第3回「新人監督、はじめてのちょうへん!日誌」
vol. 13 2023-09-12 0
〜スタッフィングと写真家・淵上さんへのオファー〜
みなさんこんにちは、監督の道本です。
前回、WSから最終ご一緒する11名を決めるところまでいきました。
その裏で、私は撮影に向けてスタッフィングを始めていくことになります。
映画作りには大勢のスタッフの力が必要です。
そのスタッフィングも監督の演出の一つ。
本作のスタッフのクレジット(現在公表されているもの)をざっと記載してみます。
監督:道本咲希
脚本:郷田琉生|道本咲希
撮影:関瑠惟
照明:松島翔平
録音:坂本就|百瀬賢一
美術:畠智哉
スタイリスト:大場千夏
ヘアメイク:荒川瑠美
助監督:中村幸貴
制作担当:小林徳行
スチール:染谷かおり
劇中スチール:淵上裕太
ラインプロデューサー:田中佐知彦
プロデューサー:市橋浩治
このクレジットはその部署のトップの方のお名前のみで、この方達の下にもスタッフがいます。
また、ここに記載させて頂いた方は撮影の際のスタッフで、撮影後、仕上げの段階で関わってくださるスタッフも大勢います。
(ここに書かれていない方のお名前は映画のクレジットに記載させていただきます!)
進め方ですが、各部署のトップの人たちが脚本を読み、私の意見を聞きいて各部署の演出を考え提案、私はそれをとりまとめて総合的に方向を決めていき映画をつくりあげていきます。
俳優もよく俳優部という括りでお聞きするかと思いますが、この部署のトップの人たちと同じ考えで、芝居や役の見え方を提案してくれる部署という(私は)認識です。
本当にたくさんの方が動いてくださっているんですよね……
スタッフィングですが、本作は基本私の好きな人にお願いすることができました。
どんな作品に関わられて、どのようなことが得意な方か、現場での立ち回りなども想像してどなたにお願いするか考えます。
また私があまり知らない部署はプロデューサーのお二人に提案をしていただきながら決めていきました。
予算が潤沢でない中、返事二つで参加してくださったスタッフのみなさまには改めて感謝を伝えたいと思います。本当にありがとうございます!
ですが本作、ベースのスタッフィングにプラスで参加して頂かないといけない方がいらっしゃいました。
それは劇中写真を撮影して頂ける写真家さんです。
映画で写真を扱うという、一歩間違えれば写真を勉強し活躍されている方に失礼になってしまう繊細な表現をするうえで、そこに説得力をもたせるために、力のある写真が必要だと考えていました。
そこで、実際に活躍されている写真家さんに入っていただきたい。
その意思は脚本段階からありました。
田中真琴さん演じる、主人公ナオは(ちょっとネタバレ?)大きなジャンルでいうとストリートスナップを自分の表現の軸として、ひたすら歩き他者や街の様子を撮り続ける女の子です。
ストリートスナップは肖像権などがうるさい現代には不向きな表現だと思っていて、なかなかそのような写真の撮り方をしている写真家さんを、特に若手の方を見つけられずにいました。
また、写真家ではない私が監督で写真を扱う映画を作るにあたり、あまりいい反応をしない写真家さんもおり、なかなか見つからず時間が経つにつれて不安が募っていました。
粘って粘ってリサーチをしていくと
最終的にお願いすることになる「淵上裕太さん」の存在を知ります。
https://fuchikamiyuta.com/
淵上さんは街中で社会に対して違和感を持っている方や、もがいている方(どちらも私の主観での表現です)にお声をかけ、撮られたポートレートを多く発表されています。
そのお写真を見たときに、一見街中にいれば気づかない(見てみぬふりをしてしまう)自分とは違う人生を送る人たちなのに、写っているのは私たちと変わらないただの人間だと気付かされ、なぜかとても安心したのを覚えています。
一つの本質に迫る写真……
私は少し見ただけで、淵上さんの撮られる写真がとても好きだと思いました。
そして、ナオの写真をお願いできないかと思いました。
私はすぐ淵上さんにメールをしました。
なんと、すぐにお返事を頂き、お会いできることになりました。
お会いする当日。
すごくシビアな方だったら……私の勉強不足を見抜ぬかれ断られたらどうしよう……そもそも初めての方と会うの緊張するな……とドキドキしながら待ち合わせの駅で待っていると、想像以上の柔らかさと鋭さを持たれている淵上さんが来られました。
相当緊張していたわたしですが、その信頼できる空気感になぜかふと肩の力が降りたのを覚えています。
その後、場所を移動しながら写真家さんのリアルなお気持ちなどについていろいろ質問をしました。
貴重なコンタクトシートや作業部屋も見させていただきました。
どの質問にもすごく丁寧に教えてくださり、改めて淵上さんとご一緒したいと思いました。
そして最後に、いま撮ろうとしている本作の内容についてご説明して、もし良ければ参加して頂けませんか、とお願いしました。(ドキドキ)
そしたら、私が思う現代の写真を含む表現への問題や感覚に共感してくださり、面白いと言って二つ返事で参加していただけることになりました。
↑うちのスタッフの写真を撮る淵上さん。
やったー!
そこから一緒に制作が始まります。
その濃密な期間についてはまた今度書きたいと思いますが、改めてご一緒できたこと感謝を述べたいと思います。淵上さん、ありがとうございました!!
ちなみに、駅に来られた時、カメラを首からぶら下げてられた淵上さん。
「写真を撮ってもいいですか?今、いろんな人の写真を撮ってるんです」
私は嬉しくって二つ返事で了承しました。
そしたら、不思議なんです。
淵上さんにカメラを向けられると自然とリラックスしてしまうという。
カメラを向けられることが苦手な私ですが、その時間は心地よく写真を撮られていました。
その不思議な安心感に、淵上さんの撮られた写真が持つ優しさの理由が少し見えた気がして嬉しかったのを覚えています。
ちなみに淵上さんですが、10月27日より東京都写真美術館での展示が決まっております!
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4542.html
すごい!!
映画の公開前ですが、気になる方はぜひ足をお運びいただければと思います。
もちろん私もいきます!
このようにナオの写真を撮っていただける写真家さんに出会うことが出来ました。
ただ、もう一人、劇中写真が必要な登場人物がいました。
重松りささん演じる小夜ちゃんの写真です。
こちらもなかなか写真家さんが見つからず困っていましたが、最終的には染谷かおりさんとお会いしてお願いすることができました。
そのことについては次回書きたいと思います。
次回は「写真家・染谷さんとの出会いと俳優部顔合わせ」です。
俳優部顔合わせ……いよいよ撮影に向けて本格始動ですね。
クラファンですが、みなさまのおかげで200万達成しました!
本当に、本当に、ありがとうございます。
https://motion-gallery.net/projects/hona_mata_ashita
もちろん350万が目標なのですが、それでも200万に達成したことはクラファン界の中ではすごく頑張っている方だそうです。
俳優部の尽力とみなさまのおかげ……
毎日胸がいっぱいです
あと約11日。
引き続き、応援のほどよろしくお願いします!
道本