突如生まれた肘掛犬
vol. 19 2022-08-08 0
スタッフにとっても驚愕の展開となった、肘掛犬がどうして生まれたのかについて、川村と八代のインタビューです!
川村:
犬丸の人形を作ってる時に、犬丸用の脇息(肘掛)が必要だって話になったんですよね。
八代:
犬丸の制作がスムーズに進んで、ちょっと時間に余裕ができたんですよね。それで、必要なパーツだけどまだ誰が担当するか決まっていなかった肘掛と煙草盆を、犬丸の手のサイズに合わせて作っておきますよ〜って言ったんだよね。
川村:
別に誰も「犬の形の何か」をお願いしてなかったんですよね。本当にただの肘掛が出来上がってくるって思ってたら「肘掛作りましたー」って出てきたのが、犬!?ってかんじだったよね(笑)
八代:
小川くんの古いスケッチの中で、立ってる犬丸が杖かなんか持ってたの、あったと思うんだよね。
川村:
持ち手の部分を犬の頭にするとかそんな話してましたね。
八代:
でも犬丸はいろんな都合で座ってるだけになって、杖を持って立ったり歩いたりというのがなくなってしまった。もしかしたら、肘掛のどこかに愛でれる犬の頭があるといいかもな、ってふと思って、肘掛の形をダックスフンドの形にして、撫でられる肘掛を作ってきたんですよね。でもその時点で、これは犬の彫刻であって、生きてる犬とは俺も思ってなかったんだけど(笑)
川村:
え、そうだったんだ!(笑)俺、もう見た瞬間、これはもう八代さん動かすつもりかぁ!って思ったよ!
八代:
俺、心の中でこれは彫刻だと思って作ったんだけど、作ってみたらちょっと生きてる風になっちゃって(笑)。やばい、生きてる風だと違う!って言われるかもしれないと思って、それで目はちょっと死んだ目にしてあまり動かないことにしてたんだけど(笑)
川村:
でもそれでは僕らのイマジネーションはこれでは止まらなかったね!見た瞬間に「これ動くんですか??」って聞いちゃった(笑)オカダさんも「こんなの見たら動かしたくなっちゃうじゃないですかー」って言ってたもんね。
八代:
そうか、動いてもいいのか!じゃあ逆にこうだよな、って思って。まぁその日の夜にね、手足と尻尾が動いて舌も出るバージョンを作っちゃったんだよね(笑)
川村:
最高のパスミスから素晴らしいゴールが生まれた瞬間ですよね。
八代:
夜中に一人で全部作っちゃったから、メイキングは撮れてないんですよ(笑)
川村:
そのスピード感。のべ数時間であれが上がってくるっていうのは本当狂ってる(笑)いやーでも良いミスパスですよ、脇息じゃないの?え、犬?え、動くの?ハァハァさせられますか?尻尾はパタパタするんですよね?とか、みんなに色々言われて、間違いの積み重ねで翌日には動かせるマスコットが生まれちゃうっていう。でも僕的には、犬丸ってただの悪いやつじゃなくて、実はちょっと犬好きみたいな、動物を愛してるっていう設定を加えられたことで、ちょっとだけ人として深みが出た気がしていて。愛犬を愛しすぎちゃって肘掛けにしてるみたいな歪んでる性格を、それを説明せずに表現できてるのが良いなって思ってます。あと甚五郎が猫を愛してるのと同じように、対する犬丸は犬を愛してて、みたいな。素晴らしい、急速なアドリブ。
八代:
アドリブが生きたねぇ〜(笑)
川村:
普通おかしいと思いますけど、こっちはもう大感動ですからね。そしてこれは今後どうアニメされていくのかが楽しみです。
(左が動かないバージョン、右が動かせるバージョン...!)
八代:
そういえば、新しいコンテに、犬がいるコマが増えましたよね?
川村:
そりゃあ追加しましたよね(笑)。犬は、常に犬丸の腕の下におさまってるんですよ。そんで、犬丸が暴れ出した瞬間に逃げるっていうかわいいアクションがあるんですよ。名前はまだないけどね(笑)