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第1回「新人監督、はじめてのちょうへん！日誌」
vol. 11 2023-08-26 0
〜映画のはじまりとWSオーディションの書類選考について〜
みなさんこんにちは、監督の道本です。
本映画の始まりは22年9月。
プロデューサーの市橋さんから「シネマプロジェクトに興味ある？」というご連絡を頂いた時です。
前作「茶飲友達」で私が制作部として入っていたのがきっかけで、私の前作「なっちゃんの家族」を見て頂き、お声がけしてくださったとのことでした。
そのご連絡はとても嬉しく浮き足立ったのですが素直にお話しするとお受けするか悩みました。
理由はまだまだ未熟な立場ながら、予算のことを考えました。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、大作商業映画とはちがい予算が潤沢な企画ではありません。
その場合、苦労をしてしまうのはどうしてもスタッフになります。
信頼しているスタッフにお願いすればみんな絶対受けてくれる。
だからこそ、私の発する「やりたいです！」はすごく重たいものだと感じていました。
でも悩みに悩み、お返事するまでの期間も伸ばしてもらい、
まだまだ無名でも映画を撮らせていただけること、
ましてや歴代の活躍されている監督たちと同じ企画でと思うと、
「やらせてください！」以外のお返事が見当たりませんでした。
そして、まず、企画・脚本開発が始まりました。
手元に、私の原案を元に脚本家さんが書かれた脚本がひとつありまして、それを本作映画用に登場人物を増やして書き換える、ということで決まりになりました。
それから脚本家さんとの意見交換や、自分で手を動かしたりと、長い長い旅が始まるのですが、長すぎるので割愛します。
さて、時が経ち23年の2月。
本作のWSオーディションの参加募集が始まります。
そもそも、WS＝ワークショップ映画とはなんぞ？という方もいらっしゃると思います。
簡単に説明すると、イメージによくある短時間でいろんな方とどんどんお会いするオーディションとはちがい、ワークショップをして、一緒の時間を過ごす中で配役を決めていくというものです。
※ワークショップがわからない方は調べてください！
そして、そのWSに参加するためには参加料が必要な場合が多いです。
今回も参加料を頂いての開催でした。
当初募集を開始した際、いくらシネマプロジェクトとはいえ私は無名ですし、もう一人の監督の東かほりさんは最近話題になった作品の監督で、そちらに目がいって全然応募が来ないものだと思っていました。
ですが……
なんと……
＜439名＞の方が応募してくださいました！
歴代のシネマプロジェクトの作品群と募集を応援してくださった方々のおかげです。
ありがとうございます！
当初は100名これば……くらいの気持ちだったのでびっくりしたのを覚えています。
とってもとっても嬉しかったのですが、そこで初めての大きな壁にぶつかります。
そう、なにが大変かというと、全ての資料に目を通すことです。
その書類選考の基準ですが、今回のWSには安くないお金を払って参加していただくので
役がないのに無駄に払う方がいらっしゃらないよう
・現在の脚本に合う役があるか
・追加で配役する可能性が見えるか
という考えがベースにありました。
そして、応募してくださった方全員の資料にちゃんと目を通すことを（＝お芝居の経験数や有無で判断しない）をルールに見始めました。
資料を見る時、どこに着眼しているかを記載します！
※監督を始めてまだ2年目の若造の一つの視点として読んでください
①お写真
→パッとお写真をみた時に撮りたいと思うかどうか
これは恋愛のタイプと同様なイメージです。
監督の私はずっとその方のお顔を見ることになるので、シンプルに撮り続けて面白いと思えるか、好きと思えるかを基準に考えます。
また、写真を見ればカメラを前にした時の体や顔の使い方がなんとなく見えるので、そこもひとつの基準になります。
②生年月日や出身地などの情報
→条件があうかどうか
今回でいうと「関西人かどうか」がポイントになりました。
③出演歴
→映画・ドラマ・CM・舞台、どこで活躍されているかで身体的に慣れているお芝居や立ち振る舞いが違うので、どういうジャンルでどのようなことをされているか。
歴が少ない方は活動開始して時間が浅いのかどうかもみます。
そしてジャンルごとに持つイメージはこちらです。
映画が多い：自然体なお芝居をする方が多いイメージ
ドラマが多い：何度も同じことをされても器用にできる方が多いイメージ
CMが多い：短い時間でも瞬発的に求められたものが出せる方が多いイメージ
舞台が多い：脚本や演出を丁寧になぞってくれる方が多いイメージ
どのジャンルが多いか、偏りがあるか、全体的に活躍されているか、も総合的に見るポイントとしています。
④ご本人のリールや動いている動画
→写真だけじゃわからないので、過去の作品やインタビュー動画などを探して見ます。
そこで、大変だったことが二つあります。
一つ目は「出身地を書いていない人がいる」ことです。
本作、大阪の話なので、関西弁が扱える人を中心に募集をかけていました。
にもかかわらず、ちらほらいるんです。
出身地を書いてない人が！
そういう方がもし関西人だったら書類で落とすのが惜しい！と思い、検索して調べました。
これが時間かかるかかる！！！
とにかく、応募をしてくださる意思があるなら、こちらが知りたがっている情報は書いて！と心の底から叫びました。
そして、もう一つ
特に出演経験が多くない方にお伝えしたいのが、
「自分が動いている様子がわかる動画をネット上に落としておく」ということです。
経験がある方は出演された作品をリールとしてQRコードやリンクを貼って資料をくださいます。
それがあるだけで、格段に見るのがスムーズになりますし、判断がしやすいです。
でも、リールがない方もいらっしゃると思います。
その時に判断の材料の一つになるのは、当の本人が写った動画になります。
可能ならなにか芝居を撮ったものがあるとありがたいですが、なければ、せめて、youtubeとかでただ喋ってるだけとか、友達とだべってるだけとかでいいので、名前で検索した時にヒットする動画を残して欲しい、と思いました。
ポイントは「名前で検索した時に出てくる」です。
でないと、条件に合っているような気がしても写真だけだと判断がしづらく、選考の優先順位からは漏れてしまうことになります。
それで落ちてしまうのはすごく惜しいと思いました。簡単にできることなので。
今回はWS映画として、出演歴が少ない方でも気になった方はお呼びしたいと思い、懸命に調べました。
ただ、こんかいのような作品でなければ調べないことも多いと思います。
その際に、可能性がないまま終わる方が減ればいいなと思いますし、監督・スタッフの作業時間が軽減されれば、考えることに時間が割けるのでありがたいなと思います。
そして書類選考ですが、悩みに悩み7２名の方にWSオーディションに来ていただくことにしました。
そのヒリヒリのWSオーディションについては次回お話しさせてください。
伝えたいことが多く、長くなりました！
届くかわからないけど、心の叫びを書いて見ました。
なにかの参考になる方がいれば幸いです。
クラファン、もっと勢いづいていきたいです！
この日誌などについてもSNSなどに投稿して広めていっていただけると嬉しいです！
https://motion-gallery.net/projects/hona_mata_ashi...
最後まで読んでいただきありがとうございました！