ルート1:むき出しの大地 : 鉱物に見られている
vol. 3 2015-11-01 0
なぜ今、生物の解体と循環を描きたいと思ったのだろうか、それを語るべき3つの土地のことをこれから3回にわけて書きたいと思います。
むき出しの大地、湿った樹木、湧き出でる水
地球の循環が血管を流れる血のように巡り、それぞれの鳴らす音が自身の脈から聞こえてくるような、内臓に宿る感覚に突き動かされるようにして、この《鳥よ、僕の骨で大地の歌を鳴らして。》を作ることになりました。
ルート1:むき出しの大地
去年の夏、私はインドのラダック標高5000mの土地にいました。今も遊牧民が住む場所。
遊牧民の寄宿学校でアースアートプロジェクト(http://earth-art.info/)で招聘してもらい壁画を描いていたのです。
”壁画を描く”っていう行為をするだけでも息が切れて、酸欠になって、目の前がチカチカしました。太陽がたっぷりと降り注ぐ強烈な光。
風は轟々と吹き、肌と髪をがじがじにしてゆく。日本の風とは全然違う。
私たち日本勢がゼーゼーいいながら、倒れそうにしてる中、現地の子供達はこれでもかっていうくらいに走り回っている。そしてすんごい笑顔と鼻水を向けてきます。
満月の夜には闇の中にもう一つ小さな太陽ができたかと思う強さで光、新月の夜は、闇が全身をとっぷり浸します。空は忘れられないくらい広くパノラマに迫ってくる。
岩や土がむき出しに地平を作っていて、私は鉱物に見られているような気がしたのです。
おおこじま