はじめて溶接して、ブランコをつくる
vol. 27 2019-06-02 0
井戸が深くなってきて、はしごもぎりぎりになってきた。
そこで、ターザンのように、滑車にロープをつけて、それでのぼりおりすることを考え、
そこらへんにある板切れや棒でいいのだけど、
溶接して、ブランコの板をつくることになった。
*
昨年末、偶然であった若松さんは、西成区長橋で船のエンジンをつくる会社の経営者。
「一般の人に、溶接のワークショップしてるんですよ」と話してくれたので、
いつか溶接をやってみたいと思っていた。
この機会に、溶接でブランコをつくってみたい。
S字フックにひっかけることができれば、使いやすいし。
さっそく、わたしは、下手なイラストをかいて、若松さんに送ってみた。
そして、快諾いただいて、5月の末
ココルームから3人が長橋まで自転車を走らせた。
着替えや靴まで用意いただき、ゴーグル付きのヘルメット、
腕や足をカバーする皮のごっついカバー。
身につけると、ガンダムみたい。
そして、職人さんにうながされて、
線香のような棒をクリップのついた道具ではさむと電流が走る。
アーク溶接という。
1万5000度の火。(地球の真ん中が6000度)
この火を肉眼で見ると、やけて、数日目があけられないらしい。
まわりで待っている間も、ゴーグルをつけておく。
職人さんは、鉄製のお面のようなものをひょいと左手に持ち、かろやかに作業をする。
左の腕をひょいと折り曲げ、火を見ないようにして、作業するわたしの手元をなおしてくれる。
火花が飛び散り、身体はだいぶ熱い。
集中しすぎて、喉はからからになる。
こうして、ブランコ板は仕上がり、翌日、さっそく井戸掘りに使ってみた。
無事にのぼりおりできた。
引っ張り上げる時には、まるで綱引き。
「よいしょ」「よいしょ」声をかけないと、さすがに大人はあがってこない。
井戸掘りはすすみ、295cmまで掘りすすめた。
水位は150cm。
当初予定まで、ぴったりの数字だ。
あと5cmを掘り、仕上げをどうやっていくか、また話し合いがつづく。