立春! 本移植に向けて〜里親募集と応援する会のこと〜
vol. 29 2024-02-07 0
立春を過ぎ、大雪に見舞われたものの、植物たちは着実に芽吹きに向かっています。
谷保第四公園で。このマテバシイは移植されたもの?
立春の日の公開ミーティングでは、まず、二小の校庭に本移植できる木々の状況を共有しました。
現段階では2ヵ所2本程度という教育委員会の意向に変わりはなく、プロジェクトとしてはせめて1ヵ所に3本くらい寄せ植えをして、できるだけ多くの樹木を校庭に戻したいと希望を伝えています。
ご参加いただいた方からは、「二小の校庭に戻ると思って寄付をした人もいる。そういう人への説明責任がある。もっと情報を公開しながら教育委員会、行政と協議してほしい」というご意見をいただきました。一方で「あの木々が伐採され、チップになることなく、あの場に生きていることの意味。たとえ校庭に戻れる木が少ないとしても、別の場所で木々がいのちをつなげるように本移植場所(里親)探しは大事」という声もありました。
里親募集については、市報くにたち2/5号にも掲載された通り、プロジェクトのHPで詳細を載せています。実際にはお問い合わせをいただいた後、詳細を詰めていくことになります。すでに数ヵ所、手をあげてくださっている方もありますが、奇跡的につながったいのちの里親、ぜひご検討いただけましたらありがたいです。
ミーティングでは、他に2023年の会計報告(仮)をしました。
昨年のGWに急遽行なった「樹木(いのち)の緊急避難プロジェクト」には大変多くのみなさまから熱い応援をいただきました。Motion Galleryで476名の方から615万5984円、手数料や消費税を引くと547万8286円ものご支援を、さらに、133名(法人含む)の方から、手渡しや口座に直接400万円ものご寄付をいただきました。
小学校の校庭で子どもたちを見守り、遊び相手や相談相手になり、たくさんの鳥や虫、小さな生きものたちを育んできた木々を、大切な「いのち」として捉えてくださった方が、こんなにもいてくださったことに改めて感動しています。
二小の木々に想いがある方はもちろんのこと、この地球で文字通り身体を張って生きものが棲める環境を整え、守ってくれている樹木と人が共生する社会を希求し、願いをご支援という形で表してくださった皆さまに、深く深く感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
まだ確定していない部分があるため、ご報告できる状態になりましたら、改めてお伝えさせていただきたいと思いますが。仮移植作業及びその後の安全対策&木々の養生作業には、ご支援いただいた額を超える経費がかかっており、その差額をどうするか、現在協議し、調整をしている最中です。
さて、同じ日の夜、昨年末に発足した私たちプロジェクトを応援する「国立二小樹木保存プロジェクトを応援する会」が「応援するつどい」を開いてくださいました。
これから二小校庭に戻す本移植作業の費用負担をはじめ、4月までを目途に里親を探さなければならないプロジェクトを見るに見かねて、立ち上がってくださった「応援する会」。
初めての「つどい」に駆けつけてくださった方々の熱い想いに、私たちは心の底から励まされ、力をいただきました。
『祝の島』『ある精肉店のはなし』の監督で知られるドキュメンタリー作家の纐纈あやさんは
「皆さんが声をあげ、行動していなかったら産業廃棄物として処理されていたものが、いま生きながらえていて、その木々がたくさんのいのちあるものと繋がっていくことを思えば、それはお金には換算できないもの。安心安全という大義名分のもと、それにはいくらでもお金を出そうという風潮がある中で、安心安全よりも『何が自然で何が不自然か』ということのほうが大事だとつくづく思います。
これから本移植工事にかかるお金を集めていくことが必要になっていきますが、それは一般的な施工費で何千万、何億と動くお金とは全く質が異なるもの。10円でも100円でも、そこに想いが載っているお金が集まってくれば、必ず必要なものは集まってくる。そのためにできることがあればと思っています」
と、激励のメッセージをいただきました。
また、2020年に設立、全国で重度訪問介護事業等を展開する株式会社土屋の古本聡さんからは
「いのちのつながり、ということで言えば、私たちの企業と皆さんの活動の関係は深いものがあります。私たちのフィロソフィーは『生き延びることを肯定する』、ミッションは『未だ出会わぬ小さな声を探し求める』。桜の故郷である国立市内で里親を見つけるのが一番ですが、それが叶わなければ、県外になってしまいますが、里親はご紹介できると思います。三重県の名張市に障がい者の就労を支援する会社があります。そこでいま作っているのが防災キャンプ場。そこで引き受けてはどうかということも考えています。これから日本のあちこちにいろんな施設を作っていく構想もあります。今後いろんなことで皆さんのお手伝いをしたいと考えています」
と、力強いご支援の言葉をいただきました。
本当に嬉しく、ありがたく、背骨に光の柱が立つような会でした。
二小の子どもたちをはじめ、これからを樹木と共に生きていく子どもたちの未来のために、
樹木が「もの」でなく「いのち」として扱われる社会への一歩として
本移植に向けて頑張っていきます。
どうぞ、これからも共に歩んでいただければ幸いです。
2023年2月7日 プロジェクト・メンバー一同
応援する会さんがつくってくださったチラシ(オモテ面)です
こちらが裏面。宇梶静江さんほか多くの皆様が賛同の意を表してくださったそうです