番頭日誌 第十九話「YEARNING」
vol. 19 2023-11-09 0
夜分に恐れ入ります。
京丹後TRAILERの番頭でございます。
クラファン開始から【53日目】。
現在、【206名】のコレクター様からいただいたご支援額【¥2,526,000】。
目標達成率【315%】。
なんと、昨日、ストレッチゴールとして設定させていただいておりました【240万円】を超え、目標を達成いたしました!
想像をはるかに超える皆さまからのご支援、本当にありがとうございます!!
クラファンへの挑戦を始めさせていただいた頃は、こんな未来が待っているとは思いもよりませんでした。
もう何という言葉で感謝の気持ちをお伝えしたらよいかわかりません。
心の底から、感謝申し上げます。
有り難いです。
クラファンの期間も残すところあと2日、いよいよ明日までとなりました。
最後まで応援のほど、よろしくお願い申し上げます。
さて、私個人の過去を遡る記憶の旅を続けてまいりましたこの「番頭日誌」も、そろそろ着陸態勢に入りたいと思います。
もともとは、このクラファン期間中、ご支援をいただきました皆さまに最後まで何かお楽しみいただけるようなものを、不定期に、しかし連ねて書いてみようかな、くらいの軽い動機でございました。
気がつけば、こんなところにたどり着いてしまいました。
私の音楽体験や、影響を受けてきたものなどのお話が出来ればと思って書いてみました。
京丹後TRAILERのチームのなかには、こんな奴もいるのです。
くらいの自己紹介になれていましたら、これ幸いでございます。
そして、番頭日誌のはじめのほうにも書きましたが、私は、みなさんのお話も聞かせていただきたいです。
皆さまの、音楽や映像や本や漫画などなど、影響を受けてきたもののお話をぜひ聞かせていただきたいです。
そこには、まだ私が知らない感動との出会いがあるかもしれないと思うと、ワクワクします。
ここで私が書いてきたことは、そのための、ハイまずわたしから、でもあります。
まずは先に名乗るのが礼儀でしょう。
もしよかったら、受け取ってください。
そして、ぜひ交換しましょう。
京丹後TRAILERが、そんな交差点のような場所になるといいなあと思います。
では、そろそろ私も引き出しの中から現在に戻ってくることにしたいと思います。
やらなければいけないことは、たくさんございますので。
自分をある視点から振り返ってみたこと、今となっては少し楽しいものだったな、と思っています。
要所要所で後悔や自責と鉢合わせることが多く、それはしんどいことでもありましたが、私を再確認するとてもいい機会になりました。
そして、正直な気持ちを言うと、連載はしんどかったなああああああああああ、です。ワハハ。
世の中の物書きの皆さまに敬意を表したいです。
前話で書いた、I監督のコロナ禍のなかの映像作品のなかで、あるバンドマンの方が「自分で決めたことなんだから、それはやれよ。やるしかねえだろ、って自分に言い聞かせてやってる。」とおっしゃられている部分がありました。
いつもその言葉を思い出しながら書いておりました。
まあでも、なんとか終われそうでよかったです。
最後に、今年あったことに繋がるはなしでもさせていただいて、終わらせたいと思います。
私の音楽体験のなかでも、とても大切なはなしです。
私は、高校を卒業したあと、まず大阪のいとこのお兄ちゃんのところにお世話になっていました。
そのとき私は、今でもHIP HOPのDJをしているいとこのお兄ちゃんから、日本のHIP HOPを聴かせてもらいました。
TVやラジオで流れるヒット曲などのラップは聴いたことがありました。
でも、HIP HOPと言われるものをちゃんと聴かせてもらうのは初めてでした。
私はそれまで、バンドの音楽を多く聴いていたので、それは新鮮な体験でした。
その後、自分で部屋を借りてから、休みの日にレコード屋さんに行きました。
あの頃、大きなレコード屋さんと、大きな本屋さんに行くのが大好きでした。
ちょっと時間が出来たら、だいたいどっちかに行っていましたね。
そして、その日はふと、HIP HOPのCDでも買ってみようかな、と思いました。
まずは適当に試聴してみようかなと試聴機に行き、最初に聴いたものにブッ飛んでしまいました。
それは、THA BLUE HERBの「時代は変わる」という曲でした。
「Only for the Mind Strong」というアルバムを即買いしました。
それから、私はTHA BLUE HERBが好きだと、色んなところで言っていました。
そんなある日、それを知っていた友達が、2000年のFUJI ROCKでのTHA BLUE HERBの「ILL-BEATNIK」のライブ映像をDVDに焼いてくれました。
それを観てさらにブッ飛びました。
音源で聴いていた曲たちとは、音も言葉も全く違う聴こえ方をする曲でした。
もしよかったら、せっかくなんで、皆さまも聴いてみてください。
たぶんYouTubeにもあると思いますので、何の先入観もなしに、ぜひ聴いてみてください。
トビますよ。
THA BLUE HERBは、北海道札幌を拠点に活動するHIP HOPのチームです。
ラッパーのBOSS THE MCさん、トラックメイカーのO.N.Oさん、そしてライブDJのDJ DYEさんの3人で編成されています。
音、言葉、考え方、活動の仕方、などなど、私はとても影響を受けて生きてきました。
自分が大人になってからの人生で、「Only for the Mind Strong」以降の音源をすべて追えているというタイミングは、とても幸運なことです。
そして、その過程でのTHE BLUE HERBにまつわるエピソードに心動かされることが多々ありました。
