みちこの世界
vol. 7 2017-07-27 0
先日行われた「班女」東京公演で“吉雄”(妙齢ver&老齢ver)をやらせて頂きました橋口です。
ご来場頂いた皆様には厚く御礼申し上げます。
「班女」のプレゼンターである大久保美智子さんが目指し、拡げていこうとしている“様式”の世界とは?
今回の稽古でまず驚いたのが、読んだときには全くイメージ出来なかった大胆な発想で、それぞれの役を作り上げていこうとしていることでした。
「吉雄」は浮浪者!?「花子」はゴリラ!?
そして自分には不慣れな“様式”的な動き。
ゆっくり動いたり、首を動かさずにしゃべったり、時にはじっと止まっていたり。
無意識に動いてしまうのを意識的に制御するのが思っているより難しい…。
心身ともに違和感だらけの中で戸惑いながら始まった稽古。
変幻自在の大久保美智子さんと、ドッシリとした佇まいに圧倒される中川佐織さんに挟まれ、とりあえず必死についていくだけで精一杯でした。
それでも公演を一回二回と経験していくにつれ、美智子さんが作り出そうとしている世界も朧気に見えてきました。
堅苦しいイメージが先行してしまいがちな“様式”的な動きも、それぞれの役の個性を表すものとして機能すれば、日常の動作よりもっと想像力が膨らむ可能性があるのではないかと。
そして目の前で行われていること以上のものをお客さんが受け取って、それぞれの想像力で作り上げていく場を楽しめる、そんな世界を目指しているのではないかと。
きっと美智子さんから生まれる大胆な発想はまだまだ豊富にあると思いますし、美智子さんが思い描いている“様式”の世界も、これからますます拡がっていくことと思います。
ぜひ大久保美智子さんの夢に乗っかって、新しい世界を共に作り上げて頂ければと思います。
↓@池上本門寺