制作ノート4 冬のシーン
vol. 16 2015-04-19 0
低予算映画だからこそ
『雨にゆれる女』は半野喜弘の初監督作品ということもあり商業的な制約を多く抱えるよりも、
作家としての色を強くだせる態勢で制作することがいい結果に結びつけられるのではないか
思い、昨年末にほぼ自主映画スタイルで進めることに決めました。
はっきり言って、とても低予算です。
だからこそ、貧乏臭くしたくない。
時間をかけ、手間をかけ、キャラクターを作りたい。
ということから昨年末に1日、青木さんと撮影の山田さんほか一部スタッフの参加がかない、
「冬ロケ」が敢行されました。
マジックアワーを狙って
青木さんを迎えにいったのは3:30a.m.
はやい、さむい、ねむい、そんなことは一言も言わない我らが主役。
寝癖はついてましたが…。
続いて監督と監督宅に宿泊したスタッフをピックアップ。
青木さんはここで衣裳の支度もして、「健次」に。
さらに機材のある渋谷で山田さんたちをを積んで、渋谷をでました。
撮りたいのは日があがっていくつかのまの時間。
いわゆる「マジックアワー」はほんとに一瞬。
夜が明けきったら、おしまいです。
交通事情もよく、目的地には余裕をもって到着。
6:00にはスタンバイ。6:30頃にはシュート。
7:00には完全撤収。それしかできないと事前のロケハンでわかっていて、
われわれは闇に身を潜めて、その瞬間に備えていたのでした。
いや、実際には潜めきってもおらず、けっこう目撃されていましたが、
幸いなんらおとがめもなく、撮りたいものを撮り、その場をあとにしたのでした。
順調に撮影は続く
その後、近くの道や工場でも撮影。
お天気がよすぎて、光の加減が悩みどころでした。
健次のリュックは監督がネットで探し出したもの。衣裳は日本に戻る前に監督がパリで入手した古着。
このシーンでは、撮影場所の方がエキストラで協力してくださいました。
スチール=藪下雷太