地下250cmの世界。縄文時代の音を聴く
vol. 22 2019-05-21 0
この日の井戸掘り日和は、すこし曇っていた。
参加者は前回より少なく、じっくりと井戸の中でスコップをふるう。
250cmの地下で、ひとり、縄文時代の音を聴く。
土のなかに赤っぽいほげほげしたものがたくさんまじっている。
植物にくわしいSさんが「これは、ガマやろうな」
「きっと、不安定な場所やったんやろうなあ。安定してたら、葦(よし)が生えるねん」と教えてくれた。
地層の三田村先生も話していた。
この場所は、上町台地の上ではあるが、波が寄せてはかえし、地面をけずり、崖をつくって、いま崖下となっていること。
不安定な土地、不安定なココルーム。まさに。
けれど、陸か海かわからない、名づけようのない場所は、おもしろい。
名前もしらない生き物が育ち、ちょろちょろと這いずり回り、風にふかれている。
未確定な場所では、さまざまなことが起こる。
ココルームで井戸を掘りながら、縄文時代からの縁を感じる。