【一般公開記事】日本のラジオのあゆみ(彷徨篇)
vol. 27 2020-06-08 0
団体のこれまでをダラダラ連ねておりますが、今回で終わるかどうかというところです。
2014年の夏に2回目の転機として王子小劇場(今はネーミングライツで花まる学習会王子小劇場)の佐藤佐吉演劇祭にお呼ばれしました。劇場で本公演やるのは旗揚げ以来でした。
当初は「ラクエンノミチ」の再演を求められていたんですけど、最近思いついたやつで、ギャラリー公演では無理だなと思っていたアイディアがあったので、最初の打ち合わせの時に思いきって「実は津山三十人殺しを登場人物全員女子高生でやりたいと思っていて……」って話したら即答で、「じゃあ、それで」となりました。余談ですが、このときの当時の王子の芸術監督の玉山さんとの打ち合わせファミレスだったんですけど、玉山さんが山盛りポテトフライだけを注文して平らげてて、「健康大丈夫か」と思いました。元気でいてほしいです。
佐藤佐吉祭で上演した第10回「ツヤマジケン」、10人を超える出演者を演出するのも初めてだったし、台本が結構難航して自信を喪失し、実はリハーサルをやる直前まで「もうダメだ、晴れ舞台からそのまま墜落死だ」とか思ってたんですが、いざ上演してみると割合話題にしていただいて助かりました。
楽しんでいただいた方の感想はもちろんありがたかったんですが、これまでは「つまらない」とも、いちいち言われるほどですらなかったので、そういう酷評でも「ああ、いろんな人に観られたんだな」と感慨深かったです。(ちなみに「つまらなかった」という感想についての僕の感想はいつも「それはお気の毒に」です。)
ちなみにこの頃、開場前に集合して「このステージも頑張ろう!」みたいな気合入れをしたあと、つづけてなんとなくアメリカ国歌をハミングで歌う、というのが常連の出演者の間で流行り始め(日本のラジオという団体名なのに)、その後の公演でもしばらく続きました。初参加の人とかホント面食らったろうなと思います。最近はもはや気合入れみたいなこと自体をしなくなっています。
公演パンフを作り始めたのもこの「ツヤマジケン」が最初です。デザイナーの郡司さんがページ物もお仕事にしていたこともありますが(映画のパンフいっぱい作っています)、ヤシロが昔文芸の同人誌をやっていたので、パンフ作りは半ば趣味みたいなものです。キャストの写真もこのときからずっと須田俊哉さんに撮ってもらっています。
在庫がなくてもう頒布していない「ツヤマジケン(初演)」「カナリヤ(初演)」のパンフと、現在休刊している文芸同人誌「LOL」です(この号だけ郡司さんに表紙作ってもらいました)。ちなみに「LOL」は「Legend Of Literature」の略です(大学の文芸サークル同期が命名)。
キャストの歴代写真はTwitterのモメントにまとめてます。
「ツヤマジケン(初演)」と同じ年の2014年に木内コギトさんとも知り合っています。きっかけは演劇ユニットクロ・クロにヤシロが客演したときの共演です。余談ですが、ヤシロはオファー受けた際に必ず「セリフ覚えられないけどよいですか」って確認して、相手はいつも真にうけてない気がするんですけど、ホントに覚えないです。今年の夏にも出演予定があります。
そしてちょうど2014年の年末あたりに劇団員のしまおみほが辞めて1人体制となりました。1人になると、歯止め(Twitterなどで)がなくなって大変なことになるのではという危惧が若干ありましたが、結果的にはなんとかなってました。今後は知りません。
田中渚さんに日本ののラジオへ初めて出演いただいたのは2015年の「カナリヤ」になります。そう、今年やる予定だったカナリヤの初演です。もともと親しくしていた劇団「きのこ牛乳」さんの劇団員(この時点では辞めていた)で、以前から拝見はしていたのですが、「カナリヤ」は満を持して、田中渚さんと奥村拓さんを主演に据えてなにかやりたいなという感じでの企画ではありました。永田佑衣さんも「カナリヤ」初演が初めてご一緒した公演です。当時ハタチくらいでしょうか。ワークショップオーディションからの出演でした。
それぞれの公演の作品が別の公演の作品とも関連がある、みたいなことは、この頃からやり始めています。
例えば「ボディ」に出てきたヤクザが失踪し、その行方を探している、というのが「ラクエンノミチ」の導入部だったり、「ツヤマジケン」の女子高生の父親が「カナリヤ」に出てきて、そいつは「ラクエンノミチ」の登場人物と実は仕事仲間で……といった具合です。
2016年に上演した「ゼロゼロゼロ」にいたっては「ラクエンノミチ」の完全な続編で、同一人物を同じ俳優に演じてもらっています。これは完全に趣味です。自分が楽しければよい感じです。
パンフに作中には一切出てこない、ほとんど関係ない登場人物のプロフィールが載っているのも「カナリヤ」からです。だからそういうの好きなんです。
「カナリヤ」に関しては「物語の外の結末」みたいなのをやってみたいというのもありました。中原昌也という小説家に「物語終了の後、全員死亡」という短編があり、内容全く覚えてないのですが、タイトルだけずっと頭に残っています。
なんというか、作品の外でもそのキャラクターが生きていて欲しい、みたいなのがあるんですよね。作中で死んじゃっている人も多いんですけど……
はい、終わりませんでした。まだ沈さんと宝保さんに会ってないどころか、新規構成員も加入してないので、たぶんあと、2回くらい続くと思います……間にコレクター限定のなにかもアップしたいと思います。
クラウドファンディング、残り5日となりました。すでに70万円、70人以上のご支援をいただいております。本当にありがとうございます。
引き続き何卒、よろしくお願い申し上げます。