あと5時間となりました
vol. 9 2017-07-31 0
こんにちは。大久保です。
いよいよ最終日になりました。達成できるか?! の緊張で少し疲れてしまったので(笑)昨日終えた岡山でのワークショップのお話などを。
7/22に岡山入りし、7/30に発表会でした。全9回のワークショップ。地元の方々と「夏の夜の夢」を30分ほどで上演、という企画でした。
「夏の夜の夢」通称「夏夢」。Wシェイクスピアの書いた喜劇です。大好きな作品です。
たったの9回の稽古、平日は夜の2、3時間しかできませんし、年齢も演劇のキャリアも全く違うメンバーですから、セリフを覚えてもらってシーンを稽古して…というのは難しい。だとしたら、エチュードです。即興でシーンを立ち上げます。
みなさんの日常から出てくるネタを拾って、強引に「夏夢」にこじつける、いわば「こじつけ力」が試される現場でした。
特に妖精や職人のパートが難しく。どんな演出家でも同じように苦戦する場面だと思うのですが、妖精って普通にやったらただのギャグになってしまいます。それなのにこの戯曲が残っているのは、今を生きる私たちの日常のドラマに通じることがある訳でして。私たちの日常から「夏夢」と繋がるへその緒を探っていきました。
エチュードを重ねていくうちに分かってくるその人となり。最初は大人しかったのに「枕で他人を叩いてみて」とお題を出すと、イキイキと叩き出す女の子、また、なかなか叩けない男性。結婚経験が無いのに楽しそうに倦怠期の夫婦を演じだす男女。確かにさっき即興で自分で言った言葉なのに「それをもう一回やって」と言うとできなくなったり。なぜできなくなるんだろう? なぜここでイキイキできてここだとできないんだろう、なぜなぜ…??? 演劇の作業はクールとは程遠いなぁ泥臭いわ…といつも思います。自分でも気づかなかった自分が出てきてしまいます。ものを産み出す現場というのは、全てそうなのかも知れません。
そうしてできた岡山版「夏の夜の夢」。ちょうど来週夏祭りだという岡山で、少しだけ時空が歪み、理性と野性が交錯するようなお芝居ができたのではないかと思います。
この地で11月、「班女」を上演します。
もしよろしければ、ご協力をお願い申し上げます。
大久保美智子