第2回「新人監督、はじめてのちょうへん!日誌」
vol. 12 2023-09-02 0
〜ヒリヒリのWSオーディションから最終選考まで〜
みなさんこんにちは、監督の道本です。
前回、WSの書類選考について記載をさせていただきました。
そして、最終的に72名の方にWSオーディションに来ていただくことになり、WSの内容について考えていきます。
と言っても、私にとっての初めてのWSになります。
その時間といっても1日8時間×2日×3チーム。(長い!)
しかも参加料をしっかりいただくので最終の映画の出演に外れても得るものがあるWSにしなくてはいけません。
来られる皆さんは私よりもWSの経験があり、さまざまな監督とお会いしていることでしょう。
この若造監督から何か得られるものはあるでしょうか……
なかなかのプレッシャーです。
そこで、外山文治監督(勝手にお名前を出します!)のWSに見学に伺ったり、知り合いの舞台の演出をされている監督に身体的なお芝居のWSについてお伺いしたり、できる限り勉強をしました。
そこで、3本の台本(2本はペラ2枚分ある3人芝居ワンシーンを、もう1本は1人芝居)を制作し、組み合わせを変えてひたすらその台本を演じていただくことにしました。
この台本作りが難しい。
今回のオーディションでは最終、映画の配役を決めなくてはいけません。
でも本来のオーディションのように、目的の役に向かって人が集まるわけではなく、さまざまな役の方と1チームで25人近くご一緒しなければならない。
なので、どの役の候補の方が演じても参考になるお芝居をしていただける台本が必要でした。
悩みに悩み、読んでいて演じていて面白いものを作るつもりで書き始めました。
1本目は映画のストーリーからは離れているものの、重要な葛藤が見え隠れするもの。
2本目は映画のストーリーをベースにワンシーンを制作。
その台本を皆さんにお渡しして、どの役でもできるようにしてきてくださいとお伝えして、いよいよWSが始まります。
(終わった後、参加頂いた方にお聞きするとどの役でもできるようにと言われることがあまりなく、覚えて作ってきてくださるのがなかなか大変だったようです!ですよね!すみませんでした!)
さて、WSが始まります。
とにかく私のWSで私にできることはなにかと考えたところ
- その俳優さんがどう見えているか
- その俳優さんの何を魅力と思うか
- こうして欲しい
ということをはっきりと伝えることでした。
それだけは行えると思うので、とにかく丁寧にと……
と言っても、25人の初対面の俳優さんがじっと私の言動を見ている、しかも皆さんはオーディションで来られていてきちんと準備してきてくださっている、という環境に身を置くと
そんな冷静ではいられません。
↑教室のイメージ
緊張のあまり8時間なんてあっというまです。
しかも8時間じゃ十分に芝居をしていただけない!(25人もいると1日で2〜3回が限度)
なので自分の芝居のターンまでが長く、お待たせしてばっかり。
待ち時間に飽きてないかなと、疲れてないかな、とみなさんの反応も気になりました。
とにかくスムーズにできるよう、前もって考えていった段取りで組み合わせを変えてお芝居をしていただきます。
「学校の先生ってこんな感じなんだろうな……みんなが飽きないように、反応も見ながら、考えて、進めていく……今まで舐めていてすみませんでした」という気持ちでいっぱいになりました。
組み合わせはやっぱりみなさんの役の想定があるので、母と娘のペアだったり、友人同士のペアだったりをベースに組みました。
あとからお話を聞くと「毎回この人と一緒だった!別の人とやりたかった!」と言うのが多数あり、あちゃーという気持ち。(私は組み合わせが見れたので想像しやすかったです!すみませんでした!)
でも、組み合わせを変えるごとに、また回数を重ねるごとに、同じ台本でも捉え方や意味が変わっていく様は見ていておもしろい!
これぞWSの醍醐味だなーなんて(あまり知らないけど)楽しんでいました。
そのWSの中で、私が配役を決めるために見ていたのは
- その人から滲み出る人柄
- お芝居の器用さや対応力
です!
(キャスティングの基本だと思いますが……)
同じ台本をしていると、俳優さんのもつ人柄によって見え方がガラリと変わってきます。
もちろん引き出しが多い方もいらっしゃって、さまざまな見え方がする場合もあり、それはすっごい面白いのですが、
本作はその人の滲み出る人柄から逃れられない作り方をすると思っていたので、
やっぱり特に1を重点的に見ていました。
その点を見るにあたり、お芝居以外にも、本作は写真を撮る人たちの話なので、1枚写真を撮ってきて発表会をしましょう!なんていう課題も出したりしました。
と、必死に皆さんのヒリヒリなWSに食らいついていると、
あっという間に全ての日程が終わりました。
計48時間。
A・B・C日程とご参加頂いた方ありがとうございました!
私の中でも多くの発見があり、また、これからにつながる本当に素敵な出会いだったと個人的には思っています。
またお会いできるよう精進します。
WSが終わると、映画の選考に入ります。
これがまた難しい(楽しい)!
この方のここは役にピッタリでいいけど、別のこの方にお願いしたらこう言う面白さが出るかもしれない!
無限の可能性があって、どの可能性も潰したくない……
そのせいでとてもお時間がかかりましたすみません……
特に本作はメインキャストが4人いて、1人が変わるだけで雰囲気がガラッと変わってしまう。
4人は考えあぐね、最終オーディションを実施させていただくことにしました。
最終オーディションは台本からシーンを抜粋して、配役のイメージをお伝えして、ピンポイントで覚えてきてもらい、組み合わせを変えながら見ていく形にしました。
なんと贅沢に1回4時間も!ミニワークショップ……
みなさんにあの時の気持ちを聞いたら、WSで力を出し切った!やったった!と思ってたら改めて呼ばれたからまた力を出さなきゃ!とドキドキしたそうです。ですよね……
そして、大勢の方の気持ちを背負い、どの配役が作品にとってベストなのか悩みに悩み、最終現状の11名の俳優さんとご一緒することを決めました。
じゃあ、お次は撮影の話か?!と思いきや、撮影に入るまでにはまだまだ段階があります。
この配役を決める裏で撮影に向けてスタッフの配役(スタッフィング)もしなくてはなりません。
これも監督の演出の仕事の一つ。
そして今回は特に劇中写真が重要になるお話です。
映画と近しいが似て非なる表現の写真を扱うにおいて、説得力のない写真を写すわけにはいかない、ということでWSの裏で協力いただける写真家さんを探しまわっていました。
次はその「スタッフィングと写真家さんへのオファー」のお話をさせていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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https://motion-gallery.net/projects/hona_mata_ashi...
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道本