインスピレーションを受け、「忘れられそうなものたち」をもう一度気づかせてあげようと作品化しているそうです。 pic.twitter.com/CPqHvRXZl0
東:これはもらってきたんですか?
深田:いや、これはもう自分で作ってる。だけど、見つけたものを頭の中で組み合わせて。
その「安全第一」の言葉とは違うことがしたくて、それを深く、再認識させるために、間逆のことをやろうと思ったので。それで回してみたら危険だよなぁと笑 頭の中で組み合わせて遊んでる感じかな。
東:展示のイメージとしては、やっぱり道路上とか工場みたいなところに、当たり前の看板のようにあるのが理想なんですか?
深田:そうだね、僕は廃工場でやれたら楽しいかな、とか。ずっと考えたりしてました。
普段の作業場?もぼろっちい小屋で、アークとティグとボール盤とか、道具を買って。
東:なるほど笑 ほんとに外で笑 逆に自分のアトリエになってるんですね。
深田:野ざらしだった場所に、単管で壁を建てた。工場だったらイメージ着きやすいかな。
《昔、みたあれは何だったのだろう。》の前で話す二人。
‐発想をそのまま動き出したり、作ったり。
東:思いついたまま作っちゃうのがいい。
深田:そういうのが自分の強みかなと。だから、ぼくも早めに茨城行っていろいろみてこなくちゃなぁと、思ってる。
東:ぜひ!・・・・・・さっき言っていたような、外の作業場は作れるし、なんなら単管建てて、機械類も貸せるので・・・・・・あと、駅前って手もある。
深田:逆に!?笑
東:そう、例えば、こういう大きいものを駅前で、駅を利用する学生が見てる前とかで作る。すると、計画途中から展示とおなじになるので。
深田:この作品を制作してる所見せたいなって思ってた。この搬入も8人がかりで作っている笑搬入中は6台のインパクトが集まって、うるさかった笑
‐「再認識」させるために立体を作る
東:飛び出し坊やみたいに、平面的なものをでっかく立体にしておいちゃうみたいなのは。好きなんですか?
深田:そうだねやっぱり・・・・・・好きだね・・・・・・認識させたい、気づかないものだったりするからそれって。
東:「安全第一」も平面じゃなくて、膨らんで、立体になってますよね。
深田:そう、この形とかは、パチンコ屋の看板を拾ってきて。頭の中で組み合わせて。
《忘られたモノたちに》 2020 鉄
‐街の中で作品を置いたら、苦情の電話が!
東:これは、フェイクの売地を看板ごと作っている?
深田:昨年の8月の芸術祭に展示した作品。
(ストレンジャーによろしく:
https://www.sutoyoro.com/ )
御影石で看板を作り、クレーンも郊外の現場の印象を組み合わせて、作っている。安全対策でつける柵も一から作って、錆をつけている。
公園を売地にしたら、遠くから見た人が本物と勘違いして。市役所にクレームが入ったりした。
東:アートって理解がない状態だとそうなるんですね。
深田:実は、作品に実家の電話番号が書いてあったんだけど・・・・・・
東:金沢から東京の実家に電話かかったんですか笑
深田:そう笑「不動産って人から電話かかってきてるんだけど?」→「ああ、それアートだわ」→「迷惑だからやめろ!」と。まじで爆笑した。撤去しろとか、いろいろ。僕は柔軟ではないけど、やるようにやるという感じ。
《ここは僕たちのもの(そしてそうじゃない)》 2021 鉄 石 塗料
東:作品は錆びさせるんだ?
深田:自然なものが作りたくて、自然に還るものが好きだから。鉄はどんどん土になっていくイメージが僕の中にはあるから、素材に任せる感じで。
東:でもエネルギーがあるといいですよね。
深田:「パワー」しかないから、ぼく笑
東:以前に、椿昇さんに「でかい作品を作る作家がいないから、君はすでに絶滅危惧種だから。」と言われた。「君が作るのをやめたら、大型作品は消える」と。
深田:それ、長谷川さんにも同じことを言われた。パワーがある人がほしいって笑
作家プロフィール
★ 深田拓哉 Takuya FUKADA Twitter
1995年 東京都生まれ。金沢美術工芸大学彫刻専攻卒業。同大学院修了。 「僕はよく、車で旅に出ます。その行く道の風景の端々にあるものたちは、忘れ去られながら、その場所に在り続けます。僕はそのものたちを「未来の遺跡」と名前をつけました。僕は未来の遺跡候補を見つけては、形に起こすことで、人間の意識の外にある、人間の周辺の世界の在り方などを再認識することができるのではないかと思っています。」
作家同士の会話、いかがでしたでしょうか?
この対面から一か月後、深田さんも大みかを訪れて、作品制作に向けてリサーチを行っています。どんな作品制作になるのか楽しみですね!
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アーティストリサーチで、大甕(おおみか)神社へ
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(記事全文: https://motion-gallery.net/projects/omika_art_proj...)
クラウドファンディング残り5日!
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クラウドファンディングも3月31日まで!いよいよ、ラスト5日に迫りました。
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