「やりたいと思う仕事」をするために。
vol. 6 2018-06-13 0
Food Hub Project は農業の会社です。
収穫した農産物を地域の人たちに食べてもらう場所として、食堂「かま屋」、パンと食品を扱う「かまパン&ストア」を運営しています。
今回は、Food Hub Project かまパンの製造責任者:笹川大輔の話です。
笹川大輔(かまパン・製造責任者)
「やりたいと思う仕事」をするために。
私は今から1年半前、店舗のオープン直前に家族と共に東京から神山町に引っ越してきました。神山町にきた理由は、「自分の『やりたいと思う仕事』がそこで始まろうとしていた」から。
わたしの「やりたいと思う仕事」は、お客さんの生活や顔がみられる関係性を築き、仕事そのものが生活の一部になるような仕事。お客さんも、自分も、どこの誰なのかがわかるという関係性を「パン」を通して築いていきたい、と思っていました。
神山町に来る前は、自分の店をもち、一人で全部をやろうとすることも考えていました。でも、一人でパン屋を切り盛りするだけでは、やりたいことの実現が難しい。
一方で、フードハブはITの会社「ものさす」がかかわっていることもあり、広報を含めた商品の売り方が理想的だと思えました。さらに、農業を中心に、食堂、食育、「いろんなもの」が絡んでいて、パンもその「いろんなもの」の一部になって一緒に連動しているのがおもしろいと思い、自分も「いろんなもの」の一部になることを選びました。
「パンと小麦の関係」
今の仕事で1年半、地域の人たちとの関係性も少しづつできてきたところです。
今後は地域の人たちとの関係性も大切にしながら、かまパンとつながりのある作り手さんたちとの顔の見える関係性も築き上げていきたいと考えています。
パンの作り手としての仕事は東京にいる時と同じかもしれませんが、「小麦の栽培」から関わることができるのは、フードハブの「いろんなもの」が絡んでいる良さの一つ。
これまでは、作りたいパンを焼くために小麦を選んでいました。でも、今は「自社で育てている神山小麦」を使ったパンも焼いています。自社で育てている「神山小麦」は、神山町で70年以上継がれてきた在来の小麦で、甘さがあり、優しい風味の中に力強さがある小麦です。
神山小麦については、農業長の書いたこちらの記事をお読みください。→パンを食べる。小麦を育てる。田畑を守る。
カンパーニュ(神山小麦を20%使用)
カミヤマ100(神山小麦を100%使用)
今は、かまパンで使う「神山小麦」をフードハブの農業チームが育てています。
渡邉啓高(農園係)・先日行われた「神山小麦」の収穫の様子
今後、神山町の農家さんたちや、新しく農業を始める人たちが「神山小麦」を育てることになるかもしれません。
神山小麦を使ったパンを焼き、顔の見えるお客さんに小麦の話や小麦の作り手さんの話をしながら、販売する。これは、はじめに伝えた「やりたい仕事」です。
そういう地域のつながりの中で、パンと小麦の関係を知ってもらい、買ってもらう。「神山小麦」を使って焼いたパンを手にするお客さんが増えれば、たくさんの小麦が必要になる。そうすれば、神山町の耕作放棄地が小麦畑に変わっていくかもしれない。
それは神山の田畑を守ることに繋がると考えています。
10年後、たくさんの農家さんが神山小麦を栽培する。その小麦でパンを焼き、地域の方々の喜ぶ顔が見たいです。
クラウドファンディング「小さいものと、小さいものをつなぐ」
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