応援メッセージをいただきました!
vol. 6 2023-05-30 0
6月に入る前に次々に梅雨入りが発表され、東京も雨続き。仮移植された木たちにとっては恵みの雨ですが、大型の台風も発生し、豪雨災害も気になる季節になりました。
さて、5/3〜5/6に行った緊急避難作業は、大型重機が往来する現場でもあり、当初は近隣の方を除いて、積極的な見学の呼びかけはしませんでした。
けれども、初日の作業が終わって、校内に安全な見学スペースが確保できることがわかったこと、なんといってもこの結作業を直に、是非観てほしいと思ったことから、広く見学を呼びかけることにしました。
今回、応援メッセージをくださったのは、現場に佇んでずっとその光景を見つめていらしたELEMINISTの創設者、深本南さんと、大掛かりなプロジェクトの現場監督を務めてくださった造園家、押田大助さん。
お二人の視点、思想、生き方がくっきりと表れた言葉に、胸打たれ、励まされます。
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木を切るためなら簡単にお金が動くのに、
木を守るためにお金を集めるのは難しい。
わたしには何ができるのだろうかと考えながら、樹木の命を守るために移設作業している人たちの現場を訪れた。愛に満ち溢れたエネルギーに圧倒され、涙がぼろぼろと止まらない。この温かな愛を伝えていくならできる。そして、あきらめずに声にし続けることも。
木を守るためにひとつになれるひとたちがいれば
木を切る考えよりも強い愛で変えられる日は必ずくる。
深本南 ELEMINIST創設者/ 社会起業家 / 環境活動家
10歳で環境活動家を志し、大学在学中に環境団体を共同設立。ビジネスを通じた社会貢献を目指し、2004年にファッション業界に転身。ラグジュアリーブランドを中心としたECコンサルティング、事業部長、クリエイティブ室室長などを経て、2020年にELEMINISTを創設。現在は社会起業家としてサステナビリティに特化した新規事業を複数準備中。また環境活動家としては2023年4月にEARTHDAY SHIMOKITAを主幹するなど幅広い領域で活動中。
https://www.instagram.com/minami.fukamoto/
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全国あちこちで樹木伐採の計画が進み、貴重な緑が簡単に失われてしまう。
なぜそうなってしまうのか?
どこに原因があるのか?
よく考えてみると、実際に伐採作業を行う僕たち造園業界にも大きな問題があるように感じました。
今でこそ僕も大地の再生活動をやっていますが、20代から30代までは、一般的な造園屋さんとして、伐採作業はもとより除草剤や農薬散布なんかもやっていました。
今回の国立二小の問題は、街路樹のぶつ切りや落ち葉の苦情の問題と似ているように思います。
仕事だから仕方がない……。
発注する側が悪い……。
苦情が来たから……。
もう決まってしまったから……。
実際に施工を行う造園業者は、仕事を発注する元請けや行政のせいにして、仕事を発注する側は市民の苦情があるから仕方ないという。みんなが人任せで、この問題は終わりがなく、そして誰も幸せにならない。
今回の国立の案件に対しては、高木移植という作業内容からしても、造園業のプロの力が必要だと感じました。そして、僕の所属する造園組合の関東の造園業の方々へ、呼びかけのメッセージを発信しました。
(以下抜粋)
「全国各地で見られる昨今の樹木伐採の問題。樹齢が50年、100年の樹木を伐採したとしても、新たに木を植えれば同様に緑地を確保できるから問題ない、というのが施工をする側の考えですが、それはあまりにも矛盾しています。
長年その土地と共に育んできた生態系や大木の機能や景観を失う事は、その土地に大きな環境の負荷がかかり、決して健全なものではないでしょう。
工事や設計の見直しが困難な中、何とか木々を「移植」という形で命を繋いでいくのが今回の計画になります。
本来は緑を増やし守っていくことが我々造園家の大きな使命であり、今回の国立の件は造園業が社会に対して大きく貢献できるところではないでしょうか」
この呼びかけが功を奏したかわかりませんが、関東近辺から心ある造園家が多数集まりました。しかも、今まで面識のない方も。やっぱり、この風潮はおかしい、みんなこのままではいけないと思っていたんだと。
そんなプロの力の協力もあり、4日間で計画していた全ての樹木の救出に成功しました。
僕も以前は伐採する側の施工業者でした。僕たちは被害者でもあり、実は加害者でもある。そしてそれを救うこともできる。
とにかく気づいた人が気づいた時に変わること、そして行動することで、社会は少しずつ変わっていく。
樹木を大切にする世の中へ転換したい。今はその分岐点にある。
今は多くの人の協力が必要です。是非ともご協力をお願いします!
押田大助
埼玉県寄居町生まれ.
株式会社中央園芸 代表取締役/大地の再生 関東甲信越支部 副支部長/(一社)日本造園組合連合会 埼玉県支部副支部長/NPO法人 寄居の緑と空間を楽しむ会 代表理事