人は一本の管
vol. 3 2020-04-18 0
いかがおすごしですか。
ひとりでお過ごしのかたもいるでしょう。
たまたま乗り合わせた船のなかで
なんとかうまくやっていこうとしている人もいるかもしれない。
長年おなじ顔でもう飽きたでしょ、とか、
なかなか会えたかったけど、最近ずっといっしょにいられてよかった という人も。
ともかく、人は食べます。
ずっと食べないと、死んでしまいますから。
ココルームでは、ともかく昼の時間がくれば、昼ごはんを食べ
夕方になれば、夕ごはんを食べます。
今日の昼ごはん:大根おろしの白菜 鯖の焼いたん かぼちゃのミンチあんかけ たけのこの炒め物 なます 豆のたいたん サラダ おくらと長芋 ごはん 高菜 つけもの
今日の夕ごはん: 鳥の焼いたん 豆のたいたん 鯖ののこり なます たけのこの炒め物 かぼちゃのミンチあんかけ わかめスープ 高菜 サラダ つけもの
日常ですから、のこりものが次の食卓にのぼります。
けっこうアレンジが効いていて、びっくりすることもあります。
+
ひとりで食べるより、わいわい、楽しみながら食べると、おいしいですよね。
人がいると良いわけではなく、緊張を強いられたり、嫌な目にあうような、そんな食卓なら、食べないでいられるなら、食べないでおきたいですね。
ココルームでは、もう18年間ずっと食卓をそこにいるみんなで食べるようにしています。
スタッフもお客さんがいっしょに食卓を囲みます。
夜には、スタッフはお酒はのみませんが、お客さんは晩酌されることもあります。
でも、あまりお酒がすすむような食卓ではないです。
お酒のお酌はしません。
だいたい、みんな好き勝手に話しています。
なるべく、みんながまんべんなく話すといいなあ、と思っていて、はじめてのお客さんには
「どちらからいらしたんですか」とスタッフが尋ねることもあります。
あまりに当たり前に食卓が進行するので、
尋ねるより前に、お客さんのほうから「どういう人たちなんですか?」と
とまどいの問いかけをうけることもあります。
ごはんを食べ終わると、スタッフたちが席を立って、片付けをはじめます。
ゆっくりお酒を飲もうという気分に水をさしているのはわかっているのですが、まだ飲みたければ、よそのお店に行くことも選択肢です。ココルームの別の場所で飲みつづける人もいます。
ココルームではごはんのあと、片付けがさきで、そのあと、コーヒー、時にはちょっと甘いものや果物があって、ごはんの時間が無事におわります。
+
コロちゃんによって、
人が集まって、おしゃべりしながら、食卓を囲むことができなくなりました。
それでも、いまのところ、ココルームは ごはんの時間をつづけています。
スタッフだけの食卓も増えました。
(もちろん、その方が感染のリスクは減らせるので、スタッフの安全確保ができてほっとしています)
こういう日もあれば、
それでもなおココルームの食卓に座りたい、と
思ってきてくださる方の事情や思いも感じています。
だから、この場をひらきつづけたい、と思うのです。
この食卓が生きるちからになるのなら。
日常だから。人は管のように、食べて、出す、生き物だから。
(上田假奈代)