同じ時代を生きる人間として、BOSSさんがいま何を言われるのか、ということにいつも注目しておりました。
私、だいたい毎日少しだけ走る癖があるのですが、ジョギング中にもよく聴きます。
恐らく、私が走った全ジョギング時間のなかで、いちばん多くの時間、私の耳元でラップしていたのはBOSSさんだと思います。
ラッパーランキングでは1位です。間違い無いです。
ちなみに私は、娘の名前も、BOSSさんがラップされている曲の名前からインスピレーションをいただき名付けました。
夫婦揃って、大好きな曲でしたので。
そう言えば、2015年にBOSSさんが初のソロ名義のアルバムを発表された際、収録曲の中から1曲のMVを私が大好きな監督が担当されました。
「MATCHSTICK SPIT」こちらもシビれる作品ですので、もしよければYouTubeでチェックしてみてください。
そのように、私の生活とTHA BLUE HERBの音楽はとても密接にありました。
ライブにも何度も行きました。
深夜のクラブで何度も心酔したことを思い出します。
そして、私個人的には、とても感慨深いことが起きました。
2017年の10月、神戸でTHA BLUE HERBと古くからの友達のバンドbachoのツーマンライブが発表されました。
私は、とても興奮しました。
しかし、その日はどうしても諸々の都合がつかず、観に行くことが出来ませんでした。
とても悔しかったですが、もうこればっかりは仕方なく諦めました。
ライブの翌日だったでしょうか。
Twitterを開くと、LIVEのあとにBOSSさんが「西にbachoあり」から始まるツイートをされていました。
bachoといっしょの写真と共にです。
私は、恐らくですが、THA BLUE HERBとbachoを同時期に聴いていた最大公約数のひとりではないかと思っているのですが、とても心が震えました。
THA BLUE HERBは地元の札幌を拠点に、bachoは地元の姫路を拠点に活動しているので、そのあたりのことも共感のひとつの要素になったのかな、などと考えておりました。
そして、またある日、BOSSさんがツイートされました。
「昨日の札幌は強者どもがひしめいていた 色々観たが bachoの圧勝」
あの、あえて書きませんが、実はその日、札幌ではすごい面々がライブをされていたりしました。
そんななか、このBOSSさんのツイートの内容、私は何が起きているのかもうわかりませんでした。
そしてそして、またある日、BOSSさんがツイートされました。
「俺もbachoの天下を待っている1人」
そこにはbachoの音源の写真が載っていました。
BOSSさんは、本当にbachoのことが好きなんだなあと思いました。
そして、2019年。
「THA BLUE HERB」というセルフタイトルの2枚組アルバムが発表されました。
そのなかに「LOSER AND STILL CHAMPION」という曲が収録されています。
HIP HOPには、サンプリングと言って、ある楽曲や音源の一部を抜き出して、それを新たな楽曲の一部として用いる、という手法があります。
なんと、この曲でbachoの「NENASHIGUSA」がサンプリングで使われました。
THA BLUE HERBの楽曲のなかで、欽也が歌っている。
こんなことが起こるんですね。
感無量です。
(ちなみに、2021年のFUJI ROCKでTHA BLUE HERBがこの曲をされた際、BOSSさんが「This is bacho!You know?」と言われました。配信でそれを観ながらブチあがったのを憶えています)
2020年5月、姫路でTHA BLUE HERBとbachoのツーマンが発表されました。
今度は絶対に行くぞ!と調整をしておりましたが、コロナで中止になりました。
そして、そこから3年の時を経て、2023年5月、姫路でTHA BLUE HERBとbachoのツーマンが実現しました。
私は、bachoの欽也に連絡をとり、姫路に行きました。
あのときの2泊3日で、私が体験したことを、ここで詳しく語ることはしません。
ここで語るには、足りません。
私は、20年以上聴き続けてきた敬愛する音楽家の方々に会えました。
ライブのオーディエンスとしてではなく、ご挨拶もさせていただき、少しお話しさせていただくこともできました。
bachoが、私をTHA BLUE HERBに会わせてくれました。
夢のような2泊3日でした。
ライブ後の打ち上げが終わり、泊めてもらっていたともありの家に帰ってきて、「あと1杯だけ呑んで寝ましょか」と、ともありがハイボールを作ってくれました。
その日最後の乾杯をして、ふたりでその日を振り返りました。
また明日からも頑張ろう、そう思いました。
そして、余談ではありますが、今年の12月24日、大阪でまた、THA BLUE HERBとbachoのツーマンライブがあるのです。
オススメのライブです!
いいですか、もう一度言いますよ。
絶対に観ておいたほうがいいですよ!!
私は、いろいろな人に憧れて、影響を受けて、あっち行ったりこっち行ったりしながら、フラフラと生きてきてしまいました。
もう今さらそれはしょうがないことです。
私は、これからもいろいろな人に憧れて、影響を受けて、生きていくでしょう。
これからも出会いには貪欲に、接していきたいと思います。
長く続けていれば、何か起きるかもしれません。
もちろん何も起きないかもしれません。
でも、とにかく続けることでしか、何も積み重なっては行きません。
TRAILERも続けていくということ自体がそもそもの勝負です。
そんな勝負がこれから始まります。
「自分の相手は自分自身たったひとりだけだ」
BOSSさんが、今日も耳元でそう語ってくれます。
クラファン期間残り【2日】。
いよいよ、明日で終わりです。
京丹後TRAILER
番頭