三島由紀夫って。
vol. 6 2017-07-24 0
演出助手で関わった、小笠原くみこです。
三島由紀夫が書いた文章には、これまでにいくつか触れたことがあって、
触れたきっかけは「触れておいたほうがいいから」という、勉強的な意味でした。
たまたま触れたいくつかの文章を読んだ感想は、
なんだかちょっと気持ちの悪い、 私が普段触れたくない人ばかりが描かれているなー、
と正直思っていました。
それから、だいぶ時が経ち、今改めて「班女」という作品に携わり、
ヤッベー、マジ、ドキドキするじゃん、これって、あたしのこと書いてる?
みたいに思えたんです。
なんだ、この差は?
簡単に言えば、歳をとったってことなんだろうけど。
私なりに分析すると、 外側にあった私と関係のないドキドキする世界が、
実は自分の世界にあったよ、みたいな驚き。
魚出汁の料理ばっかり食べていて、それ以外の出汁をオイシクないと思っていたのに、
肉出汁の料理を食べたら、ああ、この出汁を求めていたんだ、と気づいたような驚き、
といったらいいのでしょうか。
まあ、よく言うじゃないですか。
子供の頃食べられなかったモノが、大人になったら美味しいと感じたとか。
珍味とか。
そういうモノなんじゃないかと思いました、三島由紀夫って。
(↑写真は、最近食べたおいしかったモノです。ヤングコーンの素焼きです)
誰もが食べる、王道の食べ物も、もちろん必要ですし、好きですよ。
でも、案外これもおいしいじゃん、無くなったらなんか寂しいし他に変わるものがないなー、
みたいな食べ物、あるじゃないですか。
そういうものが、地のモノとなって名産として売り出され、
他の地域にいって食べられたとき、
へえー、おいしいじゃん、となるじゃないですか。
そうやって、ある程度市民権を得ていくんだと思います。
三島由紀夫の文章って、そういうことなんだと思います。
「班女」には、三人の登場人物が出ます。
三人のうち、二人は女、一人は男です。
今回の「班女」の稽古に関わった女性陣で、
若いメンバーは、「花子」役に、
いい年齢を重ねてきたメンバーは、「実子」役に、グッとくるらしいです。
もちろん、私は「実子」にグッときたことは、言うまでもありません。
けれど、若いメンバーが「花子」にグッときていることも、うなずけます。
(↑写真は多摩川から見た武蔵小杉の夜景です。特に内容と関係ありません。すみません…)
これを読んでいただける方は、
三島好きか、演劇好きか、大久保好きか、 いずれにしろ、
私がクドクドここまで書いたことなんて、言わずもがな、なのかもしれません。
好き勝手な、自分の発見を書いてしまい、申し訳ありません。
今後も、応援をよろしくお願いいたします。