\応援コメントいただきました①/万田邦敏監督『UNloved』『愛のまなざしを』
vol. 2 2025-02-03 0
西山洋市監督と同じく、現在映画美学校フィクション・コースで教鞭を取り、西山監督のことを昔からよくご存知の万田邦敏監督に応援コメントをいただきました!
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何よりもまず、西山洋市が作る現代を舞台とした不思議な時代劇を見てみてほしい。そうすれば、西山が日本で最も先端的な映画づくりを行なっていることがわかるはずだ。
西山自身はその演出作法を溝口の、小津の、そして何よりも山中の「再発見」と捉えているが、その再発見を実作として作品化するためには「イタリア式本読み」の導入が必要であることを西山はさらに発見したのだ。その点にこそ西山の独創と聡明がある。
しかしまたそこには、西山でなければ実現不可能な演出作法の絶対的な秘密が存している。何故なら「イタリア式本読み」が即山中、溝口、小津に通じてはいないからだし、何より西山の映画は、他のどの映画と似ても似つかない西山の映画としか言いようのない代物だからだ。
今回の新作と、それができるまでを追うドキュメンタリー映像が、果たしてその秘密を暴くことになるのかどうか。おそらく、更なる秘密が上塗りされるだけではないか。しかし、むしろそれこそが見たいという倒錯はきっと私だけのものではないだろう。
万田邦敏監督『UNloved』『愛のまなざしを』
万田監督、素敵なコメントを誠にありがとうございました!
プロジェクトページはこちらになります。
https://motion-gallery.net/projects/nishiyama_project
どうか、引き続きのご支援・拡散をどうぞよろしくお願いいたします。
万田邦敏 Manda Kunitoshi
1956年生まれ。96年、押井守総合監修による実写SF『宇宙貨物船レムナント6』で商業映画監督デビュー。2001年『UNLOVED』がカンヌ映画祭エキュメニック新人賞、レール・ドール賞をダブル受賞。04年に『The Tunnel』(脚本=井川耕一郎)がカンヌ映画祭監督週間に招待された。他の監督作に『ありがとう』(06)、『接吻』(07)、『面影』(10)、『シンクロナイザー』(16)、『愛のまなざしを』(21)。自主製作作品としてナンセンスコメディ『夫婦刑事』シリーズなど。映画美学校では、コラボレーション作品として、『夜の足跡』(00/シネマ GOラウンドの一本)、『う・み・め』(04)、『×4』(08)、『イヌミチ』(13)、『波濤』(17)、『復讐の鐘を打て』(20)、『すすり泣く女』(22)を監督している。