眠り猫のパペットについて
vol. 18 2022-08-05 0
今日はキャラクター造形について、監督の川村×木彫人形制作を務めた八代のインタビューをお届けします!
川村:
この猫は、日光東照宮の眠り猫がモデルだっていうのは決まってた。唯一、モデルがあるキャラなんで、チャレンジポイントとしてはどこまであのリアルな眠り猫に寄せるか、どこまでリアル猫っぽくするのかちょっとキャラ化されてるマスコットこういうのをするのかっていうのを、ずっと話してきましたね。
八代:
猫は後回しにしていたんだけど、実は川村さんはここのキャラクター気にしてるんだろうなって感じてました。というか、気にしてましたよね。
川村:
うん、気にしてた。
八代:
猫をいくつかスケッチしてたんだけど、いろんなタイプの猫を描いていて。
川村:
そうですね、八代さん、全部違う感じで描いてんな〜、どれで仕上げてくるんだろうな〜って思って待っていた(笑)
八代:
いろいろ描きながら、自分の中では一番この緩いかんじがいいなーって。
川村:
やっぱ超リアルにするのはちょっと違うし、でも日光東照宮の眠り猫は割とリアル寄りだし、どうしようかなーって思ってたけど、でも超いいところにいきなりドンズバで刺してきてくれたので。
八代:
民芸品の赤べこみたいな、すごくプリミティブな形で、うまく動きや何かが面白かったり、あるいは逆に赤べこ構造だから出る動きの面白さとかが使えるといいなあと思いながら作ったりしてましたね。
川村:
結果やっぱりいい塩梅だったと思うんですよ。リアルでもないし、あの眠り猫でもないんだけど、モデルになってる子っぽさがあっていい距離感で。リアルすぎず、甚五郎の横にいて清涼剤としてかわいらしい、味わいのあるキャラになったなと。
八代:
猫としていろんな動きをするとなると、どうしてもちゃんと動くための造形に限られてくるんだけど、幸いこの子は眠ってることが仕事な役柄なのがいいんですよね。まずは眠ってる姿でいい形を作っていけばいい。
川村:
置き換えパーツが数個しかないのに、アニメさせるとかなり動いててリアルに感じる。ぴょーんって飛び上がるところとかね。ほぼ溶けてるような動き(笑)
(眠り猫の置き換えパーツ)
八代:
本当は猫ってちょっと溜めてぴゅんっと飛ぶんだけど、他の演技との絡みでささっと動く必要があって。尺が短くても面白い動きっていうと、もしかして漫画的な表現かな?と思って。
川村:
いや、正解ですね〜。甚五郎とこいつが旅をしててそれをもとにもしかしたらあの日光の眠り猫を彫ったのかも感っていうギャップがある方が萌えるし。この猫の柄も、実際の眠り猫の柄に合わせてもらってるんですよね。
川村:
しかもよく動くんだよね〜。このあくびなんか、顎とかよく動いててすごいかわいいですよね。ちゃんとベロもあるみたいな(笑)。さっき八代さんも寝てるのが仕事って言ってましたけど、寝るのが仕事がゆえにあくびが唯一の見せ場だから、ちゃんとしてたよね。耳もちゃんとピクンって動いたり。
八代:
サイズ感もね、道具箱に乗った時にちょうどいい感じのサイズ感になってて、全てがうまくはまっている。
川村:
欲しくなっちゃいますね、大きさ的にも(笑)