クラウドファンディング終了のご報告
vol. 14 2019-12-01 0
11月28日、クラウドファンディングが終了しました。自主出版の制作・発行・企画・流通・調査・運営など、さまざまなかたちでご支援・ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]の設立から17年、AHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]の始動から14年。個的な記録や表現のあり方を考える在野のメディア実践・研究機関として、これまで邁進してきました。
私たちが『慰問文集』再々発行プロジェクトをはじめたきっかけは、令和元年の今年が文集の発行から80年、再発行から40年という節目の年だということを伊深親子文庫の活動をつうじて知り、この数奇な巡り合わせに突き動かされたからです。
岐阜の子どもたちが戦場の父や兄にむけて綴り、時を経て子育て中の母親たちが一文字ずつ3ヶ月かけて複製した36篇の手紙集。そこに残された言葉を現在に届けたい、40年後の未来に届けたい、そう思ったのです。
元手もなく、後ろ盾もない。それでもプロジェクトをはじめるに至った原動力とは何なのか。それは、市井の人々の記録を対象にしたアーカイブづくりをはじめた14年前にまで遡ることができます。
ある場所から離れれば離れるほどに、そこに近づくことができる。ある時間から離れれば離れるほどに、そこに近づくことができる。非当事者が非当事者のまま当事者になる。そんなメディア(媒介)を発明するという、AHA!の当初のビジョンに立ち返ったのです。
それは、「なぞる」という行為と、それに伴って必然的に生じる「ずれる」という現象に着目することでもありました。そのわずかな“差分”の中にこそ、人間が記録装置-Recorderであり、再生装置-Playerであることを再確認できる発露がある。そう考えたのです。
失われつつある戦争の記録や記憶を、戦争の経験のない世代が継承する。そんなささやかな文化創造の試みのプロセスを、ぜひあなたにもなぞってほしい。かつて岐阜の小さな村で起こったことは、少しずつの誤差を積み重ねながら、きっとあなたにまでたどり着くはずです。
言葉は、どこまで届くのか──。
2019年12月1日
『慰問文集』再々発行プロジェクト
松本 篤 水野雄太
リターンの時期について
当初12月に予定していた本書の刊行時期は、取材回数を増やし、さらに充実した内容を目指すため、2020年の夏ごろに改めました(詳しくは こちらをご覧ください)。具体的な刊行時期や製本ワークショップといったリターンの時期は、後日あらためてクラウドファンディングのアップデートにてお知らせします。
また、私たちの取材過程や本書の編集プロセス、AHA!のさまざまな活動については、アップデート、メールニュース(購読は こちら)、SNS(Twitter、Facebook)でお伝えしています。個別の質問やお気づきのことがあれば、下記のメールアドレスまでお問い合わせください。
サポートメンバーの募集
『慰問文集』再々発行プロジェクトでは、イベントやワークショップの企画や運営、現地でのインタビュー取材のテープ起こし、文献資料の書き起こしなど、本作りにかかわるさまざまな作業をお手伝いいただくサポート・メンバーを募集しています。取材、編集、出版、流通など、本というメディアを作り、届けるまでのプロセスに興味のある方は、下記にお問い合わせください。
今後とも『慰問文集』再々発行プロジェクトをよろしくお願いいたします。
お問い合わせ先(remo/AHA! 松本・水野)
aha.archive.2005[at]gmail.com