40年前の風景をなぞっています
vol. 21 2022-07-23 0
岐阜県在住のプロジェクトメンバーが1998年に「写ルンです」で撮影した祖父の写真。
[写真提供=現地プロジェクトメンバー(T)]
戦時中の『慰問文集』の再々発行に取り組むプロジェクト「なぞるとずれる」。80年前、40年前の風景に現在のそれを重ねながら、慰問文を読み返しています。AHA!のツイッターではプロジェクトメンバーが編集会議のなかで考えたことや思い出したことをつぶやいています。
──6月23日、沖縄「慰霊の日」のニュースを見ていたら、元日本兵だった祖父をお見舞いに行った時、オバマ大統領の広島訪問の中継を一緒にテレビで見たことを思い出しました。(T)
──「この字は私。この字は私じゃない。この字はわからない……」。昭和14年の慰問文集を昭和54年になぞって複製した、伊深親子文庫のメンバーの回想の言葉です。「不確かさ」とどう付き合うか。《記憶の継承》を考えるこのプロジェクトのハードコア。(ま)
──これまでの取材音源を聞き返しながら、戦時中に書かれた慰問文集(昭和14年)とその複製(昭和54年)を見比べてみると、字体の特徴が見えてきます。小学生の言葉なのに、なんだか大人びた印象の起筆や右払い。だれが、どのように書いたのだろう。(み)
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2019年に実施した「なぞるとずれる|『慰問文集』再々発行プロジェクト」のクラウドファンディングでは、205名の方のご支援をいただき、同年4月6日に岐阜県伊深町での調査・取材を開始して以来、延べ94名の方のインタビューを実施しました。
2020年春以降、新型コロナウイルス感染拡大のため、ご高齢の方にお会いする機会も多いことから現地での調査・取材を中断し、取材方針を改めました。これにともない、2020年の夏に予定していた再々発行の刊行時期を見直しました。刊行見通しがわかり次第、本アップデートおよびAHA!のTwitter、ニュースレターなどでお知らせいたします。ながらくお待たせしてしまいますが、本プロジェクトの取り組みを見守っていただけますと幸いです。