オンライン 配信シリーズの第一弾 「故郷・福島から切り離されて」のご報告
vol. 3 2021-04-07 0
4月4日、オンライン 配信シリーズの第一弾 「故郷・福島から切り離されて」を無事に終了しました。今後、アーカイブ発信を予定しておりますので、準備ができましたら、お知らせさせていただきます。
以下、ランド・アンド・ライフ辰巳玲子から、第一弾のご報告いたします。その後、これからのオンライン配信の予定を掲載いたしましたので、どうぞご覧ください。
ぜひ引き続きのご関心と、周りの方へのシェアなどでの応援など、どうぞよろしくお願いします。
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初のライブ配信というチャレンジでしたが、緊張感が程よいスパイスとなり、出演者、配信担当者、会場のオーナーも、皆が息をあわせて臨めたと思います。
何より、スピーカーゲスト井上美和子さんの経験者だからこその力ある朗読とお話、そして支え、ともに作り上げていかれるファミリーの存在がとても大きく、場も和み、内容を素晴らしいものにしていただけました。ありがとうございました。
ご視聴、ご参加くださった皆様にもお礼申し上げます。ありがとうございました。
さて、配信予定時間を20分オーバーし、1時間50分となりましたが、終了後も話はしばらく続きました。それらもまた、とても大切な内容でしたので、ここで一部をシェアさせてくださいね。
311後、福島では‘‘分断‘‘という言葉が、マスコミ上でも頻繁に使われ、その内容とともに報道されてきました。避難した者、留まった者、避難にも、自らの選択か、有無をも言わせない強制なのか、また、家族・親類縁者が離れて暮らすこととなった方々も多く、10年を経た今も避難者は6万人に上ります。さらに3万人という人数が地域ごと消されたという取材報告もあります。さらに、追い打ちをかけるように、賠償や支援待遇の差異は、地域住民や家族・親戚の繋がりと絆を揺るがし、対立、孤立を生み出した、との理解です。
美和子さんは、ひょいとつり革を握るような仕草で、その‘‘分断‘‘について話されました。
やり場のない想い、拠りどころを失くした私たちは、
マスコミが流す‘‘分断‘‘という言葉を、
(ひょいと)掴んでしまったのではないかと思うんです。
そのために、私たちがほんとうに向かうべきものを見失い、見誤ったのではないかと。
マスコミの責任も大きいと私は思っています。
このお話は、映画『ホピの予言』で映し出される強制移住問題と重なります。1940年代、石炭採掘のため合衆国政府と企業が「ホピとナヴァホの土地争い」を画策演出し、強制移住が始まった時、
伝統を重んじるエルダーたちは危惧しました。いつか、隣人であるホピとナヴァホの両者が反目することになるのではないか、と案じたのです。
それは、今や現実となっています。強制移住計画は、両者の間に新たな境界線を何度も引き直させることになり、ホピ部族政府がホピ側に暮らすナヴァホを立ち退かせようとする状況が続いています。部族政府とは、合衆国内務省(BIA)が管轄する、いわば合衆国の傀儡政権と、伝統と重んじる人びとによってみなされています。
長い歴史の間に、文化や言語も全く異なったホピとナヴァホには、いざこざや衝突はあったものの、棲み分けやトレイディング、通婚しながら、ブラックメサという地域を聖地として互いに大切に守ってきました。
しかし、この数十年、‘‘分断‘‘は進められてきたと言わざるを得ません。
映画のラストシーン近くで流れる、佐藤慶さんのナレーションの言葉が響いてくるようです。
- 偉大なる精霊よ、
その声を私は風の中に聴き、その息吹はこの世界のすべてに命を与える。
偉大なる精霊よ、
私はあなたの多くの子どもたちのひとりとして、
小さな弱い人間のひとりとして、
あなたの前に立っています。
どうか、私にいつまでも赤々と燃える夕空を見守らせてください。
一枚の木の葉、ひとつの岩の下にも、
あなたがそっと秘めた数々の教訓を知ることができるように、
私を導いてください。
偉大なる精霊よ、
私の命があの夕焼け空のように消えるとき、
私の魂がなんの恥じ入ることもなく、
あなたの身元にゆくことができるようにさせてください。 -
美和子さんは朗読中、何かに動かされ、言葉が降りてくるような感覚に、たびたび見舞われるのだそうです。
あなたの後ろに、たくさんの先祖のスピリットがついて、見守り、力を寄せて下さっているんですね。美和子さんひとりではないですね。
そう、私は彼女に言いました。
ほかにもお伝えしたいこと、書いておきたいこと、たくさんですが、今はここまでで。
大地と繋がるいのちに生かされかされている私たち。その記憶を呼び覚ましていくことが、まず、大切なのではないかと、私は思っています。
お付き合いくださり、ありがとうございます。
ご支援、応援、どうぞよろしくお願いします。
ランド・アンド・ライフ 辰巳玲子
■ オンライン 配信シリーズ「ホピ・平和の人とは誰か?未来への選択」今後の予定 ■
・5月16日(日)アイヌの心 宇梶静江さん
・「ジャンピングマウス」朗読・古屋和子さん、インディアンフルート・野中かつみさん
・ウランとみそ汁 冨田貴史さん(冨貴工房)
・アメリカの平和運動とインディアン 日本山妙法寺安田純庵主(交渉中)
・NPT2015 Peace Walk ホピランドを歩いて プロジェクトメンバー矢郷 桃
・初めてのホピ訪問 プロジェクトメンバー野井俊良
・映像配信「NPT2015 Peace Walk アリゾナ編」「セイクレッド・ラン」
「大地といのちの祈り」(予定)など
・ネィティブと縄文 プロジェクトメンバー草刈朋子
・他
ゲストのお相手は、辰巳玲子、プロジェクトメンバーが随時務めます。イベントごとに具体的になってきましたら、お知らせをさせていただきます。