番頭日誌 第六話「異端児の城」
vol. 6 2023-09-28 0
夜分に恐れ入ります。
京丹後TRAILERの番頭でございます。
クラファン開始から【11日目】。
現在、【128名】のコレクター様からいただいたご支援額【¥1,544,000】。
目標達成率【193%】。
おかげさまをもちまして、とんでもないご支援額になってきております。
クラファンを開始する前、想像もしていなかったことが起きています。
達成率200%も、もうすぐそこに見えてまいりました。
皆さま、本当にありがとうございます!
さて、本日も即席の与太話を。
私、自分の話ばっかりして、自分のことが好きな奴だなあと思われるかもしれません。
でも、私は逆のタイプの人間だと自分では思っています。
では、なぜこのようなことを書いているのか。
目的はふたつございます。
ひとつめは、京丹後TRAILERの名前に結びつけています。
京丹後TRAILERの「TRAILER」には「予告編」という意味があります。
予告編は、本編の断片たちで出来ています。
つまり、本編がつまらなければ、きっとその予告編を観てもドキドキしません。
例えば、未来のある時点で振り返ったときに、どこを抜粋してもドキドキするような箱にしたいなという思いを込めました。
それは自分たちへの覚悟としても向けています。
そういう箱にしていくために、本当に頑張らなければと。
ふと、自分の人生はどうなんだろうと思いました。
どの部分をどんなふうに切り取って繋げば、自分の人生の物語の予告編になるのだろうと想像しました。
物語の完成は、私が死んだときです。
まだ未完成だと悔しがっても、死んだ時が終幕です。
これはいい機会だから振り返ってみようかなと、番頭日誌を書き始めてからこじつけていきました。ワハハ。
もう帰り道だと思いますので。ここらでいったん。
ふたつめは、はじめから考えていたことです。
私は、これから京丹後TRAILERで出会う人たちの話を、たくさん聞いてみたいです。
誰かと話していておもしろいのは、やっぱり「違い」の部分でないかと思っています。
年齢、性別、住んでいるところ、育った環境、好きなもの、嫌いなもの、などなど。
自分とは違う話をたくさん聞いてみたいです。
自分とは違う人の話を聞くのはとても好きです。
京丹後TRAILERの現場でそんな話がたくさんできたらいいなあと想像しています。
そして、影響を受けてきた音楽や、その他さまざまな分野の表現や作品の話も、たくさん聞かせてもらえたら嬉しいです。
それを私もチェックさせてもらって、新しい感動に出会いたいです。
その欲求だけは、全く止まらないのです。
ですので、まずは、私の出会ってきた感動のお話をさせていただこうかと思ったのです。
もしよかったら、いつか、あなたの感動のお話と交換させてください。
楽しみにしています。
よろしくお願いいたします。
さあ、バックイン思春期、番頭少年。
あの頃、私は色んなものに出会い、影響を受けていましたが、そのなかでもかなり強烈だった出会いがあります。
それが「千原兄弟」さんです。
もちろん芸人さんとして、その存在を知りました。
ネタもトークもスタイルも、とても大好きでした。
そして、私の人生にとってとても大事なものになる「BLOOD BROTHER」という本に出会いました。
この本は、千原兄弟さんが1995年の夏に、車で全国8箇所を回った「はじめ GAGIGIGU TOUR」を取材した本でした。
ジュニアさんの「14歳」の連載もシビれました。
14歳の頃のジュニアさんが、自分の部屋に鍵を付けて、引きこもりを始めた頃の自伝的小説。
舞台が福知山市で、同じ京都府北部にある街だということにも、勝手にドキドキしながら読んでいたのを憶えています。
千原兄弟さんの笑いは、ただの笑いではないところに惹かれていました。
コントひとつをとっても、そこにテーマがあることを感じました。
その尖り方が私はとても好きでした。
コントライブにも、毎回コンセプトがあり、その意味を深読みして、楽しんだりしていました。
例えば、「PINK」というタイトルのコントライブがありました。
ライブ中、コントの合間に、絵本のようなものが映像で流れます。
その絵本は、簡単に言うとこんなお話でした。
"あるところに、ピンク色をした街がありました。
その街は、人も建物も、全てがずっと昔からピンク色をしていました。
だけど、そのことをおかしいと思う人は、誰もいませんでした。
ある日、そのピンク色の街に青色の犬が迷い込んできました。
ピンク色の人たちは、青色の犬を初めて見たので、驚き、気味悪がります。
ピンク色の街では、おかしいものや、変なもののことを「PINK」と言います。
青色の犬は、ピンク色の人たちに「PINK」と呼ばれ、ピンク色の人たちにいじめられました。
「PINK」をいじめていたピンク色の一人が、「青色の犬なんて気持ち悪いから蹴り殺してしまおう」と言いました。
「PINK」はこの街が怖くなって逃げました。
自分の生まれた街に戻りたいと思いながら、逃げました。
それを見ていたピンク色の二人は「PINK」を追いかけました。
そして、「PINK」はやっと自分の生まれた街にたどり着くことができました。
追いかけてきたピンク色の二人もたどり着きました。
「PINK」の生まれた街は、全てのものが青色をしていました。
ピンク色の二人は、青色の街に入って初めて自分たちがピンク色をしているということに気づきました。
驚いたピンク色の二人は、急いで自分たちの街に戻りました。
そして、自分たちはピンク色をしていると、ピンク色の人たちに言いました。
だけど、ピンク色の人たちは、誰も自分たちがピンク色だということを信じませんでした。
それでも二人は、あきらめずに自分たちはピンク色だと言い続けました。
すると、ピンク色の人たちは、だんだん二人のことを「おかしくなった」と言い出しました。
そして、いつからか、その二人はピンク色の人たちに「PINK」と呼ばれるようになりました。"
コントライブ「PINK」は数本のコントで構成されています。
その最後のコントは「世界最後の日」。
世界の終末へのカウントダウンが始まり、色々な人たちがどんな行動をとるのか、ということが千原兄弟さんらしいセンスで描かれます。
その最後の登場人物「神様」が、自分のこめかみに銃を押し当てる。
神様がニコッと笑った瞬間、響く銃声。
舞台は暗転となる。
しばらくの沈黙のあと、舞台が少し明るくなると、千原兄弟の二人が立っている。
『あの人たち「PINK」だ』
その声とともに再び暗転、コントライブ「PINK」は終わります。
私は、若い頃、違いを否定することで、自分を知ろうとしていた時期がありました。
若さのせいにしてはいけませんね、ただ未熟すぎただけです。
その頃に損なったものや蔑ろににしてしまったもの、または傷つけてしまった人やご迷惑をおかけしてしまった人への、後悔や自責を燃やして今もなんとか走らせてもらっています。
違いこそが、おもしろいんですよね。
違いをゆるし合って、楽しめるのが最高です。
どの口が言うねん!と当時の私を知る人からはお叱りを受けるかもしれません。
申し訳ありません。もう取り戻すこともできません。
もし、ここからの私が、あの頃の反省を活かせてない部分がありましたら、厳しくご指摘いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
京丹後TRAILERは、色んな人の違いを楽しめる、そんな遊びの場所にしていけたらいいなと思います。
ただし、私は、暴力や悪意で「違い」に接してくるものには、抗議します。
クラファン期間残り【44日】
京丹後TRAILER
番頭