井戸掘り冊子 発行延期のおわびとおしらせ
vol. 89 2019-11-09 0
朝夕はすっかり冷え込むようになりました。
季節は忘れることなく、うつりかわります。
おげんきですか。
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さて、井戸掘り冊子の制作にとりかかろろうとしたのですが、
もう一年遅らせることにしました。もうしわけありません。
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冊子をつくって、この釜ヶ崎井戸掘りの作り方を伝えたいのか、というと
ちょっと違います。
今回、わたしたちが掘ったやり方は、釜ヶ崎の知恵と技術がすごすぎて
道具もふくめて、素人ではなかなかできない方法でした。
おもいつきのひらめきでも、みんなでやったらなんとかなるよ!という
考え方やマネジメント本をつくりたいわけでもなく、
どうしたものか、と考えていました。
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井戸が完成して、Kさんをはじめ、みんなが、わたしも
「(もう井戸が掘れないなんて)さみしい」と口にしてしまうほど
ぽっかり穴があいてしまいました。
そして、想像とおりでしたが、井戸の水は水道水不適合。
庭の撒き水にするしかないのですが、ちょっとそれだけでは、という気持ちもあります。
井戸の横には、かつて掘った土が山盛りになっていたスペースがあり、
いまは、たいらな地面がむき出しのままです。
この間、自然災害が多発し、断水などの事態もありました。
そこで、せっかく井戸水があり、飲めないけれど、このまわりで
このスペースを畑に戻すだけでなく、
かまどをつくって、ご飯をたいたり、ドラム缶風呂とか、
トイレとか、つくってみたらどうかな。
庭で、キャンプしてみたらどうかな。
もし、災害などで、ライフラインがたたれたときに、慌てることなく
あんなことできる、こんなことできるの経験を持つのは、悪くないでしょう。
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それに、この街には、何も持っていなくても、
川辺や路上で生き抜いた経験の持ち主がたくさんいます。
焚き火をかこんで、
彼らから、生き抜いてきた話を聞いてみたいとおもいます。
防災!という呼びかけするほど、真面目ではないので、
表現すべく、生き抜く知恵としての取り組みを、
来年、井戸周りでやってみようと考えています。
その経験をあわせて、井戸掘りの本として完成させたいと思っています。
ご寄付いただいたみなさまには、お約束をやぶるかたちになりますが、
一年、お待ちいただけたらさいわいです。
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大工のRさんの井戸掘り漫画は、大河ドラマのようにゆっくりとすすんでいます。
来年の釜芸、井戸周りのプログラムに都合が合えば、ご参加ください。
どうぞ、お体に気をつけて、良い日々を。