与論島のことをコラムに書きました。
vol. 7 2021-02-23 0
上の写真は与論島です。美しい海、人と共にある畑が陸地に広がります。美しい海も畑も、人と自然が一緒につくったものです。自然だけでも、人だけでもできるものではありません。
この間の日曜日に木川が担当する朝日新聞和歌山版「ウラマチぶらり」に与論島で行ったART&FACTORY JAPANのことを書きました。
「島民との交流 心温まる」
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http://digital.asahi.com/.../MTW20210222310830001.html
ニューノーマル時代の観光映像の新しいカタチを模索するイベント。そういう風にプレスリリースには書いたりしました。でも、実際に企画運営した自分でも、現地に行って、与論の人々とお話をして、そして映像作家たち4組の撮影を追って、違うなにかの“ウネリ”を感じました。こんな生易しい言葉で語れることじゃなかった。
あるチームの人は「与論島から家に帰ってから抜け殻です」とメッセージが来ました。この言葉は僕にもしっくりきました。3チームを空港で見送りました。その瞬間から、本当に寂しくなりました。
あるクリエイターは、与論島の人々の死生観に驚いていました。若者へのインタビューでも洗骨の話がでてきました。そして、ヤーナーの話(家名)の話。名前をおじいちゃんから孫へと引き継ぐ。
この輪廻がめぐる世界観があるからこそ、与論の人たちは自分の子供のこと、孫のことを考えて、良いことをするんだ、と。それが彼らが導き出した一つの答えでした。
日本国際観光映像祭の今年のテーマは「平和」です。それは戦争がない世の中、というだけでなく、コロナが引き裂いた人々の関係を再びつなげる、ということです。それが平和であり、観光なのだと思います。
与論は二度もコロナのクラスターが起きました。でも、その中でも誹謗中傷は島の中では起きず、今回私たちが受け入れられるか不安に思って現地にいっても、優しく対応してくださいました。
優しく対応、という言葉ではたりません。日本中での撮影に従事してきたプロたちが、与論の人たちは本当に優しく対応してくれた、とびっくりするんです。
このような環境の中で、クリエイターと島の人たちが一緒に撮影できた。だからこそ、僕は別れるとき、寂しくなりました。めっちゃ寂しくなりました。そしてそれは他のクリエイターも同じでした。
これが人間っていうことなんだろう。そう思います。コロナの時代、インターネットだけで人をつなげる時代が来ると多くの人はいいますが、そうじゃない、人間の世界があります。それを僕は与論島で教えてもらいました。そして、それは与論島だけのことじゃないんです。その感情を知り、そして、誰かに優しくなれる自分に出会うこと、それが観光なんだと思います。
いよいよ来週、日本国際観光映像祭です。そして、与論島とともに行うART&FACTORY JAPANの作品のお披露目も3月2日に京都は清水寺から。
詳しいプログラムは以下のプロジェクトページから見れます。
こちらのクラウドファンディングも残り4日となりました。
厳しい状況です。みなさま、SNS等でのシェアをお願いいたします。
木川剛志
ディレクター, 日本国際観光映像祭