全国規模の新たな基金がはじまります
vol. 3 2020-04-05 0
ご支援くださったみなさま、こんばんは。
このクラウドファンディングのプラットフォームを使用して【出町座未来券】の発行をはじめて3日目で、600名以上の方から400万円以上のご支援を頂いております。
また、たくさんの映画関係者、監督、俳優の皆さまからも、ご協力やご支援を頂きつつ、新たな発信がなされています。
本当に、ひとつひとつの皆さんの動きが、今をこの先に繋げる希望だと思います。
感謝を忘れず、零さず、文化の灯を消さぬよう邁進します。
まず、『サイタマノラッパー』シリーズや只今全国ロードショー中『AI崩壊』の入江悠監督がご自身のブログで
というリストを作ってくださっています。
全国各地の劇場がいま同じような状況で、刻々と瀕死の一途を辿る中、今回の感染症拡大状況で出した緊急支援の呼びかけ(当方の未来券も含む)や、元々あるオンライン会員入会受付やサポート受付のあるものがリストアップされていっています。
一般の方が家から出ずに、自身が支えたい劇場を選んでサポートできる、そういう役割を果たしていると思います。サポートしたい劇場の会員にオンラインで入会することは、即その劇場の支援になりますので、こういったことも周知ご協力頂ければ幸いです。
そして本日、新たな基金の立ち上げがリリースされました。
Mini theater AID(Twitterアカウント @MiniTheaterAID )
「Mini theater AID=ミニシアター・エイド」は、『よこがお』の深田晃司監督と『ハッピーアワー』の濱口竜介監督が連名で発起した取り組みです。コロナ禍における小規模映画館支援のための基金ということで、当方の劇場単独の動きではなく、多くの中小規模ミニシアターを支えることができる仕組みです。近日中にプラットフォームが立ち上がる予定です。これはたくさんの劇場を支えることを見据えているため、本当に多くの方のお力添えが必要になってきます。ぜひ皆さま、ご注目下さい。
そして深田監督、濱口監督おふたりのステートメント、お目通しいただければと思います。
*ちょっと画質荒いですが…すみません。
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さて、本日も営業終了の時間です。
今日は私もお客さんと一緒に、『かぐや姫の物語』を場内で観ました。
冒頭から泣いてました。
この映画、実は最初の方の、姫(たけのこ)がすくすく育っていくところが真のクライマックスなんですよね。後半、じわじわと、あの野山で走り転げる日々が愛おしくて仕方がなくなるという。だから何回も観てると、冒頭のなんてことないシーンがもう全部クライマックスなんです。翁(おきな)が「ひーめ!おいで!ひーめ!おいで!」ってムキになって呼んでるうちに、こっちに向かってくる姫の無垢ないじらしさにだんだん涙目になっていくあの感じ…。
かぐや姫は、野山を駆けるあのかけがえのない日々に戻りたくても、もう戻れなくなってしまった。人の世というのは、何もかも純粋な野山での暮らしもあれば、高貴と呼ばれる見栄や嘘にまみれた社会もある。清浄無垢な月の世界からすると汚れでしかない、そんな人間世界の歓び、悲しみ。愉しみ、怒り。人はそれをいつくしみ、人の世を繋げていけるのだろうか。そのことが2020年の今、より重く突きつけられているような気がしました。
わたしたちが今立っているのも、これまで授かってきた、何気ない、当たり前のことを取り戻せるかどうかの別れ道なのだと思います。
明日は週明け月曜日。
出町座は、映画と書店は通常通り営業しますが、カフェ「出町座のソコ」は臨時休業です。
皆さまにも、お仕事でお出かけの方も多いかと思います。
必要な注意は払いつつ、気持ちはポジティブに参りましょう!
出町座 田中・拝